陶芸家《小林徹也》
土と釉薬のレイヤーが生む
豊かな奥行きがあるうつわ
うつわづくりの工程を「画像編集」ととらえ、土と釉薬を巧みに操る陶芸家の小林徹也さん。Discover Japan Lab.では2026年6月20日(土)~28日(日)※にかけて「小林徹也 個展」を開催。前職であるレタッチャーとしての経験と抜群の感性を掛け合わせ、表情豊かな作品を創出。その魅力に迫った。
※状況により、開催期間が短くなる可能性がございます。
※初日の入店に関して、整理券の配布は終了しております。詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)をご確認ください。
小林徹也(こばやし てつや)
大阪府出身。関西大学法学部を卒業。愛知県立窯業高等技術専門校にて窯業を学ぶ。2012年より愛知・瀬戸を拠点に作陶を開始。独自の解釈から生まれたうつわが注目を集めている。
土、釉薬、焼成……
全過程の表情を生かす

自然物からインスピレーションを受ける人、その時の気分にゆだね感覚的に作陶する人……。陶芸家が作品と向き合うスタンスは多種多様だが、愛知・瀬戸で活動する小林徹也さんの場合も興味深い。
「前職はレタッチャーとして、フォトグラファーの元でデジタル画像の編集をしていました。編集専用のソフトを使い、色合いや明るさなど、複数のレイヤーを重ねながら理想の作品へと仕上げていくのですが、うつわをつくるときも、同じような感覚でかたちにしていきます」

オレンジ、青緑、グレー、茶。小林さんのうつわは、ひと言で「何色」とは言い難いほど、さまざまな色の要素が複雑にからみ合い、豊かな景色を生み出している。そのアプローチ法は画像編集に近いというが、果たしてどのような工程を踏めば、これほど緻密かつダイナミックに仕上がるのだろう。
「陶土は鉄分を多く含む赤土を使うことが多いです。まずろくろで成形した後、白化粧や木灰などの釉薬を重ねていくのですが、同じ素材を使っても、温度帯など焼成時の条件によって焼き上がりのトーンが変わってきます。濃淡がくっきり出たり、逆に思ったほど発色しなかったり。そのため、窯から出すたびに素地の反応を一枚一枚確認し、次にどのように重ねるか、調整しながら作業を進めていきます」
土と釉薬のレイヤーが生む
豊かな奥行き

素地と釉薬が焼成時の化学反応によってさまざまな表情となって浮かび上がってくる。この自然美ともいえるノイズが、小林さんの作品の醍醐味。使い込むほどに味わいが増していく
作陶前にあらかじめ完成図を頭に描き、釉がけ~焼成を繰り返しながら徐々にイメージに近づけていく。だから、うつわを大胆に覆う釉垂れも、キラキラと斑点状に輝く結晶釉も、実は意図してつくったもの。いわばレイヤーの一部なのだ。
「本当に、根気の要る作業ですね」と小林さんは苦笑する。
ただ、手を加え過ぎるとテクニカルな面が目立ち過ぎてしまい、暮らしの道具というよりも工芸品に近くなってしまう。偶発的な化学反応も趣のあるノイズととらえ、表情の一部として生かすようにしている。

湯飲みの側面に施した線紋。くっきり見せるのではなく、あえて滲ませて、独特のニュアンスを表現している。どこか神秘的であり、原始的でもある作風の数々に、心癒される
小林さんの作品は釉薬に目がいきがちだが、ぜひフォルムにも注目してほしい。リム皿、鉢もの、片口など、どれも安定感のあるスタンダードなかたち。日常使いしやすく、食卓に並べれば、モダンな雰囲気になる。
「見ておもしろく、触って心地よい、深みのあるうつわを揃えました」と小林さん。企画展で実際に手に取り、お気に入りの一枚を持ち帰ろう。
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小林徹也 個展
会期|2026年6月20日(土)~28日(日)予定
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
※オンラインショップでの販売は実施いたしません。店頭のみでのご案内となりました。ご了承ください。
text: Misa Hasebe photo: Shiho Akiyama
2026年7月号「納涼、しましょ。」



































