TRADITION

「土楽の黒鍋」
土鍋の上手な育て方【後編】

2020.11.3
「土楽の黒鍋」<br>土鍋の上手な育て方【後編】
はじめはスッポン鍋用に考案された黒鍋。魚手黒鍋2万5000円(4〜5人用)

自然の土で一つひとつ手づくりされる土鍋には、使いはじめから日々の使用法に至るまで、ちょっとしたルールがあります。末永く一緒にいるために、そんな土鍋の個性をマスターしましょう。

≪前編を読む

1 強火はNG
はじめは弱めの中火、その後火力を上げ、終盤はまた弱火に。この火加減は土鍋を使う上で覚えておきたい大切なポイント。土鍋は加熱すると膨張し、冷ますと収縮する特性があり、強火で一気に加熱すると割れの原因に。

 使いはじめが肝心
土鍋は購入後すぐに使えるわけではなく、貫入(釉薬のひび)や気泡をでんぷんで埋めて水漏れを防ぐためにお粥を炊く必要がある。お粥は弱火で1時間ほど炊いてから火を止め、24〜48時間放置。その後しっかり乾燥させる。

3 しっかり乾燥させること
洗ってすぐに仕舞うとカビや変色の原因になるため、完全に乾かしてから収納を。濡れた状態で調理をするのもNGで、土鍋は使用するときも仕舞うときも、しっかり乾いた状態でということもポイントとして覚えておきたい。

4 洗うのは粗熱が取れてから
洗うときにも加熱時と同様の注意が必要。洗いはじめるのは、鍋の熱が完全に取れてから。熱いうちに洗いはじめると急激な温度変化が割れの原因になるからだ。焦げがある場合はぬるま湯でふやかした後にタワシ等で軽くこすり取る。

5 やけどに注意
調理後すぐの土鍋は、取っ手部分やふたも思った以上に熱い。コンロからテーブルに移すときは、厚手の鍋つかみやオーブングローブなどで一度鍋をつかみ、やけどしないかどうか念のため確認しておきたい。

ふたが高く野菜を蒸すように調理できる文福鍋。1万2960円(2〜3人用)
深底型で保温に優れるポトフ鍋は煮込み料理に。8000円(2〜3人用)
汁物には南仏で作陶中に考案されたアメ釉口付洋風片手鍋を。6500円

 

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圡楽
Tel|0595-44-1012
www.doraku-gama.com

text : Mayumi Furuichi photo : Ko Miyaji
2017年12月号 特集『みんなの愛用品』


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