《テロワール・ツーリズム》
ワインを醸す“長野”を味わう旅
|5つのワインバレー×文化を愉しむ
5つのワインバレーが織りなす、信州の多彩な風土と文化。長野ワインを入り口に、自然と人の営みを体感する「テロワール・ツーリズム」がいま、広がりはじめている。
line
長野ワインを入り口に
「テロワール・ツーリズム」が
いま広がり始めている

長野ワインに旅をさせるな――。
このキャッチコピーは、ボトルを外へ送り出す前に、造り手の暮らす土地へ招き入れ、その場でこそ伝わる長野ワインの真価を味わってもらおうとする宣言だ。標高差が生む冷涼な気候と多様な土壌、脈々と続く発酵文化に支えられ、約90のワイナリーが、それぞれのテロワールを映す一本を生み出している。

そんな長野を愉しむための新しい旅が「風土×人×文化」を丸ごと味わうテロワール・ツーリズムである。ワインを飲むだけでなく、その土地に泊まり、温泉に浸かり、民藝や自然、日々の暮らしに触れながら、一杯の背景にある物語ごと体験してもらう旅を長野県観光機構が勧めている。
5つのワインバレーに息づく文化

〈千曲川ワインバレー×温泉〉

自園自醸の造り手たちが急斜面や段丘の畑に向き合う千曲川ワインバレーでは、温泉宿が点在し、ワインと湯の時間を行き来する滞在が待っている。

信州たかやまワイナリー
住所|長野県上高井郡高山村大字高井字裏原7926
Tel|026-214-8726
営業時間|9:00~12:00、13:00~16:00
定休日|年末年始
見学|可(予約不要)
www.shinshu-takayama.wine
line
〈日本アルプスワインバレー×民藝〉

北アルプスの山並みと扇状地の畑が広がる日本アルプスワインバレーでは、柳宗悦の民藝運動を源流とするうつわや家具の世界と響き合う、クラフトマインドあふれるワインと出合える。

安曇野ワイナリー
住所|長野県安曇野市三郷小倉6687-5
Tel|0263-77-7700
営業時間|9:00~17:00
定休日|年末年始
見学|可(要予約)
www.ch-azumino.com
〈桔梗ヶ原ワインバレー×自然〉

メルロー栽培の先駆けとして知られる桔梗ヶ原ワインバレーでは、古木が実る畑や新旧ワイナリーを訪ね歩くことで、日本ワインを育んできた自然と挑戦の歴史を一度に感じることができる。

林農園(五一わいん醸造元)
住所|長野県塩尻市大字宗賀1298-170
Tel|0263-52-0059
営業時間|9:00 ~ 16:30
定休日|年末年始
見学|農場のみ可(予約不要)
www.goichiwine.co.jp
line
〈天竜川ワインバレー×ニューウェーブ〉

河岸段丘や扇状地に果樹園が広がる天竜川ワインバレーでは、果実発酵の文化が息づき、リンゴ畑で地元の食とシードルを愉しむオーチャード・ツーリズムが新たな旅の風景を描いている。

カモシカシードル醸造所
住所|長野県伊那市横山10955-14
Tel|0265-73-0580
営業時間|ショップ10:00 ~ 16:00(カフェは4 ~ 11 月。要問い合わせ)
定休日|水曜
見学|可(要予約)
https://kamoshikacidre.jp
〈八ヶ岳西麓ワインバレー×高原〉

新たに加わった八ヶ岳西麓ワインバレーでは、高原野菜や別荘文化に寄り添いながら、冷涼な気候を生かしたヨーロッパ系品種や個性的な造り手たちが、新たなテロワールの物語を紡いでいる。

八ヶ岳はらむらワイナリー
住所|長野県諏訪郡原村8926-1
Tel|0266-78-5812
営業時間|10:00 ~ 12:00、13:00 ~ 16:00
定休日|水曜
見学|可(要予約)
www.haramura-winery.com

この5つのワインバレーが醸す空気の断片を少しずつ自分の中でつなぎ合わせていくとき、長野というテロワールの全体像がそっと立ち上がる。次の旅は、長野ワインに導かれて、その源泉である土地と人の物語に会いに行ってほしい。
line
知りたい方はこちらをクリック!
≫長野県公式観光サイト
text: Nobuhiko Mabuchi photo: Norihito Suzuki
2026年1月号「世界を魅了するローカルな酒」



































