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TOKYO美術館ガイド:2018年話題の企画展を開催する美術館

2018.3.31
TOKYO美術館ガイド:2018年話題の企画展を開催する美術館

巨匠の名作など一流の美術館から名品の数々。2018年は待ち遠しい美術展が目白押し。最大の話題は、日本美術展史上最大規模の「フェルメール展」。代表作『牛乳を注ぐ女』を含む8点が集結する。画業60年をたどるムンクの展覧会では、名作『叫び』が初来日。約100年ぶりに発見された幻の傑作『白衣観音』が出品される「横山大観展」など、話題の企画展を開催する美術館3館を紹介する。

今年度、絶対に見逃せない企画展を見に行こう

001/上野の森美術館
Area:台東区 Station:上野駅
「新たな才能を発掘する挑戦的な美術館」

1972年の開館以来、伝統的な美術展示や企画展の多い上野公園において、現代美術など若手新進画家の企画展を多く扱っているのが「上野の森美術館」の特徴だ。
企画展と公募展を年に4〜5回行い、過去の展覧会の内容は、浮世絵、漫画、現代美術など、実にさまざま。毎年定期的に開催されている「VOCA展」は、1994年に初開催され、今年で25回目を迎える推薦制の現代美術展。
美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに40歳以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方式で、全国各地の優れた才能を紹介している。
ほかにも、将来の日本美術界を担う作家を顕彰・助成するため、1983年に制定された「上野の森美術館絵画大賞」の大賞展をはじめ、プロアマ問わず絵が好きな人に参加してもらうための公募展「日本の自然を描く展」などを開催している。新しい才能の芽生えを目撃できる場所にもなっている。
上野の森美術館は、パブリックプログラムにも力を入れている。作家たちが講師を務める「上野の森アートスクール」では、絵画実技教室やスケッチ旅行なども。単なる技術の向上を目的とするのではなく、個々の個性を大切にした授業を行っている。

2018年注目の企画展
「明日をひらく絵画 第36回 上野の森美術館大賞展」
2018年4月27日(金)~5月8日(火)
「生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展」
2018年6月6日(水)~7月29日(日)
「フェルメール展」
2018年10月5日(金)~2019年2月3日(日)

■DATA
上野の森美術館
住所:台東区上野公園1-2
Tel:03-3833-4191
開館 10:00~17:00(最終入館は閉館30分前まで)
※展示により変更する場合あり
休み:不定
料金:展示により異なる
交通:JR山手線ほか上野駅から徒歩3分
駐車場:なし

002/東京都美術館
Area:台東区 Station:上野駅
「アートへの入口を開く楽しみ満載の美術館」

1926年に開館した「東京都美術館」。日本初の公立美術館で、美術館で初めての公開制美術図書室を開室したり、ワークショップ形式の美術館プログラムを開催したりするなど、アートとのかけがえのない出合いの場を提供してきた。
2012年には「アートへの入口」となることを目的にリニューアルオープン。展覧会を鑑賞しにきた来館者にも、まだ幼い子どもたちにも、初めて作品を出品する芸術家にも「開かれた美術館」であることを使命として掲げている。
2016年には開館90周年を迎え、これまでに開催した展覧会は1万3000件を超える。
世界と日本の名品を紹介する大型の特別展、「アーツ&ライフ展」「現代作家展」「アーツ&ケア展」の3つのテーマから毎年ひとつをピックアップする企画展、公募団体展や学校教育展など、年間約280にもおよぶ展覧会はもちろん、鑑賞を「体験」として楽しんでもらうためのアートプログラムも実施している。
児童や生徒を対象にしたスクール・プログラム、展覧会への理解をより深めるための大人向けプログラム、建築が好きな人は特にうれしい、建物そのものの魅力に迫る「建築ツアー」も開催。レストランやカフェ、ミュージアムショップも楽しみのひとつだ。

2018年注目の企画展
「プーシキン美術館展─旅するフランス風景画」
2018年4月14日(土)~7月8日(日)
「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」
2018年7月21日(土)~10月8日(月・祝)
「ムンク展―共鳴する魂の叫び」
2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日)

■DATA
東京都美術館
住所:台東区上野公園8-36
Tel:03-3823-6921
開館:9:30~17:30、特別展開催中の金曜日は9:30~20:00(最終入館は閉館30分前まで)
休み:第1・3月曜、特別展・企画展は毎週月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)
料金:展覧会により異なる
交通:JR山手線ほか上野駅公園口から徒歩7分
駐車場:なし

003/東京国立近代美術館
Area:千代田区 Station:竹橋駅
日本の近・現代美術の歴史を堪能できる

皇居のほど近くに建つ、日本で最初の国立美術館。最大の特徴は、横山大観、菱田春草、岸田劉生らの重要文化財を含む1万3000点を超える国内最大級のコレクション。明治から現代までの国内外の名作から会期ごとに選りすぐった約200点を展示する所蔵作品展「MOMATコレクション」は、100年を超える日本美術の流れを一気に鑑賞できる国内唯一の展示だ。
近代美術のエッセンスを集めた「ハイライト」コーナーや「日本画」コーナーのほか、毎日開催される「所蔵品ガイド」は、まるで作品の謎解きをするかのような鑑賞体験ができると、人気のプログラムとなっている。また年に数回、さまざまなテーマに基づいて国内外の美術作品を紹介する企画展も見逃せない。
鑑賞後は、眺望抜群の展望休憩室「眺めのよい部屋」でくつろいだり、三國清三シェフプロデュースのレストラン「ラー・エ・ミクニ」に立ち寄れば、いっそうアートの余韻に浸ることができる。
桜の季節は、「美術館の春まつり」を開催。桜を描いた名作の鑑賞や特製お花見弁当など、千鳥ヶ淵や北の丸公園といった近隣の桜の名所と合わせて盛りだくさんに楽しめる全館イベントだ。毎週金曜と土曜は20時までの夜間開館を実施している。

2018年注目の企画展
「生誕150年 横山大観展」
2018年4月13日(金)~5月27日(日)
「ゴードン・マッタ=クラーク回顧展(仮称)」
2018年6月19日(火)~9月17日(月・祝)
「アジアの目覚め:美術と社会1960~1990年代(仮称)」
2018年10月10日(水)~12月24日(月・祝)

■DATA
東京国立近代美術館
住所:千代田区北の丸公園3-1
Tel:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館:10:00~17:00、金・土曜~20:00(最終入館は閉館30分前まで)
休み:月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)、展示替期間、年末年始
料金:一般 500円
交通:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口より徒歩3分
駐車場:なし

※この記事は2018年2月に発売した別冊DiscoverJapan「TOKYO美術館2018-2019」から一部抜粋して掲載しています。

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