HOTEL

ジビエの余韻に浸るためのヴィラ
《エレゾ エスプリ》
北海道の食肉料理人集団が手掛ける
命を学ぶジビエオーベルジュ ④

2023.11.11
ジビエの余韻に浸るためのヴィラ<br>《エレゾ エスプリ》<br><small>北海道の食肉料理人集団が手掛ける<br>命を学ぶジビエオーベルジュ ④</small>

2022年10月、食肉料理人集団「エレゾ」が手掛けるオーベルジュ「エレゾ エスプリ」が北海道・豊頃町にオープンした。エゾシカやヒグマなどのジビエや、生産する三元豚や黒軍鶏などを素材に、至極のジビエ料理を提供。その美味しさとともに、エレゾの哲学を伝えている。
 
最後は、海を見下ろす丘の上に建つ、自然に寄り添う3棟のヴィラの魅力を伝える。

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ジビエの余韻に浸るためのヴィラ

雄大な海を望むテラスには、のんびり寛げるチェアが配されている。東向きのため、天気がよい日は海から昇る日の出も眺められる

「エレゾ エスプリ」があるのは、海を見下ろす丘の上。ここに建つのは、レストラン棟とその隣に並ぶ3棟のヴィラのみで、周囲には自然以外何もない。日が沈むと、夜空に月と星が冴え渡り、波の音、鳥のさえずり、小動物のささやきがより深く聞こえてくる。

ゆったりしたつくりの丸いフォルムのバスタブ。香りが異なる2種類のバスソルトも用意されている

「私たちが命や自然と対峙する中で培ってきた、哲学、美学、精神性などに触れられる場として、エレゾ エスプリをつくりました。この豊かな環境に身をゆだね、エレゾの料理をご堪能ください。そして眠る前も、翌朝も、ジビエの余韻に浸っていただけたらと」

ジビエを美しく表現した写真や、鹿モチーフのハンガーフックといったしつらえも、エレゾ エスプリならでは。「肉や料理の立場になって考え、ゲストに過ごしてほしい空間をデザインしていきました」と佐々木さん

客室は周囲の自然に寄り添う、機能的で凛とした空間。エゾシカの剥製や食肉のアートなどが飾られ、エレゾの美意識を感じられる。
 

朝食のテーマは「ベーシック」。創業当時からつくり続けるエゾシカのテリーヌ、放牧豚のロースハム、豊頃町で採れた豆のサラダ、山菜のピクルス、キウイという構成だ。「エレゾの土台を味わっていただけるメニューです」

「フォーカスしてほしいのは〝命〟。そのため肉が輝き、料理の背景を感じ取れる空間づくりを目指しました」
 
チェックアウトまでの時間、テラスで海を望みながら、エレゾが伝えてくれた彼らの哲学を咀嚼する。
 
「これからエレゾの物語の第2章がはじまります。第2章では一貫生産管理体制というエレゾの事業モデルを、海外に展開していきたいですね」
 

チェックアウトの際は、女性スタッフがお見送り。次に訪れた際はどんな食体験ができるのか。「必ずまた来ます」と再訪を誓いたくなる

エレゾ エスプリでの滞在は「知っているつもり」になっていた食の背景を、本質的に理解できる契機となるだろう。だからこそ、エレゾが紡ぐ物語の続きが楽しみで仕方がない。

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エレゾ エスプリ
住所|北海道中川郡豊頃町大津127
Tel|070-1580-1010
客室数|3棟
料金|1泊2食付5万5000円〜(税・サ込)
カード|AMEX、DINNERS、JCB、VISAなど
IN|14:00
OUT|13:00
夕食/朝食|ELEZO ESPRIT
アクセス|車/帯広空港より約1時間 ※提携タクシープランあり
施設|レストラン
http://esprit.elezo.com

 

   

 

text: Nao Ohmori photo: Atsusi Yamahira
Discover Japan 2023年10月号「私を癒す15の旅。」

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