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ガラス作家グループ展-5人5色の創造性-
オオタ硝子研究室×関野ゆうこ×古賀雄大×安土草多×木下宝

2023.7.8
ガラス作家グループ展-5人5色の創造性-<br><small>オオタ硝子研究室×関野ゆうこ×古賀雄大×安土草多×木下宝</small>

渋谷パルコ1階のDiscover Japan Lab.では、2023年7月8日(土)~7月23日(日)にかけて企画展「ガラス作家グループ展−5人5色の創造性−」を開催。
今回注目のガラス作家5名による手仕事の数々を紹介します。緻密な技法と豊かな感性が織りなすガラスは、空間に涼やかな輝きをもたらすでしょう。

公式オンラインショップでは7月10日(月)20:00より順次取り扱いスタート

まるでガラスの中で踊る泡の結晶
|関野ゆうこ

関野ゆうこ(せきの ゆうこ)
1985年、大阪府生まれ。2008年に大阪芸術大学ガラス工芸コース卒業後、ガラス工房「fresco」に勤務。2012年、ガラス作家の夫・関野亮さんと吹きガラス工房「SORTE GLASS」を設立。翌年にアクセサリーブランドも開始。

「ゆうこはガラスが好きやなあ」。高校時代、イタリアに研修旅行に出掛けた際、博物館でガラスの展示物ばかり眺めていた関野ゆうこさんに友人が放ったひと言だ。この言葉に自身のガラス好きを自覚し、以来、吹きガラスの道を歩むようになった。関野さんは「うたかた」と呼ばれる独自のスタイルで作品に表情をつけていく。ガラスの表面に泡を浮き出す技法で、はじけているものもあったり、一粒ひと粒に個性や動きがある。「うつわのフォルムは技術でコントロールしていますが、表情については泡のなすがままに任せています。この作為と無作為のコントラストを、楽しんでいただけたらうれしいです」と関野さん。キリリとした表情の中に広がる、幻想的な世界を堪能して。

左から沫のおもり(8800円)、うたかたのアイスコーヒーグラス(7040円)、うたかたの高台鉢(8470円)

 

関野ゆうこ 作品一覧
 

懐かしくはかない姿に心奪われる
|安土草多

安土草多(あづち そうた)
1979 年、岐阜県高山市生まれ。2001年からガラス作家の父・安土忠久さんの下で宙吹きガラスを学び、独立。2002年に高山にて築窯。ベーシックでありながら、ノスタルジックで優しく、暮らしにそっと馴染む作風が人気を集めている。

ほんのり黄みがかったグラスを手に持つと、表面の凸凹のゆらぎがやさしく肌に伝わってくる。決して奇をてらったフォルムではないが、そこに佇んでいるだけで感じる存在感。「使われてこそ美しいうつわをつくりたいと思っています。つまり私の作品は使ってくださる方がいて、はじめて完成するため、コンセプトはもたせていません」と安土草多さんは言う。精製度の低い原材料を使い、窯の温度や作業スピードを調整しながらつくるガラスは、クラシカルな風合いで、どこか懐かしい。テーブルに映る光の陰影も穏やかで、使い手の心を和ませてくれる。日常のワンシーンをささやかな美しさで満たしてくれる。そんな贅沢なうつわを、暮らしに取り入れたい。

左からショットグラス鳴門(3080円)、丸グラス(3520円)、八角筒片口木把手(2万2000円)

 

安土草多 作品一覧
 

流動性がつくるつややかな表情
|古賀雄大

古賀雄大(こが ゆうだい)
1988年、福岡県生まれ。2011年に東亜大学医療工学部医療栄養学科を卒業後、琉球ガラス職人の見習いとして沖縄県読谷村のガラス工房「海風」に入社。2022年「KOGA GLASS STUDIO」を設立し、ガラス作家としてデビュー。

