日光に那須
文化と自然が交錯する行楽天国「栃木県」
「47都道府県の魅力を再発見!」をテーマに、これまで編集部が取材してきた各地のモノ・コトを永久保存版として紹介する《Discover Japan的、日本再発見の旅》。今回は栃木県を取り上げます。新たな魅力を知るきっかけや、旅の計画を立てるのにもお役立てください。
日光が世界中から注目される
高級リゾートへと進化!?
県土の約53%を森林が占め、緑あふれる自然に恵まれた内陸県。関東では最多の源泉数を誇る温泉県としても知られ、鬼怒川、那須、塩原、日光などの温泉郷が点在し、個性豊かな名湯が揃う。特に日光に関しては、リゾート地として復権させるべく、ザ・リッツ・カールトン日光を筆頭に高級リゾートホテルの開業が続く予定。さらなる世界的人気観光地としての飛躍が期待されている。
また日光は江戸時代、徳川家康が鎮座したことにより聖地となる。東照宮などの建造物が建てられ、徳川将軍家の参拝がはじまり、特別に保護、崇敬された。廃藩置県以降、明治6年には「宇都宮県」と「栃木県」が合併。栃木県となった。
県章のデザインは、「栃」の字を抽象化し、エネルギッシュな向上性と躍動感を表現。3本の矢印は「木」の古代文字を引用している。
名所・観光
中禅寺湖
奥日光の入り口に位置する日本屈指の高さを誇る湖。湖畔からは四季折々の景色が楽しめる。遊覧船に乗り湖上から眺める景色も見事。
問|日光市観光協会
Tel|0288-22-1525
その他
華厳滝
輪王寺
日光東照宮
年中行事
足利花火大会
1903(明治36)年にはじまった伝統ある大会。約2万5000発の花火が打ち上がり、「足利夏まつり」のクライマックスを飾る。
会期|毎年8月第1土曜
会場|栃木県足利市 渡良瀬川 田中橋下流河川敷
その他
千燈明お盆送り火
ふるさと宮まつり
宇都宮二荒山神社 天王祭
美術館・建築
那珂川町馬頭広重美術館
歌川広重の作品を中心とする美術館。建築家・隈研吾が設計し、自然豊かな那珂川町の景観に溶け込み調和している。
住所|栃木県那須郡那珂川町馬頭116-9
Tel|0287-92-1199
http://www.hiroshige.bato.tochigi.jp/
その他
栃木県立美術館
フォレスト益子
録ミュージアム
郷土料理
ちたけ蕎麦
チタケというキノコとナスの炒めものを醤油ベースの濃いつけ汁にした蕎麦。噛むほどにチタケの風味が豊かに広がる。
その他
しもつかれ
おっきりこみ
いとこ煮
食
NASU SHOZO CAFE
1988年、黒磯に菊地省三氏がオープンさせ、街を変えたともいわれるカフェの2号店。那須高原にあり、爽やかな自然に囲まれた中でのんびりできる。
住所|栃木県那須郡那須町高久乙2730-25
Tel|0287-78-3593
営業時間|10:00〜18:00(L.O.17:00)
定休日|不定休
http://www.shozo.co.jp/
クラフト
松崎健さんの益子焼
個性の強い土を探し、焼きにとことんこだわる。花器、扁壺など、自然のエネルギーが伝わる力強いフォルムの作品が揃う。
問|遊心窯
Tel|0285-72-0688
http://www.yuushin-gama.com/
名産・土産
香雲堂本店の古印最中
創業100年以上の老舗和菓子店の銘菓。足利ゆかりの「足利学校」や「鑁阿寺」の古印、明治画壇の田崎草雲の落款などにちなんだかたち。(5個入り785円)
Tel|0284-21-4964
https://koundohonten.jp
旅館・ホテル
那須高原の宿 山水閣
那須御用邸のすぐそばに佇む、情緒あふれる昭和モダンな日本旅館。敷地内には那須の豊かな自然を感じることのできる小さな森もある。
住所|栃木県那須郡那須町湯本206
Tel|0287-76-3180
客室数|14 室
料金|1泊2食付1万8000円〜(サ込、税別、入湯税別)
https://sansuikaku.com
方言
まっさかうんめえ(すごく、美味しいですね)
その他
えちかって一休みするべぇ(座って一休みしよう)
ずずねー(濡れて不愉快だ) ほか
なんでもランキング!
イチゴの生産量→全国1位
宇都宮市 餃子の消費金額→全国1位
日光杉並木 並木道の長さ→世界1位
ご当地Q&A
宇都宮市の大谷観音は、日本最古の何?
石仏。本尊の千手観音像で、810(弘仁元)年、弘法大師作と伝えられている。バーミヤン石仏との共通点が研究され、実際はアフガニスタンの僧侶が彫刻したという説もある。
足利市にある「新宿町」の読み方は?
あらじゅくちょう。足利市の南部、矢場川地区にある。最寄り駅は、東部伊勢崎線韮川駅または、福居駅。全国的には「しんじゅく」と読む人が多いが、栃木では「あらじゅく」
栃木県・基本データ
DATA
県庁所在地|宇都宮市
市町村数|14市・11町
面積|6408㎢
人口|193万人
人口密度|302人/㎢
訪問観光客数(年間)|2471万人
県の木|トチノキ
県の花|ヤシオツツジ
県の鳥|オオルリ
気候
年平均気温|15.2℃
最高気温|32.8℃
最低気温|−2.8℃
降水量|1257㎜
快晴日数|28日
降水日数|101日
雪日数|17日
観光
温泉数|66
美術館数|13
博物館数|12
道の駅数|25
国宝|東照宮本殿、石の間及び拝殿ほか
重要文化財数|166(内国宝は17)
史跡数|37
名勝数|3
天然記念物数|9
国立公園・国定公園|日光、尾瀬、全2カ所
出身有名人
斉藤和義/山口智子/ガッツ石松/U字工事/萩野公介ほか
天然記念物
逆杉/日光杉並木街道附並木寄進碑/名草の巨石群/金剛桜ほか
2020年7・8月号 特集「この夏、どこ行く?ニッポンの旅計画108」
SDGs視点で読み解く、
クリーンなエネルギーの活用が進む「栃木県」
人間、地球及び繁栄のための行動計画として、持続可能な開発目標として国際的に採択されたSDGs。
17の目標のうちゴール7の「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」に注目してみると、栃木県は「世帯当たりの太陽光発電設置割合」が全国1位!さらに「太陽光を利用した発電機器がある住宅の割合」も全国4位です。また「人口一人当たりの電力エネルギー消費量」は全国で5番目に少ないというデータがあります。
栃木県は再生可能エネルギーの代表である太陽光発電の利用が進んでいる上に、一人当たりのエネルギー消費が少ない、クリーンなまちなんですね!
2020年7月に栃木県内企業を対象に行われた意識調査によると、SDGsの17目標のうち現在力を入れている項目は、「働きがいも経済成長も(26.2%)」に次いで、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」が18.4%と、県内企業の関心も高いことがわかっています。
そんな栃木県では、2021年2月に5ヵ年計画の「とちぎ未来創造プラン」を策定しています。このプランは栃木県が目指す将来像「人が育ち、地域が活きる 未来に誇れる元気な“とちぎ”」の実現に向けた基本指針がまとめられています。栃木県がSDGsのゴール達成のために掲げている取り組みのうち、ゴール7については「地域資源を活用した太陽光・水力・バイオマス・地熱等の再生可能エネルギーの導入拡大や未利用熱の利活用促進」を明言。これからの栃木県ではより一層クリーンなエネルギーの活用が進みそうですね。