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《青木良太》のうつわ
試行錯誤から生まれる至高の美

2024.4.11
《青木良太》のうつわ<br>試行錯誤から生まれる至高の美

日本の陶芸界をリードする陶芸家・青木良太さん。長年にわたる釉薬研究と土との対話から生まれるうつわは、絢爛豪華。
2024年4月20日(土)~5月19日(日)にかけて、東京・渋谷パルコ Discover Japan Lab.では「青木良太 個展」を開催。圧倒的な存在感と美しい釉景で私たちを魅了する、青木さんのものづくりに迫ります。

Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を4月23日(火) 20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)

青木良太(あおき りょうた)
1978年、富山県生まれ。自称焼物オタクの陶芸家。2002年、岐阜県にある多治見市陶磁器意匠研究所を卒業。岐阜県土岐市にスタジオを構える。1万6000年に及ぶ人類のうつわづくりの歴史を尊重しながら、さまざまな素材を使い、新たな陶芸伝統を創造している。

遊び心と実用性
ふたつの顔が共存する

既成概念にとらわれないうつわを発表し続ける青木良太さん。小誌でもお馴染みの陶芸家だが、彼のルーツをご存じだろうか?

「大学時代は経営戦略を学んでいました。ただ、20歳になるときに不安を覚えたんです。卒業したら何をしようかと。そんな折、偶然入ったインテリアショップで作家もののうつわと出合い、渋くていいなと思って。興味本位で陶芸教室に入ったところ、すごくおもしろくて『コレだ』と思いましたね」

21歳で岐阜の職業訓練校に入学。「陶芸と心中する覚悟を決めたんです」と、青木さんは当時の心境を振り返る。以来、寝る間も惜しんで釉薬の研究に励み、弱冠22歳で個展を初開催。さらに国内外のコンクールで受賞を繰り返し、世界中にその名を知らしめた。
「当時は自分の好きなものだけをひたすらつくっていました。でもろくろを回し続けるうちに、土の声が聞こえるようになってきたんです。こんなかたちに焼いてほしい、と。素材と対話できるようになってからは、アイデアは無限に広がっていきました」

中国茶器シリーズは、口縁に絶妙なカーブをつけ、口当たりのよさを追求。手にすっぽりと収まるサイズ感も人気。豊富な色展開で、選ぶ楽しさを提案している

金や銀など、陶芸に到底使われることのない金属を素材として使ったり、隕石のようなミステリアスな形状に仕立てたり、青木さんは縦横無尽に作風の幅を開拓していく。近年は稀少な琥珀を使った「琥珀焼」にも挑戦。また一児の父になってからは、使い勝手のよい、実用性の高い作品も積極的に展開。近々、子ども用のうつわも発表する予定だ。

「朝、洋服を選ぶ感覚で、そのときの気分で色を選んでほしい」と青木さん。カラフルなプレートと深皿は、いつもの食卓を華やかに演出。スタッキング可能で、お重としても使える。特別な日にも重宝する

ひるむことなく作陶に励む青木さんに、モチベーションの源を聞いてみた。
「おかげさまで多くの方々に認知していただけました。次なる目標は数千年後の未来。21世紀にとんでもない陶芸家がいたと、驚いてもらえるために走り続けます」

青木さんの「いま」を感じに、個展に足を運んでほしい。

三重県・四天王寺
「琥珀観音像」ついにお披露目!

知人から譲り受けた琥珀がきっかけで四天王寺と出合う。「四天王寺は聖徳太子が建立した寺のひとつ。聖徳太子は生涯をかけて琥珀研究をしていたそうです」。聖徳太子の心を受け継ぎ、青木さんは琥珀焼を完成。今年2月「琥珀観音像」が披露された

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〈青木良太 個展〉作品ラインアップ
 
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text: Misa Hasebe photo: Norihito Suzuki
2024年5月号「進化するホテル」

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