鹿児島・頴娃町エリア《頴娃おこそ会》
地域総力戦のまちづくり。
|九州観光まちづくりAWARD2023 金賞 にぎわい部門
2022年、大きな反響があった、JR九州が創設した「西九州観光まちづくりAWARD」。2023年は、舞台を佐賀・長崎の西九州エリアから九州全域に拡大し、新たに「九州観光まちづくりAWARD」を発足! 今回は、薩摩半島の南端にある頴娃町。観光地ではなかったこの地に、いま多くの観光客が訪れている。その立役者は、頴娃おこそ会。にぎわい部門の金賞を受賞した、その活動について話を聞いた。
官民・世代を超えた、
賑わいが生まれています!
薩摩半島の南端にあり、海と空、開聞岳(かいもんだけ)を望む、のんびりとした南国ムード漂う南九州市頴娃(えい)町。この地でまちおこしをするのは、NPO法人「頴娃おこそ会」だ。自身も移住者である理事長の瀬川知香(せがわ・ちか)さんはこう話す。「2005年、地域の担い手不足を解消できるよう、後継者がいる町を目指してスタートしました」
驚くことに、ひとつのプロジェクトが終わると誰かが触発され、次は釜蓋(かまふた)神社を盛り上げたい、茶畑を見渡す階段をつくりたいなど、地域を盛り上げる活動が自発的に広がっていったという。年齢も仕事も個性もバラバラのメンバーだが、とりあえずやってみようというポジティブなムードがチーム内に満ち、活動を後押ししているようだ。
地域おこし協力隊も受け入れ、3年の任期の間に、自分のビジネスの種をまいてもらい、任期後も頴娃にとどまる移住のサイクルも回りはじめた。人が増えると、ごはんを食べたい、泊まりたいという新たな需要も生まれた。そこで、空き家を宿に変え、滞在型観光を目的とする活動がはじまった。いまや関東圏や海外からの旅行者も増えてきている。
「誰かが倒れても、安心して分担できる、頼れるチームが私たちの誇りです」と瀬川さん。町全体でボトムアップして、行政と連携しながら賑わいをつくる姿に、立川裕大さんは「皆さんが地域に無償で愛を注いでいることに感動。もっと盛り上がっていってほしい」と期待をかける。
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再生した空き家はいま、11の観光施設に!
頴娃おこそ会
住所|鹿児島県南九州市頴娃町別府5202 いせえび荘内
Tel|0993-38-0160
Mail|okosokaikanko@gmail.com
https://ei-okosokai.jimdofree.com
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「下園薩男商店」
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1|九州観光まちづくりAWARD2023、はじまりました。
2|大分・別府エリア「BEPPU PROJECT」
3|鹿児島・奄美大島エリア「伝泊」
4|熊本・和水町エリア「花の香酒造」
5|福岡・小倉エリア「小倉縞縞」
6|鹿児島・頴娃町エリア「頴娃おこそ会」
7|鹿児島・阿久根エリア「下園薩男商店」
8|九州観光まちづくりAWARD2023 参加者9組
9|九州の素晴らしいヒト、モノ、コトを再発見する旅に出よう。
text: Nozomi Kage photo: Hiromasa Ohtsuka
Discover Japan 2023年10月号「私を癒す15の旅。/九州」