羊蹄山の麓で焚き火を囲む贅沢
キャンピングカーで美味しい北海道の旅へ
全3回の《キャンピングカーで美味しい北海道の旅へ》2回目は、マーカスさんがキャンプの醍醐味とも言える焚き火料理を披露する。焚き火を囲みながら、太陽が沈み空の色が刻々と変わるのを眺めるのは、何にも代えがたい贅沢な時間だ。
北海道は、シラカバの森なり湖畔なり、大自然を満喫できるオートキャンプ場がたくさんある。敷地がゆったりとしていておおらかで、東京近郊のキャンプ場ほど混雑もなく、キャンピングカー用に電源を使用できるサイトが多いのもうれしい。
今回、初日のステイ先にと選んだのがニセコサヒナキャンプ場。羊蹄山とニセコ連峰の眺めが素晴らしく、トドマツ、シラカバ、ススキといった植物がうまく配置されてプライベートが守られている。サイト内に焚き火用のサークルが設けられ、直火で焚き火ができるのが魅力だ。
焚き火の前では、料理は頑張り過ぎないほうがいい。グリルパンを火にかけて、ジャガイモやシイタケ、タマネギ、トウモロコシなどをホイルで包み、じっくり焼くだけでとびきりのごちそうになるのだから。
ゆらゆらと定まらない炎を見ていると気持ちがほぐれ、おしゃべりが尽きないから不思議。やがて眠気が勝ったらすぐにベッドにもぐり込めるよう、キャンピングカーは火を起こす前にスリープ仕様にしておくのがおすすめだ。
北海道の夏は朝が早い。鳥のさえずりで目が覚めると、ジャガイモ畑は朝もやがかかり、湿り気を帯びた涼風が渡る。この日、朝食にとマーカスさんが用意したのは、父親がドイツで毎週日曜日につくっていたというバウワンオムレット(農夫のオムレツ)。
キッチンでジャガイモを下ゆでしておき、皮ごと1㎝厚さに切る。ズッキーニ、ソーセージ、ピクルスも同様に切り、フライパンで炒め合わせてチーズも加え、塩で味つけした卵液を流し入れて焼き上げるものだ。
調理のコツは、まずジャガイモの両面がカリカリになるまでよく炒めてからほかの素材を加えていくこと。ジャガイモ畑の前で食べるジャガイモたっぷりのオムレツこそ、旅の思い出に残るというものだ。
文=増本幸恵 写真=小澤義人
2019年9月号 特集「夢のニッポンのりもの旅」
住所:北海道磯谷郡蘭越町字湯里224-19
Tel:0136-58-3465
IN:13:00 OUT:11:00
料金:1泊1名800円
https://sahina-camp.com