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福島・小高《福相食品工業》
美味しい伝統は小高の人と技でできている。

2023.3.9 PR
福島・小高《福相食品工業》<br><small>美味しい伝統は小高の人と技でできている。</small>
福相食品工業 取締役の末永義人さん。今春オープンに向けて建設中の直営店を案内いただきながら、小高に人を呼び込むための構想を話してくれた

代々伝わる伝統的な製造方法で、ハムやベーコンづくりなどを行う福相食品工業。福島県南相馬市小高区にある工場を訪ね、ハムづくりや街の未来に懸ける想いをうかがった。

江戸時代から続く
福島・小高の味を守る理由とは?

福島・小高(おだか)区に工場を構える福相食品工業が、ハムづくりをはじめたのは江戸時代末期。街道を行き交う行商人がこの地にハムを伝え、有志によってハム製造が行われるようになったという。

「私どものハムは、塩と砂糖、香辛料で味つけする製法です。資料が現存していないため正確なことはわかりませんが、スペイン流のつくり方だと考えられます」

そう話すのは、福相食品工業の5代目・末永義人さんだ。当時の人々は調味料の配合や製法を、日本人の味覚に合うように改良。肉もジビエやクジラから豚へと変わり、昭和初期に「江戸末期燻煙製法」を確立する。これは調味料を混ぜたソミュール液に肉を漬け、数週間熟成させた後、桜の木片で燻すというもの。手間のかかる作業のため生産量は限られるが、現在もこの製法を守り続けている。

「合理性を追求すれば、生産量も上がります。でもこれまでお客さまからは、クレームを含め特にご意見をいただいていませんから現状維持がベストなんです」

福相食品のハムやベーコンは、リピーターが非常に多い。小高出身の男性が結婚のあいさつに出向く際、「小高ハム」を手土産とすることもあったとか。それは変わらぬ美味しさを裏付ける、何よりの証しといえよう。

「仕事は楽しく、おもしろく。ユニークな新製品のアイデアを社員といつも話し合っています」

2011年の東日本大震災の影響で製造がストップするも、同年には南相馬市原町区に仮設工場を建て、製造を再開。避難指示が解除された’16年には小高に戻り、本社工場を再建した。末永さんの背中を押したのは、スタッフの「やりましょう!」という強い想い、そして福相食品工業のハムを待ち望むお客の声であったという。

「小高の居住人口はいまだ4000人弱。後継者不足に悩む事業者も多いのが現状です。しかし小高には仕事がたくさんある。うちも新しい人材は大歓迎ですよ」

’23年春には本社隣に、観光や移住に役立つ機能をもたせた直営店をオープンさせる予定だ。

「小高の未来を考えた上での行動です。人がいないことには、何もはじまりませんから」

つくり方は何も変えない。
妥協のない味が、
地域に愛される。

使用している豚肉は宮城県や福島県で育ったブランド豚が中心。一頭買いし、ハムやベーコン、ソーセージの原料となる
イタリア産の岩塩をサラサラになるまで砕き、調味料として使用する。「山で採掘される岩塩が豚肉に合うんです。昭和初期から岩塩を使っていますよ」と末永さん
燻製窯内部の様子。昭和初期につくられ、オールステンレス製でいまだ現役。桜の木片に火をつけ、ハムを燻製させる
温度や湿度で火加減や燻製時間は変わるため、職人の感覚が必要となる。製品はオンライン販売のほか、南相馬市のふるさと納税の返礼品にも採用されており、新たな関係人口のつくり方が広がっている
福相食品工業を象徴する小高ハム。そのままでも美味しいが、加熱調理すると旨みがより増すという。末永さんのお気に入りはハムカツ
小高ハム(中サイズ)価格|6500円(700g以上)
JR常磐線 小高駅

小高の街で仕事も遊びも自分らしく謳歌する人を紹介するサイト「おだかる」。リアルな暮らしや移住支援、観光情報など、小高の魅力を見られる。

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福相食品工業
住所|福島県南相馬市小高区岡田字上川原田112
Tel|0244-44-3241
www.fukusosyokuhin.com

山賊焼セデッテかしまSA店
住所|福島県南相馬市鹿島区浮田もみ木沢212-1 セデッテかしま内
Tel|0244-26-4822(セデッテかしま)
営業時間|10:00~17:00
www.sedette.jp

福島県南相馬市小高区役所 地域振興課
Tel|0244-44-6716
https://odakaru.jp

Discover Japan 2023年3月号「移住のチカラ!」
text: Nao Ohmori photo: Atsuhi Yamahira

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