TRADITION

首里城はどのように復元するのか
|首里城正殿、復興のいま

2026.5.20
首里城はどのように復元するのか<br>|首里城正殿、復興のいま

2026年秋の正殿完成に向けて、着々と復元工事が進む「首里城」。琉球文化の保存や継承とともに、伝統技術を次世代に受け継ぐ機会にもなっている。首里城正殿の復元が進むいま、どのように復元するのか解説していく。

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Q1 いつの時代の姿に復元するの?

A 琉球王国最後の姿へ
令和の復元でモデルとしている18世紀の正殿は、琉球王国時代の最後の姿であり、王国が最も繁栄していた時期のもの。文書や写真などの資料が現存する最古の姿ともいえるだろう。平成の復元モデルにも同時期の姿を採用している。

Q2 平成の復元と何が違うの?

軒丸瓦の牡丹文様
発掘現場の出土品や研究結果に基づき、正殿のみ軒丸瓦の文様が変更に。牡丹を横から見た文様から正面を描いた文様へ変化した。周辺の建造物と見比べるのも楽しい
©内閣府沖縄総合事務局 国営沖縄記念公園事務所

A 最新の研究で判明した新たな姿へ。
沖縄県産木の活用も!
使用木材や瓦、彩色や彫刻など最新の研究で明らかになった装飾部分の変更と、防災面での変更がある。たとえば、平成の復元時には成分不明だった漆塗装の顔料が判明。「久志間切弁柄」が採用され、平成の姿よりやや深みのある壁の色になる。防災面では防火対策を強化し、再発防止と早期発見・対処できる環境を整えている。また今回、梁材には国頭村産の広葉樹・オキナワウラジロガシを2本使用している。

正殿扁額の色
新たな史料により、扁額(中国皇帝の御書を漆塗りにした額)のデザインが一新。色は朱から黄色へ、額縁彫刻は木彫刻の上に金箔押しが施される予定だ
©内閣府沖縄総合事務局 国営沖縄記念公園事務所

Q7 今回の復元のポイントは?

正殿の周りに建つ工事用の囲いは、ところどころがクリアパネルに。工事の様子をさまざまな角度からのぞくことができる

A 「見せる復興」で地域を盛り上げる!
正殿を訪れると、工事の様子が見学できるようになっていたり、詳細をパネル展示で学べる「復興展示室」が設置されていたりと、復元を体感できるような仕掛けが。また、焼け残った赤瓦を再利用するために粉状にするボランティアを募集するなど、地域住民を巻き込み、復元の過程も観光資源として機能させている。

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焼け残った龍頭棟飾の欠片が展示されている。平成時の意匠を知ることができる展示も多い

text: Discover Japan photo: Yukiko Shiraki
2026年3月号「訪ねる建築 暮らす建築」

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