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京都《石清水八幡宮》
平安京の裏鬼門を護る社
|源氏物語ゆかりの定番名所④

2024.11.22
京都《石清水八幡宮》 <br>平安京の裏鬼門を護る社<br> <small>|源氏物語ゆかりの定番名所④</small>

平安京の裏鬼門を護る、光源氏の養女・玉鬘ゆかりの社である「石清水八幡宮」。
“動く古典”とも呼ばれる三大勅祭のひとつを執り行う、公家・武家ともに崇敬を集めてきた国家鎮護の社とは?

平安時代にルーツがある勅祭や社殿

国宝に指定された八幡造の社殿。現存する八幡造の神社建築の中で最大かつ最古。本社10棟と附棟札3枚が国宝に指定される。写真は「楼門」

860(貞観2)年に創建された「石清水八幡宮」は、平安京の裏鬼門を護る社として、朝廷からの信仰も篤く、伊勢神宮とともに二所の宗廟(天皇が先祖に対して祭祀を行うふたつの廟)でもある。

八幡造の鮮やかな朱の社殿に、躍動的な動植物の彫刻の数々がある荘厳な建築は、神職の案内で内部を拝観できる。

平安時代にルーツがある石清水祭
命あるものの幸福を願う勅祭。深夜から行われる「神幸の儀」(写真)では平安の王朝絵巻のような光景が広がる

9月に天皇からの勅使を迎えて行われる勅祭「石清水祭」の神事は〝動く古典〟とも称され、ちょうちんや松明の明かりが揺らめく幻想的な光景からはじまる。

午前2時、3基の神輿と約500人の御供が本殿から男山のふもとへと列をなす「神幸の儀」が執り行われ、その後早朝の「奉幣の儀」、「奉幣」へと続く。平安の古式を伝え、社格を感じさせる祭りだ。

1月中旬の「厄除大祭」。最終日には焼納神事が執り行われる

また『源氏物語』に登場する光源氏の養女・玉鬘のゆかりの地としても知られる。筑紫で暮らしていた玉鬘が都に戻った際、参拝して旅の無事を感謝し、父との再会を願ったという。

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石清水八幡宮
住所|八幡市八幡高坊30
Tel|075-981-3001
拝観時間|境内6:00〜18:00、
昇殿参拝土・日曜、祝日14:00
定休日|なし
拝観料|境内無料、昇殿参拝1000円
https://iwashimizu.or.jp

《石清水八幡宮年中行事》
1月7日 七草祭
1月15日〜19日 厄除大祭期間
節分前の日曜 湯立神事、鬼やらい神事
3月3日 桃花祭
春分の日〜4月30日 男山桜まつり
5月4日 石清水灯燎華
5月5日 菖蒲祭
6月30日 水無月大祓
9月15日 勅祭・石清水祭
※年によって変更の場合あり

《源氏物語ゆかりの京都・定番名所4選》
01|大原野神社【前編】
02|大原野神社【後編】
03|城南宮
04|石清水八幡宮

text: Discover Japan
Discover Japan 2024年11月号「京都」

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