伊勢神宮、熊野古道
神秘的な伝統が息づく「三重県」
「47都道府県の魅力を再発見!」をテーマに、これまで編集部が取材してきた各地のモノ・コトを永久保存版として紹介する《Discover Japan的、日本再発見の旅》。今回は三重県を取り上げます。新たな魅力を知るきっかけや、旅の計画を立てるのにもお役立てください。
皇室の祖先とされる天照大御神を祀る、お伊勢参りの県
南北に約170㎞、東西に約80㎞と南北に細長く、5県1府に接している。南部はリアス式海岸で、湾が多いのも特徴。北から、北勢、伊賀、中南勢、伊勢志摩、東紀州の5地域で構成されている。
大手企業の工場が集まる一方で、広い県土と穏やかな気候を生かし、農業、畜産、水産業も盛んである。中でも真珠の養殖が世界的に有名で、県章にある力強いデザインが印象的な三重の「み」は真珠養殖を象徴している。県が審議検討し認定した「三重ブランド」もあり、真珠をはじめ、伊勢茶、松阪牛、伊勢えび、的矢かき、伊賀焼などの認定品とそれらにかかわる事業者が多い。
昔からのお伊勢参りで知られ、昨年に天皇皇后両陛下が「親謁の儀」として訪れた伊勢神宮はもちろん、歴史的建造物や海と山両方の景勝地、遊園地などの観光資源が多く集まっている。
名所・観光
伊勢神宮
「お伊勢さん」の呼び名で親しまれ、皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)の二宮を中心とした125社からなる。
問|神宮司庁
住所|三重県伊勢市宇治館町1
Tel|0596-24-1111
その他
英虞湾
なばなの里
横山展望台
年中行事
鳥出神社の鯨船行事
鯨捕りの大漁と厄除けを祈願。豪華な彫刻や刺繍で飾られた鯨船山車が、豊穣の象徴に見立てた鯨を仕留める。勇壮な攻防戦が見もの。
会期|8月14・15日(2020年は中止)
その他
桑名石取祭の祭車行事
上野天神祭のダンジリ行事
伊勢神宮新嘗祭
美術館・建築
三重県立熊野古道センター
熊野古道やその周辺の地域、自然、などを体感できるビジターセンター。建物には地場産の尾鷲ヒノキ・熊野杉などが使われている。
住所|三重県尾鷲市向井12-4
Tel|0597-25-2666
https://kumanokodocenter.com
その他
親鸞聖人所縁の高田本山専修寺
六華苑
海の博物館
郷土料理
てこね寿司
醤油ダレに漬け込んだ鰹やマグロを寿司飯と合わせた漁師飯。農林水産省による「農山漁村の郷土料理百選」にも選定。
その他
伊勢うどん
さんま寿司
四日市とんてき
食
こま田
県内唯一のミシュラン三つ星店。東京の寿司の名店で修業した店主がひと手間を施した寿司を握る。メニューはつまみからはじまり、握りに移るおまかせのみ。
住所|三重県伊勢市河崎2-14-18
Tel|0596-28-7747
営業時間|18:00〜22:00(完全予約制)
定休日|不定休
https://ise-komada.com
クラフト
土楽窯(どらくがま)
三重県伊賀市丸柱は中世以来の歴史をもつ伊賀焼の里。土楽窯(圡楽窯・どらくがま)は、この地で江戸時代から続く窯元である。かの白洲正子さんとも交流の深かった7代目当主福森雅武さんから、8代目当主福森道歩さんが引継ぎ、当代を務める焼物好きに轟く名工の窯。特に黒鍋は一流料亭でも愛用されている傑作のひとつである。
≫一生モノの 答えを求めて伊賀焼「土楽窯」 へ。
山口和声さんの陶芸
古くから伝わるスリップ技法で描いた温かみのある模様が特徴。日常使いのうつわが揃う。
問|Yamaguchi Pottery やまぽた
Tel|090-8322-3979
http://yamapota.com
名産・土産
大田酒造の半蔵 純米大吟醸 磨き40
7代目蔵元杜氏らが造る。華やかな香りと芳醇な味わい。(720㎖5500円)
Tel|0595-21-4709
www.hanzo-sake.com
赤福の赤福餅
餅の上に上品な甘さのこしあんがのる。五十鈴川のせせらぎを表現。(1箱8個入り760円)
Tel|0596-22-7000
www.akafuku.co.jp
旅館・ホテル
志摩観光ホテル ザ クラシック
英虞湾に面した賢島に建つラグジュアリーリゾート。皇室をはじめ多くの賓客を迎えてきた。2016年G7伊勢志摩サミットの会場に。
住所|三重県志摩市阿児町神明731
Tel|0599-43-1211
客室数|114室
料金| 1泊2食付3万4990円〜(税・サ込)
www.miyakohotels.ne.jp/shima/
方言
めっちゃ美味しいやん!(すごく、美味しいですね)
その他
かんぴんたんや!(干からびている!)
砂糖がとごっとる(砂糖が沈んでいる)
ほってくれやん?(捨ててくれない?)
なんでもランキング!
伊勢えびの漁獲量→全国1位
ろうそくの生産量→全国1位
海女さんの数→全国1位
ご当地Q&A
桃山時代に茶道具として注目された陶器は?
伊賀焼。茶道が興隆した室町・桃山時代に、茶の道具として注目された。この時代に焼かれたものは古伊賀と呼ばれ、日本文化を代表する焼物と絶賛されたこともある。
南部地域の一部で、お祝い事で食べられる寿司は?
さんま寿司。熊野灘沿岸地域で、お祝い事や催事に登場する酢漬けのサンマを使った寿司。熊野市さんま寿し保存会が1月10日を「さんま寿しの日」として制定している。
三重県・基本データ
DATA
県庁所在地|津市
市町村数|14市・15町
面積|5774㎢
人口|179万人
人口密度|310.2人/㎢
訪問観光客数(年間)|4220万人
県の木|神宮スギ
県の花|ハナショウブ
県の鳥|シロチドリ
気候
年平均気温|16.9℃
最高気温|33.2℃
最低気温|1.2℃
降水量|1720㎜
快晴日数|45日
降水日数|108日
雪日数|20日
観光
温泉数|71
宿泊施設数|1458(ホテル+旅館)
美術館数|8
博物館数|94
道の駅数|18
国宝|西方指南抄、三帖和讃、専修寺御影堂・如来堂ほか
重要文化財数|188(内国宝は6)
史跡数|37
名勝数|8
天然記念物数|39
世界遺産|紀伊山地の霊場と参詣道
国立公園・国定公園|伊勢志摩、吉野熊野、鈴鹿ほか 全4カ所
出身有名人
椎名桔平/平井 堅/磯野貴理子/吉田沙保里/足立梨花ほか
天然記念物
イセギク/紀州犬/大杉谷/河内奴鶏/白子不断櫻ほか
edit&text=Keditorial,Miho Hasegawa,Minori Fujikawa,Satomi Koba
2020年7・8月号 特集「この夏、どこ行く?ニッポンの旅計画108」