FOOD

鹿児島・阿久根エリア《下園薩男商店》
人を呼び込む、ウルメイワシの可能性
|九州観光まちづくりAWARD2023 特別賞–NEXT CREATE–

2023.10.4
鹿児島・阿久根エリア《下園薩男商店》<br><small>人を呼び込む、ウルメイワシの可能性<br>|九州観光まちづくりAWARD2023 特別賞–NEXT CREATE–</small>
パッケージもかわいい鰯のオイル漬け「旅する丸干し」シリーズ(972円)

2022年、大きな反響があった、JR九州が創設した「西九州観光まちづくりAWARD」。2023年は、舞台を佐賀・長崎の西九州エリアから九州全域に拡大し、新たに「九州観光まちづくりAWARD」を発足! 今回は、ウルメイワシで地域活性化を行う「下園薩男商店」。その美味しさと実直な取り組み、さらなる飛躍が期待される若い力が評価され、特別賞を受賞。のびのびと活動する下園さんに会いに行った。

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“ひと手間”で、地域の資源は、
旅の目的になる。

審査員一同を驚かせたのが、このウルメイワシ!8〜10㎝の身は、噛むほどに旨みがあふれ出す

鹿児島・阿久根の名産であるウルメイワシ。その丸干しを切り口に、阿久根を盛り上げているのが、「下園薩男(しもぞのさつお)商店」3代目・下園正博さんだ。「早朝4〜6時に捕れた、お腹に餌が残っていないウルメイワシを、手作業で1尾ずつ串刺ししています」という丸干しは、驚くほど美味!

「弊社は“いまあるものに、ひと手間加える”ことで成長してきました」と正博さん。創業者である祖父・薩男さんは、ウルメイワシを丸干しにし、2代目の満さんは衛生管理で商品力を高め、販路を拡大。正博さんは、丸干しを世界の調味料と合わせたオイル漬け「旅する丸干し」を開発し、これが大ヒット! 2017年には、工場兼観光拠点「イワシビル」を完成させ、1階はショップ&カフェ、2階は工場、3階はホステルという、阿久根の新しい旅先を生み出した。また、地域で誇りをもって働いてほしいと、スタッフはすべて正社員。まちづくりはいまも拡大しており、現在はまちづくり会社も運営し、地域おこし協力隊のサポートや地元鮮魚店の継承、宿のプロデュースなど、活動は多岐にわたる。いま、正博さんが見据えるのは世界だ。

ウルメイワシを皆でパクリ!

「世界一のアンチョビをつくって皆を驚かせたい」と笑顔を見せる。福田里香さんは「ウルメイワシがこんなに美味しいなんて! 足を延ばしてでも食べてほしい味です」と太鼓判を押した。

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地域の雇用と誇りを生み出す「イワシビル」

古いビルをリノベーション。3階はホステルに
センスのよいオリジナル商品が並ぶショップ。併設のカフェでは、たい焼きなども味わえる

下園薩男商店
住所|鹿児島県阿久根市鶴見町76
Tel|0996-73-3104
営業時間|ショップ・カフェ11:00~17:00、土・日曜、祝日~18:00(L.O.17:00)
https://marusatsu.jp

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九州観光まちづくりAWARD2023
参加者9組

 
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text: Nozomi Kage photo: Hiromasa Ohtsuka
Discover Japan 2023年10月号「私を癒す15の旅。/九州」

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