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岐阜県美濃市「WASITA MINO」に学ぶ
第2の拠点づくりにつながる
ワーケーション最新事例【序章】

2022.4.1
<small>岐阜県美濃市「WASITA MINO」に学ぶ</small><br>第2の拠点づくりにつながる<br>ワーケーション最新事例【序章】

ワーケーション(Workcation)とは仕事(Work)と休暇(Vacation)を兼ねた過ごし方。移住よりも気軽に地域との接点をもつことができ、自分の生き方や、地域の在り方を変える可能性を秘めた新時代の働き方ともいえる。そのことをより実感させてくれるのが、2021年7月、岐阜県美濃市に誕生した「WASITA MINO」だ。そのコンセプトは“まちごとシェアオフィス”。美濃和紙の産地として知られ、文化と歴史がいまに伝わるこの町で、第2の拠点づくりのヒントになり得る最新事例をひも解いていみたい。

一級河川・長良川に架かる、1916(大正5)年竣工の日本最古の近代吊橋・美濃橋。優美な吊り橋は、国の指定重要文化財

美濃の自然・伝統・人――
豊かな暮らしの中で働く

JR名古屋駅から車で約1時間。岐阜県美濃市は、ワーケーションにもぴったりな好立地だ。県中央部に位置し、日本三大和紙のひとつ、美濃和紙の産地として知られる人口約2万人の町。その上質な和紙は、東京2020オリンピック・パラリンピックの表彰状にも採用されている。町の中心部には“うだつ”という意匠を凝らした防火壁が目を引く、昔ながらの商家が軒を連ね、文化庁の重要伝統的建造物群保存地区にも選定。町に立てば江戸時代にタイムトリップしたような気分になれる。

江戸初期、飛騨高山藩初代藩主・金森長近が水運の要衝として長良川の岸辺に港を設け、小倉山に城を築いて整備したのが、町のはじまり。その町並みは、近世から昭和初期に美濃和紙の商いで繁栄した豪商の邸宅が並ぶ「商家町」として知られている。山野に茂る落葉低木で和紙の原料となる楮(こうぞ)が豊富にあり、長良川・板取(いたどり)川の豊かな水にも恵まれたこの地は、奈良時代頃から1300年続く美濃和紙の一大生産地として栄えた。

うだつの上がる町並みの外に目を向ければ、緑豊かな山々に囲まれ、鮎が捕れる清流・長良川は町並みから歩いて約15分。河川敷では無料でバーベキューやキャンプが楽しめる市民の憩いの場だ。

自然や歴史、ロケーションに恵まれたこの町に誕生したシェアオフィス。どんなワーケーションができるのか具体的に見ていこう。

築約150年の「相生町長屋」をリノベーション。格子窓が町に溶け込む、まちごとシェアオフィス「WASITA MINO」
シェアオフィスの核となるコワーキングスペースには、美濃の代名詞・手すき和紙や岐阜県産の陶器タイルなど、岐阜ならではの建材がさりげなく取り入れられる

岐阜県美濃市
人口|約2万人
観光資源|美濃和紙、美濃まつり、
うだつの上がる町並み、長良川など
アクセス|
車/名古屋方面……東海北陸自動車道美濃ICから約10分、岐阜方面……岐阜市内から国道156号経由で約50分
電車/JR岐阜駅からJR美濃太田駅を経由して、長良川鉄道美濃市駅まで約1時間30分。下車後、徒歩約15分

 

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text: Makiko Shiraki(Arika.Inc) photo: Kazuya Hayashi
Discover Japan 2022年3月号「第2の地元のつくり方」

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