おおらかで華麗。古賀雄大さんの作品を眺めていると不思議と胸が躍るのは、彼のうつわに対する想いがじかに伝わってくるからなのかもしれない。「幼少期にテレビで見た、ガラス作家さんの制作風景が印象的で。とても楽しそうに制作されていて、私も同じようにものづくりをできたら最高だと思ったんです」。素材本来の美しさを引き出すために、古賀さんはガラスが溶ける際の“流動性”を意識する。さらに光の屈折具合や、そこから生まれる影をも表現材料にすることで、唯一無二のテクスチャーを生み出している。「皆さんが笑顔で使っているシーンを思い浮かべながら制作しています。日々の暮らしの中で、うつわのさまざまな表情を発見してほしいです」。

左からflowロックグラス グレー(4400円)、sparkle冷酒グラス カラー(3520円)、flow 片口 クリア(4620円)

 

古賀雄大 作品一覧
 

瓶の記憶をつなぐアップサイクル
|木下 宝

木下 宝(きのした たから)
秋田公立美術工芸大学研究生修了。ガラスアート創造の場として親しまれる富山市ガラス工芸センターに勤務後、富山市のガラスアート専門学校・富山ガラス造形研究所研究生を修了。ブランド「Simpleglass.」を立ち上げて活動中。

木下宝さんはガラスという素材の“動きたい方向”を尊重する。「素材の力を信じ、任せれば、それ自体がもつ魅力的なかたちにおのずと導いてくれるんです」。さまざまな作品の中でも「bottle origin」シリーズはユニークだ。ワインや栄養ドリンクなど、捨てられるはずの空き瓶をアップサイクルし、使えるうつわへとよみがえらせる。「瓶は瓶のままでそれ自体、ほとんど完成形だと思っています。でも、そのかたちを抜け出したときに、別の魅力が出てくるような気がして。いつも瓶と会話しながらつくっています」。過去の面影をわずかに残しつつ、洗練された姿へと昇華。実際に作品を手に取り、自分の懐かしい記憶とリンクさせながら愛でるのもいい。

左からbottle origin glass(3300円)、bottle origin long pitcher(2万7500円)、bottle origin vase(1万3200円)

 

木下宝 作品一覧
 

光による表情の変化を味わいたい
|オオタ硝子研究室(太田良子)

太田良子(おおた りょうこ)
神奈川県生まれ。2001年に東京ガラス工芸研究所卒業。2006年より兵庫県のガラス工芸館に勤務し、2014年から「オオタ硝子研究室」として活動開始。2018年に京都府北部に工房を構え、キルンワーク技法を用いて制作に励む。

海岸などで見掛けるシーグラスやクリスタルを集めるのが、幼い頃から好きだった太田良子さん。20代の頃にガラスづくりに目覚め、ガラスの学校で多くの技法を学んだ。彼女の代名詞といえば「キルンワーク」。ガラスの粉末などを石膏型に詰め、電気炉(キルン)で焼成する技法で、色やかたち、質感にさまざまな表情を出すことができる。「絶妙な色合いを目指して制作しています。ガラスの粒子によって表情が変わるため、色ごとに粒子はどれにしようかと、常に試行錯誤しているんです」と話す。太田さんのうつわは、光にかざすと色がより鮮明にパッと華やぎ、ちょっとした照明の当たり具合でも雰囲気が変わる。季節を問わず、食卓のパートナーとして愛用したい。

左からリム小皿 グリーン(4510円)、ライン入り丸小皿 白(6050円)、浅鉢 紺(1万1000円)

 

オオタ硝子研究室 作品一覧
 

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7月10日(月)20時より順次販売開始
 
公式オンラインショップ
 

ガラス作家グループ展-5人5色の創造性-
オオタ硝子研究室×関野ゆうこ×古賀雄大×安土草多×木下宝
会期|2023年7月8日(土)~7月23日(日)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00〜21:00
定休日|不定休
※新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
※掲載商品は一部であり、店頭にはさまざまなうつわが並びます。

text:Misa Hasebe photo:Shimpei Fukazawa
2023年8月号「夏の聖地めぐり。」

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