ジビエの余韻に浸るためのヴィラ
《エレゾ エスプリ》
北海道の食肉料理人集団が手掛ける
命を学ぶジビエオーベルジュ ④
2022年10月、食肉料理人集団「エレゾ」が手掛けるオーベルジュ「エレゾ エスプリ」が北海道・豊頃町にオープンした。エゾシカやヒグマなどのジビエや、生産する三元豚や黒軍鶏などを素材に、至極のジビエ料理を提供。その美味しさとともに、エレゾの哲学を伝えている。
最後は、海を見下ろす丘の上に建つ、自然に寄り添う3棟のヴィラの魅力を伝える。
ジビエの余韻に浸るためのヴィラ
「エレゾ エスプリ」があるのは、海を見下ろす丘の上。ここに建つのは、レストラン棟とその隣に並ぶ3棟のヴィラのみで、周囲には自然以外何もない。日が沈むと、夜空に月と星が冴え渡り、波の音、鳥のさえずり、小動物のささやきがより深く聞こえてくる。
「私たちが命や自然と対峙する中で培ってきた、哲学、美学、精神性などに触れられる場として、エレゾ エスプリをつくりました。この豊かな環境に身をゆだね、エレゾの料理をご堪能ください。そして眠る前も、翌朝も、ジビエの余韻に浸っていただけたらと」
客室は周囲の自然に寄り添う、機能的で凛とした空間。エゾシカの剥製や食肉のアートなどが飾られ、エレゾの美意識を感じられる。
「フォーカスしてほしいのは〝命〟。そのため肉が輝き、料理の背景を感じ取れる空間づくりを目指しました」
チェックアウトまでの時間、テラスで海を望みながら、エレゾが伝えてくれた彼らの哲学を咀嚼する。
「これからエレゾの物語の第2章がはじまります。第2章では一貫生産管理体制というエレゾの事業モデルを、海外に展開していきたいですね」
エレゾ エスプリでの滞在は「知っているつもり」になっていた食の背景を、本質的に理解できる契機となるだろう。だからこそ、エレゾが紡ぐ物語の続きが楽しみで仕方がない。
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エレゾ エスプリ
住所|北海道中川郡豊頃町大津127
Tel|070-1580-1010
客室数|3棟
料金|1泊2食付5万5000円〜(税・サ込)
カード|AMEX、DINNERS、JCB、VISAなど
IN|14:00
OUT|13:00
夕食/朝食|ELEZO ESPRIT
アクセス|車/帯広空港より約1時間 ※提携タクシープランあり
施設|レストラン
http://esprit.elezo.com
text: Nao Ohmori photo: Atsusi Yamahira
Discover Japan 2023年10月号「私を癒す15の旅。」