ザ・フィンランドデザイン展
自然が宿るライフスタイル
大自然がもたらしたフィンランドの実用美
豊かな自然と美しいデザインの宝庫であるフィンランド。この国の人々は、大地からの恩恵を生活に取り入れるライフスタイルを愛してきた。1930年代から1970年代にかけて、建築家やデザイナーとしてマルチに活躍したアルヴァ・アアルトや、マリメッコのテキスタイルデザインを手掛けたマイヤ・イソラなど数々の作家が登場。時代を超えて愛され続けているフィンランドデザインはいかに発展したのか? 人々の暮らしとともに、その歩みを紹介。
この展覧会ではイントロダクションのほか、以下の6章で構成。マリメッコやフィンレイソンのテキスタイル、カイ・フランクのガラス工芸のほか、陶磁器や家具など、同時代にデザイン・制作されたプロダクトとともに絵画など約250点の作品と約80点の関係資料もあわせて展示。時代を超えて愛される名品が生み出されたフィンランドデザインの足跡をたどる。
フィンランドへようこそ!
自然の魅力あふれる写真とポスター
フィンランドの四季折々を捉えた美しい写真の数々と、自然の魅力を伝える観光ポスターを展示。
アルヴァ・アアルト《「サヴォイ」花瓶》1936 年、カルフラガラス製作所、コレクション・カッコネン蔵、Photo/Rauno Träskelin
有機的曲線が描くフォルム 自然が織りなす美の傑作
芸術家たちにインスピレーションを与え続けるフィンランドの自然。とりわけ森は大事なテーマであり、そこで培われた木々はデザインを形づくる素材そのもの。フィンランドデザインを象徴する有機的フォルムはの原点がここに。
アイノ・アアルト《「ボルゲブリック」花瓶、ボトル》1932 年、カルフラガラス製作所、コレクション・カッコネン蔵、Photo/Rauno Träskelin
機能的なフォルム ―研ぎ澄まされた実用美の世界、ロングセラーの秘密
大量生産と実用性をキーワードとする機能主義から生まれたシンプルかつ合理的なデザインが、フィンランドの家庭や生活様式に変化をもたらし、今も愛され使い継がれるように。
フィンランドデザインの黄金時代を築いた挑戦的フォルム
フィンランドデザインの「黄金時代」と表現された1950年代。合理的な機能主義から離れた独自のデザインが花開き、その美しいラインと抽象的で有機的なフォルムが国際的な舞台で絶賛され、国民の自尊心を大きく鼓舞した。
テキスタイルに活かされた絵画的なパターンと装飾
家庭用テキスタイルの需要が飛躍的に高まった戦後。フィンレイソン社やタンペッラ社等の老舗と当時新興のマリメッコ社は、競いあってモダンなテキスタイルを生産、輸出するように。伝統的な絵柄だけでなく、同時代の絵画や工芸にも刺激された革新的なパターンも誕生。
暮らしの中のモダンデザイン 私らしさを探して ―心ときめく暮らしのヒント
人々が独自のスタイルを求めはじめ、近代的な消費社会を迎えた1960年代。フィンランドの女性たちにとってモダンライフの良きヒントとなった広告や雑誌、カタログなどが、鮮やかな魅力を放つ。
おもちゃ、絵本、プロダクト…子どものためのデザイン
一大福祉国家へと成長し、子ども向けのプロダクトもより充実。妖精の国ならではのキャラクターも続々と登場し、中でもムーミンは世界を夢中にさせた。
フィンランドデザインの源泉と歴史を辿るストーリー
フィンランドの人々は建国前から大地の豊かさを生活に取り入れてきた長い歴史がある。その感性を受け継ぐデザイナーたちが形づくるフォルムには自然が宿り、暮らしを良くすることを第一に考えられたデザインは、多くの使い手たちの心を掴んだ。今も広く愛され使い継がれるデザイン誕生と発展のストーリーを紐解き、フィンランドがデザイン大国となって今日に至るその背景を探る。
50人以上のデザイナー、アーティストが勢ぞろい
アルテックのチェアで名高いアルヴァ・アアルト、アラビアのロングセラー《ティーマ》を生んだカイ・フランク、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンなど、世界的に知られるアーティストはじめ、デザイン大国フィンランドを築く担い手となった、数多くのアーティストたちが登場。日本ではあまり知られていないアーティストたちの中から、新しいお気に入りがきっと見つかるはず。
本国でも集結困難!?
フィンランド津々浦々からやってきた
多彩な作品群を一挙紹介
セッポ・サヴェス《アンニカ・リマラ「リンヤヴィーッタ」ドレス、ヴオッコ・ヌルメスニエミ「ガッレリア」テキスタイルデザイン》1966 年、フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵
ヘルシンキ市立美術館(HAM)監修のもと、コレクション・カッコネン、タンペレ市立歴史博物館、フィンランド・デザイン・ミュージアム、ヘルシンキ市立博物館など、フィンランド各地で大切に受け継がれてきた貴重なコレクションから選りすぐり、フィンランドが近代化されゆく時代のデザインを多角的に紹介。フィンランドのデザイン史を展望できる豪華なラインナップが一堂に会するこのチャンスをお見逃しなく。
ザ・フィンランドデザイン展
「自然が宿るライフスタイル」
会期|~2022年1月30日(日)
※会期中の土・日曜、祝日、1月24~30日はオンラインによる入場日時予約が必要
会場|Bunkamura ザ・ミュージアム
住所|東京都渋谷区道玄坂2-24-1 B1F
時間|10:00~18:00(金・土曜は~21:00)
※入館は各閉館の30分前まで
休館日|元旦
料金|一般1700円、大高生1000円、中小生700円
Tel|050-5541-8600(ハローダイヤル)
www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_Finland