京最大の寺院街からはじまる商業の道・寺町通。
京都主要通り街歩きガイド
星の数ほどある京都の通りの中でも、特に歴史背景がおもしろく、京都らしい店が建ち並ぶ通りを厳選して紹介する全6回の《京都主要通り街歩きガイド》。第1回は寺町通を紹介する。それぞれの通りには、地元で愛される名店も揃っているので、ゆっくりと歩きながら楽しんでみてほしい。
いまではそう広くもない通りだが、元は平安京の東京極大路にあたる。光源氏のモデルの一人として有名なの河原院をはじめ、貴族や武家の屋敷が並ぶ高級住宅地だった。ところが15世紀後半の応仁の乱により道のほとんどが焼失。
ここを「寺町」として再生したのが、京都の都市改造を行った豊臣秀吉だ。洛中に散在していた寺院を、再建した通りに移転させたのである。やがて寺院関係の商家や職人などが集まりはじめ、商店街を形成。明治期には、当時の流行の最先端だった牛鍋や洋菓子店、写真館が誕生し賑わいを見せる。
昭和に入ると四条通よりも南側に電器店街が出現。また、御池通から四条通の間にはアーケードが設けられ、ギャラリーや古書店などが建ち並ぶ賑やかな商店街になった。寺院と流行店が共存し、多彩な顔をもつ魅力的な道だ。
編集協力=チキスクリプト
Discover Japan_TRAVEL「プレミアム京都 2019」
全長:約4.6㎞ 北は鞍馬口通から南は五条通まで
開通:天正年間(1590年以降)。元は平安時代の東京極大路
建築物・史跡:藤原定家一条京極邸址、大久保利通邸址、紫式部邸址、本能寺、三嶋亭など
1|京最大の寺院街からはじまる商業の道・寺町通
2|活気あふれる「京の台所」ロード・錦小路通
3|都の華やぎがいまもあふれる繁華街・四条通
4|秀吉によって東西を貫く幹線道になった五条通
5|お茶屋が軒を連ねる京情緒豊かな花街・先斗町通
6|祇園祭の山鉾町が数多く並ぶ商業地・新町通