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《魚カタログ》
これ知ってる?実は美味しい魚たち②
|クロシビカマス / シロアマダイ / ナイルティラピア / ヒラ

2025.1.11
《魚カタログ》<br>これ知ってる?実は美味しい魚たち②<br><small>|クロシビカマス / シロアマダイ / ナイルティラピア / ヒラ</small>

豊かな魚文化が根づく日本。海水魚や淡水魚、魚以外の甲殻類や軟体類まで……。知っているようで知らない、美味しい魚について生物ライターの平坂 寛さんに教えてもらった。街の鮮魚店に並ぶことはまれだが、実は美味しい魚たちも少なくない。そんな「知る人ぞ知る」ちょっとマニアックな良魚たちをご紹介。

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《クロシビカマス》
絶品深海魚

写真提供=北海道大学総合博物館「みんなの博物館」

「食べづらいけど旨い!」
深海性の魚で、アカムツやキンメダイなどと混獲されることも多い。小骨が異様に多く、食べ方が難しいため一般に評価は低い。だが旨みと脂ののりが強く、味そのものは素晴らしいため房総、南紀、伊豆など地域によって珍重される。ただし、流通は安定せず市場での入手は簡単でない。見掛けたらぜひ試してほしい珍魚である。

〈美味しい食べ方〉

塩焼きに向く。箸を入れるごとに豊かな脂が染み出す。

《シロアマダイ》
アマダイの中のアマダイ

「刺身でも美味しいアマダイ」
本種を「マニアック」とするのは賛否があるところだろう。美食を追求する方や水産関係者なら知らぬ人はいないが、流通が少なく一般には姿を見ることさえほとんどない。いわゆる知る人ぞ知る名魚だ。高級魚揃いのアマダイ類でも飛び抜けて旨い。そして高い。身が柔らかく刺身に向かないとされるアマダイ類にあって唯一、刺身で賞味する価値がある種とも。

〈美味しい食べ方〉

撮影=吉澤健太

鱗を付けたまま身を揚げる松笠揚げは絶品。至高の魚料理のひとつ。

《ナイルティラピア》
泉のタイ

写真提供=日本淡水魚類愛護会

「世界で愛される食用魚」
アフリカ原産。頑健さと淡泊な味わいから世界各地で養殖されている重要な淡水産食用魚。日本にも導入されたが受け入れられず、一部地域では野生化している。丸のままでは輸入食材店で冷凍されたものを見掛けることがある程度だが、加工品が販売されることも。原産地のアフリカはもとより、東南アジアや南米など熱帯の国を旅行すると頻繁に見掛ける食材だ。

〈美味しい食べ方〉

素直な白身でフライにマッチする。世界中で愛されている味だ。

《ヒラ》
局所的人気魚

「小骨さえなければ!」
コノシロを巨大化させたような姿。味は抜群にいいのだが、小骨がとても多く値は安い。ただし例外的に岡山県では珍重され高値がつき、このことから「オカヤマ」という別名がある。骨切りの手間さえ惜しまなければ刺身でも焼き物でもその旨みを楽しめる。地域性が高く、地元の人以外にとって入手は簡単でないが、機会があればぜひ試してみてほしい。

〈美味しい食べ方〉

写真提供=JF岡山漁連

刺身が旨い。細かく骨を断つように包丁を入れる。旨みが強い。

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監修・文=平坂 寛
Discover Japan 2024年12月号「米と魚」

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