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うつわ祥見 KAMAKURA×Discover Japan
渋谷パルコ・「焼物の時代─小野 鯛 工藤京平 四狭間かなた 三人展─」|後編

2025.3.7
<small>うつわ祥見 KAMAKURA×Discover Japan</small><br>渋谷パルコ・「焼物の時代─小野 鯛 工藤京平 四狭間かなた 三人展─」|後編

土の力強さとしなやかな風合い。焼き物だからこそ生み出せる魅力。2025年3月8日(土)〜3月16日(日)にかけて、東京・渋谷パルコにて開催の「焼物の時代─小野 鯛 工藤京平 四狭間かなた 三人展─」では、土の力を信じ、「焼物」を意識し、自分自身を土にゆだねて作陶に励む、三人の作品に出合うことができる。後編では、工藤京平さんと小野 鯛さんのうつわに迫ります。

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「工藤京平」
うつわの表情に情景を感じる

「工藤さんのうつわと出合い、彼の焼物への情熱を感じました。土を重んじていることがすぐにわかったのです」

ゆるやかなカーブときれい過ぎないかたち。彼が願ってつくったかたちが表れていると祥見さん。

「それは結局、土が教えてくれることなのだと思います。土はうそをつかない。彼が焼物に求めてやまないものは、土の声に素直であることなのではと思います」

粘土のねっとりとした感触や伸びやかなイメージ、土の主張を大事にする工藤さんの湯のみや飯碗は、手にしっとりと馴染む。彼自身、会社勤め時代に、ふと手にしたうつわに救われた経験があるという。「だから僕も、誰かの孤独に寄り添うようなものをつくりたい」。多治見で学び、焼物との旅がはじまったばかりの工藤さんの作品から静かな情熱が伝わってくる。

工藤京平
1996年、京都府京都市生まれ。会社勤めを経て、2024年に岐阜県の多治見市陶磁器意匠研究所に入所。焼物を学びながら制作する。

「工藤京平」作品ラインアップ

1.灰釉飯碗
価格|3300円 サイズ|φ113×H60㎜ 重量|226g

2.灰釉筒カップ
価格|3300円 サイズ|φ90×H86㎜ 重量|292g

3.灰釉鉢
価格|7150円 サイズ|φ170×H73㎜ 重量|583g

4.黒飯碗
価格|4400円 サイズ|φ115×H72㎜ 重量|292g

5.黒片口
価格|5720円 サイズ|W162×D110×H90㎜ 重量|309g

6.黒丸カップ
価格|3520円 サイズ|φ80×H72㎜ 重量|193g

「小野 鯛」
軽やかで存在感のあるうつわ

写真=三島義秀

父は高知で作陶する陶芸家の小野哲平さん。ものづくりが当たり前にある環境で育ち、真に生きることに目を背けず向き合う鯛さんを長年見守ってきた祥見さん。

「彼は表現者になると思っていました。舞踏や写真かもしれない。でも選んだのは陶芸で、その理由を聞いてみたのです」

 答えは、子ども時代から陶芸が身近で、驚くほど没頭できる存在だから。加えて自分の中には社会に対しての疑問や怒りがあり、うつわをつくる上でそこに向き合うことを大事にしているという。幼少の頃からアジア各地を旅し、大人になって戦争や貧困に苦しむ国々を自分の目で見てきた鯛さんには、人間の本当の暮らしの豊かさや美しさが見えているのだろう。

「どっしりと存在感のある彼のうつわを手にすると、思いのほか軽い。使う人を想ううつわなんです」

小野 鯛(おの たい)
1993年、愛知県生まれ。京都の大学で陶芸を学んだ後、カシミール、イスラエル、パレスチナを旅する。2024年、高知県香美市にて独立。

 

「小野 鯛」作品ラインアップ

1.灰化粧ドラ鉢 中
価格|1万9000円 サイズ|φ260×H60㎜ 重量|1052g

2.灰化粧飯碗 小
価格|3000円 サイズ|φ125×H55㎜ 重量|235g

3.灰化粧7寸皿
価格|7000円 サイズ|φ195×H30㎜ 重量|432g

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うつわ祥見 KAMAKURA×Discover Japan
焼物の時代 小野 鯛 工藤京平 四狭間かなた 三人展
会期|3月8日(土)~3月16日(日)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。

text: Yukie Masumoto photo: Yuko Okoso
2025年4月号「ローカルの最先端へ。」

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