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デニム王国、広島県福山市から発売される1本100万円のフルオーダーデニムとは?

2021.3.31 PR
デニム王国、広島県福山市から発売される1本100万円のフルオーダーデニムとは?

デニムの生産地として世界にも広く知られる広島県福山市から、極上のデニムが発売された。地域の技術を集結させ、生産者の熱い思いを込めて仕上げられた、1本100万円のフルオーダーデニムとは?その背景と魅力に迫る。

伝統工芸の備後絣で知られる広島県福山市。その歴史は古く、江戸時代末期に、現在の広島県福山市芦田町に住んでいた富田久三郎氏が手掛けた絣織物が発祥とされている。明治初期には、品質改良が進み、美しさと珍しさが人々の注目を浴びるようになり、「備後絣」の名で日本中に広まった。昭和30年代には、年間300万反という国内一の生産量を誇っていたが、後に、化学繊維や洋服文化の需要を受け衰退の道を辿ることになる。

そこで新たな産業として生まれたのが「備後絣」の技術を生かしたデニム産業だ。現在では、デニムといえば福山市といわれるほど有名な産地になっているが、その背景には、「備後絣」という日本が誇る伝統工芸の技が継承されていたのである。

そんな中、地場産業と生産者、職人を守るために実現した今回の企画では、「Project Boleega/プロジェクト ボレーガ」というブランド名の下に、福山市の精鋭が集結。地域内で染めから縫製まで一貫して行える福山ならではの特性を発揮したものとなっている。また、原材料として、栽培時の水の使用量が少ないテンセルや、デニム製造の過程で排出される端材をリサイクルした生地の使用など、昨今のアパレル企業では、最重要課題とされているサスティナビリティへの取り組みも万全だ。

1本100万円。おそらく日本一高いであろうフルオーダーデニムには、どのような秘密があるのだろうか。気になるその全貌を紹介しよう。

まず、前提としてフルオーダーとは、スーツや革靴のそれと同様に、購入者のサイズと形に合わせて1からつくる仕立てである。プロジェクト ボレーガのデニムも同じだが、前者と違うのは、生地やデザインの選択だけでなく、糸の染め方まで選べるところだ。

ひとつは、藍屋テロワールの化学薬品を一切使用しない「天然灰汁発酵建て」と呼ばれる藍染を継承した貴重な手法。もうひとつが、坂本デニムの「エコ染色システム」。こちらは、水と塩で電分解したエコなデニム染色で、世界一とも称されるサスティナブルな技術として知られている。

さらに、興味深いポイントが、実際に染色、生地、縫製の工程をツアーで見せてもらえるというサービス。自分のオーダーしたデニムが作られる様子を見られるのは、このプロジェクト ボレーガでなくては実現しない目玉企画だろう。他にも、特殊性の高い高級布のメーカーである篠原テキスタイル、サンプル縫製を専門とするミルクリエイトといった、デニム業界のみならずアパレル業界でもトップクラスの企業がこの企画に参加している。

藍屋テロワール社の職人が手掛ける染色
坂本デニム社では、温水と洗浄薬剤を使わない独自のエコ染色システムを導入
ミルクリエイト社の熟練した職人による裁断作業
プロジェクト ボレーガの参加者たち。右から、「ミルクリエイト」取締役・三田賀代さん(パターンナー)、「インド料理専門店アンナ・プルナ」代表・橘 美紀さん(プロジェクト ボレーガ代表)、「篠原テキスタイル」新規事業開発リーダー・篠原由起さん(生地織り・テキスタイル)、「ミルクリエイト」主任・佐藤俊輔さん(営業)、「ミルクリエイト」代表取締役・水成公治さん(縫製)、「Rockwell Japan」代表・祇園涼介さん(ウェブ企画監修担当)
「藍屋テロワール」代表・藤井健太さん(染色)
「ミルクリエイト ファクトリー」工場長・小崎丈臣さん(縫製)

日本各地には、伝統あるさまざまな織物技術が受け継がれている。中には、残念ながら後継者不足のために途絶えようとしている技術もあるが、一方で、それらを生かした新しい技術や産業も生まれている。

福山市のように、備後絣の産地から世界的なデニムの産地に変貌を遂げた例は、将来的に考えても興味深いものだ。さらなる発展を願うための起爆剤となる、プロジェクト ボレーガの100万円のデニムは、オンラインショッピングが主流となりつつある現在において、その真逆を行く品物だ。

しかし、糸を染め、生地に仕立て、縫製を経て自分だけのデニムが誕生する過程を見られるのは、まさにその体験自体が究極の買い物でもある。一生に一度の貴重な経験になること間違いなしのデニムづくりにチャレンジしてみてはいかがだろう。

申し込み方法|2021年3月31日より、下記ウェブページで受付開始
価格|110万円(税込)
※標準的な仕様の場合。素材やパーツの選択により価格が変動します。染色、生地生産、縫製等の工場を訪ねてオーダーデニムが出来上がる工程を見学してから、数多くのサンプルから型や副資材(ファスナー、ボタン等)を選び、仮縫い、試着を行います。完成品は現地での受け取りか、宅配便での納品が選べます。
https://www.boleega.com/

Text: Shigeo Kanno

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