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京都《城南宮》
雅な王朝文化を伝える方除の大社
|源氏物語ゆかりの定番名所③

2024.11.22
京都《城南宮》<br>雅な王朝文化を伝える方除の大社<br><small>|源氏物語ゆかりの定番名所③</small>

平安時代から都を守護する“方除の大社”「城南宮」には一年を通じて雅やかな情景がある。
春の行事の平安時代さながらの雅な歌会“曲水の宴”、源氏物語ゆかりの草木を集めた庭園とは?

源氏物語ゆかりの庭園や文化

「湯立神楽」。巫女が笹の葉を使って釜の湯をまき、無病息災を祈る

平安京遷都の際に国と都の守護神として創建。平安時代後期には白河上皇や鳥羽上皇により「城南宮」を囲むように「鳥羽離宮」が築かれて院政の拠点に。政治や文化の中心となり、いまも当時の優雅な風情を感じられる。

神苑には平安から桃山時代まで、異なる時代様式の庭園がある。写真は平安貴族の邸宅の庭をモデルにした「平安の庭」

平安後期の建築を再現した社殿の周りにあるのは、造園家・中根金作氏が手掛けた趣の異なる5つの庭。神苑が広がる「春の山」は鳥羽離宮の遺構と伝わる。

見事な紅葉を愉しめるのは池や段落ちの滝を配した「平安の庭」と回遊式庭園「室町の庭」。庭園には『源氏物語』に描かれた草花が80種余り植えられ、解説を見ながら庭を回ることもできる。

春の行事「曲水の宴」。奈良〜平安時代にかけて宮中で行われた歌会を再現するもので、雅な装束が際立つ新緑の中に、和歌を詠む声が響く

年中行事も見逃せない。「曲水の宴」や巫女神楽など、一年を通して雅な祈りの文化に触れられる。

また平安時代より、熊野詣の出立の地として旅の安全を守る神社でもあった。このことから、現在でも方除の神さまとしても信仰され、社頭では熊野詣の特別御朱印を授与している。

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鳥羽離宮を造営した白河上皇が熊野詣に出立の際、離宮で潔斎して道中の安全を祈ったことから、熊野詣出立の地といわれる

城南宮
住所|京都市伏見区中島鳥羽離宮町7
Tel|075-623-0846
拝観時間|神苑9:00〜16:30(最終受付16:00)
定休日|なし
拝観料|境内無料、神苑800円
※2月18日〜3月22日は1000円、7月1日〜8月31日は300円
www.jonangu.com

 

《城南宮年中行事》
10月第3日曜 城南祭
11月20日  火焚祭、火焚神事
1月1日〜3日 祓神楽
1月5日 釿始式
1月20日 湯立神楽
2月3日 節分祭
2月11日 城南宮七草粥の日
2月18日〜3月22日 梅が枝神楽
4月第2土・日曜 神賑行事奉納
4月29日 曲水の宴
5月1日〜6日、5月の土・日曜 藤の巫女神楽
6月25日〜30日 茅の輪くぐり・人形流し
6月25日〜7月7日 夏越の神楽
6月30日 夏越の祓
7月1日〜7日 愛車の茅の輪くぐり
7月20日 お涼み神楽
9月の土・日曜、祝日 菊の巫女神楽

《源氏物語ゆかりの京都・定番名所4選》
01|大原野神社【前編】
02|大原野神社【後編】
03|城南宮
04|石清水八幡宮

text: Discover Japan
Discover Japan 2024年11月号「京都」

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