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喫茶店《築地》
昭和レトロな空間でウィンナー珈琲を。
京都の美味しいレトロ建築④

2023.12.18
喫茶店《築地》<br>昭和レトロな空間でウィンナー珈琲を。<br><small>京都の美味しいレトロ建築④</small>

古都・京都は、実は明治・大正・昭和初期にかけて生み出された、近代建築の宝庫である。この秋は、懐かしい空気に包まれたレトロな空間と美味しいものに心ときめく旅をぜひ。
 
今回は1934年創業の喫茶店「築地」を紹介。京都ではじめて提供されたというウインナー珈琲が看板メニューだ。

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上下階の雰囲気の違いに注目

四条河原町の路地裏でノスタルジックな空気をまとう一軒。1934(昭和9)年創業の築地は、初代店主・原田邦雄が設計も手掛けたというから驚きだ。建築を学んだことはなく持ち前のセンスで大工にイメージを伝え、かたちにしたという。乱形石貼りの鮮やかなタイル、柱や腰壁の彫刻のほか、店内からあふれるほどの置物も必見。「祖父が影響を受けたものを詰め込んだ空間で、何調とも表現できない。見る場所によって印象が変わりますよ」と3代目・原田雅史さん。ここでは、京都ではじめて提供されたというウインナー珈琲をぜひ。昭和初期にタイムスリップしたような館での一服は格別だ。

1951〜1952(昭和26〜27)年頃、住まいだった2階を店舗に改装。ステンドグラスや大きな窓から光が入り、隠れ家的な1階と比べると開放的。初代自らデザインした椅子が並ぶ

◎1934年改修(1階)
◎1951〜1952年頃改修(2階)
◎設計|原田邦雄
◎木造2階建、瓦葺

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本物の生クリームを使った証しにホイップして供したのがはじまりというウインナー珈琲。ケーキとセットで1150円

 

《レストラン菊水》
京のハイカラ好きが生んだ本格西洋料理

 
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築地
住所|京都市中京区米屋町384-2
Tel|075-221-1053
営業時間|11:00〜17:00
定休日|なし

《京都の美味しいレトロ建築》
1|salon de 1904
2|フランソア喫茶室
3|喫茶 静香
4|築地
5|レストラン菊水
6|INDÉPENDANTS
7|東華菜館

text: Kaori Nagano, Makiko Shiraki, Minami Mizobuchi(Arika Inc.) photo: Mariko Taya
Discover Japan 2023年11月号「京都 今年の秋は、ちょっと”奥”がおもしろい」

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