天橋立「ワインとお宿 千歳 chitose」厳選ワインと丹後の味覚のマリアージュ
世界のワイン好き垂涎のワインを所有する、日本三景・天橋立のほとりにある宿「ワインとお宿 千歳 chitose」。近隣にある自社ワイナリー「天橋立ワイナリー」のオーナーでもある当主の目利きで厳選されたワインと、丹後の美味のマリアージュを愉しむ至福の時が過ごせる。
日本三景のひとつに天橋立がある。風光明媚という言葉がぴたりとはまる絶景の地だ。それだけでも十分魅力的なのだが、さらにその対岸には、極上ワインを堪能できる宿があるという。
宿の名は「ワインとお宿 千歳 chitose」。宿名にワインを冠しているところからして、なみならぬ意気込みが感じられる。天橋立の対岸、運河沿いに建つ宿は、本館4室と別館3室、合わせてわずか7室の小さな規模。しかしながら、セラーに有するワインは数万本を超えるという。しかも、ただ数だけではなく、その質においても、日本有数のレベルを誇っている。
宿を訪れたワインフリークたちも舌を巻くというワイン片手に、天橋立名景ともいえる廻旋橋を、部屋の窓から見物。大きな波を立てる運搬船が通り過ぎるのを待ち、橋が元に戻る。そのさまを眺めているだけでも飽きることがない。
夕餉のワインに思いを馳せつつ、ひと息ついたら、2階に用意された温泉へ。部屋数が少ないから、空いているのがうれしい。男女別にしつらえられた温泉には、露天風呂もあって、ぬるりと肌にまとわる湯を、心ゆくまで満喫できる。
無論どんな宿に泊まっても、夕餉を心待ちにするのは常だが、この宿では、格別の思いをもって待つこととなる。はて、どんなワインが待ち受けているのか。天井知らず。見上げればキリがない。マニア垂涎のワインは、車1台分を軽く超える。予算と好みを告げて、料理に合うワインをセレクトしてもらうのがベスト。
日本海から揚がった極上の海の幸、農家の顔が見える地場産の野菜、京都肉などなど、厳選された食材を、熟達の料理人が心を込めて調理する。旨いに決まっているが、ここにセレクトワインがマリアージュされるのだから、ワイン通でなくても、箸が止まらない。〆の手打ち蕎麦が出てくる頃には、お腹も心も満ち足りて、ただただ笑顔を浮かべるのみ。
選りすぐりのワインを海外から集めてくるだけではなく、「海の京都」でワインをつくっているのだから、この宿がいかに本気でワインと向き合っているかがわかろうというもの。阿蘇海を隔てて、広大な葡萄畑を持つ「天橋立ワイナリー」にもぜひ立ち寄りたい。
地ワインという言葉が口の端に上りはじめて久しい。もの珍しさを超えて、クオリティーが問われるようになったいま、胸を張ってテロワールを名乗れる「天橋立ワイナリー」のワインは、京都が誇る産品である。
雅な京都に加えて、「海の京都」まで足を延ばすのが、これからの京都旅の定番になるのは間違いない。京都と海。京都とワイン。新たな京都を見せてくれるのがワインとお宿 千歳 chitoseなのである。
住所:京都府宮津市文殊472
Tel:0772-22-3268
Fax:0772-22-3389
E-mail:chitose@amanohashidate.org
客室数:7室
料金:1泊2食付1万6998円〜(税込)
カード:AMEX、DINERS、JCB、MASTER、VISA、銀聯
IN:15:00 OUT:10:30
夕食:和洋折衷(レストラン) 朝食:和食(レストラン)
温泉:天橋立温泉(含弱放射能・鉄(Ⅲ) ナトリウム-塩化物泉/源泉掛け流しではない/加温あり/加水あり/神経痛、筋肉痛、関節痛など)
風呂:大浴場男女別各2(15:30〜23:30、翌6:30〜9:30)、露天風呂2
アクセス:車/京都縦貫自動車道宮津天橋立ICから約10分 電車/京都丹後鉄道天橋立駅から徒歩約3分
館内施設:ワインセラー、カフェラウンジ
Wi-Fi:あり
www.amanohashidate.org/chitose
文=柏井 壽 写真=宮地 工
Discover Japan_TRAVEL「味わいの名宿」