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食べられる。スキンケア・ヘアケアにも。
古来のサプリメント!?
椿オイルを再発見する

2023.2.24 PR
<small>食べられる。スキンケア・ヘアケアにも。</small><br>古来のサプリメント!?<br>椿オイルを再発見する
日本固有種であるヤブツバキ。北海道の一部を除いて全国に自生するが、種子からとる椿油は献上品とされるなど、古くから貴重な存在だった

東京の南・約140㎞、大島と新島の間に位置する利島は周囲約8㎞の小さな島。面積はわずか4.12平方㎞で、その約8割は20万本ともいわれる椿の木で覆われている。この“椿の島”で江戸時代以来、300年にわたって受け継がれている椿油の歴史と魅力をひも解く。

椿油は、日本古来の万能オイル

椿油は、人の肌の成分に近いオレイン酸を豊富に含むため、肌を和らげハリ、つやを与える

ヤブツバキの種子からとる椿油の歴史は古く、平安時代までさかのぼる。頭髪油用をはじめ食用、燈用、薬用としても重宝され、遣唐使が皇帝へ献上したとも伝わる。

椿油の主成分はオレイン酸。含有量の80%以上(利島の椿油は約86%)を占め、その割合はオリーブ油よりも高い。人の肌の成分に近く、酸化しにくいため、髪・肌によし、食べてよしの万能オイルといえる。

ちなみに椿油と混同しやすいカメリアオイルは、チャノキやサザンカなど、原料にヤブツバキ以外のツバキ科の植物種子を含む油のこと。オレイン酸含有量は50~80%ほどで、椿油と比べると少ない。

利島の歴史は椿とともにあり

利島は約20万本の椿林に覆われている。椿は冬の強い西風から集落を守ると同時に、椿油という産業で島民の暮らしを支え続けてきた

利島では、強い季節風から集落を守る防風林として、古くから椿の木が植えられてきた。

中央に円錐形の宮塚山がそびえる利島には平地が少ないうえに川がなく、稲作には不向きの土地だった。その一方で、海底火山の噴火でできた利島の土壌は、作物の栽培や樹木の生育に適しており、伊豆諸島の中で最も肥沃といわれるほど。いつしか椿の林は島全体に広がり、江戸時代には椿油を年貢として納めるなど、島全体を支える産業として発展してきた。

現在でも、椿油は利島の主産業。国内生産量の約6割を占める日本有数の産地となっている。豊かな土壌を生かし、化学肥料や化学農薬を使用せずに栽培した椿の種子100%でつくる椿油は、品質の高さでも知られている。

先祖代々の土地で
椿をいつくしむように育てる

利島の椿林がもつ端正な美しさは、椿農家による細やかな管理の賜物

島内の椿農家は約50軒。勾配のある地形で木を育て、実(種子)を収穫しやすくするため、椿林は階段状に広がっている。利島の椿油の原料は完熟した種子。他の産地のように木から実を摘むのではなく、油を豊富に蓄えて実がはじけ、地面に落ちた種子をひとつずつ拾う「トリッピロイ」で収穫する。

小さい種子を拾いこぼすことのないよう、暑い夏じゅう、下草を丁寧に刈る「シタッパライ」をはじめ、日々の手入れを欠かさない椿林は、日本庭園とも称される美しさ。椿の花が散る2~3月には、林床一面が赤色に染まり、“椿の絨毯(じゅうたん)”と呼ばれる幻想的な光景が広がる。

島の恵みがつまった
新鮮&高品質の椿油

種子の収穫から搾油、精製、加工まで全工程を島内で行う。トレーサビリティと品質の高さで、世界的なオーガニックコスメ認証も取得している

収穫された種子は、島内にある製油センターへ持ち込まれる。悪くなった種子や小石などを取り除き、完熟した種子のみを選別したうえで、農家ごとに分けて圧搾・精製する。このとき種子の量ではなく、種子を搾った油の量で買い取るのが利島流。種子の量で買い取るとなると、収穫量を増やすために完熟前の実も摘まれてしまい、結果、椿油の品質にばらつきが出る可能性があるという。そのため利島では、油の量で買い取ることで、農家が前処理をしなければならない作業を減らしつつ、完熟前の種子が混じることを防ぎ、品質の高い椿油を生産している。

搾油は上質な油を多く含む一番搾り(圧搾)製法で行い、圧搾後はすぐに精製して、油の酸化を防ぐ。また、農家ごとに分けて搾油することで、生産から加工までの追跡(トレース)も可能になる。

そうして生まれた、代表的な椿油のひとつが「神代椿 -雫-(かみよつばき しずく)」。トレーサビリティを徹底した園地で収穫した完熟種子のみを使い、丁寧に搾油・精製した椿油で、椿油化粧品として日本で初めて「COSMOS ORGANIC(コスモス・オーガニック)」認証*を取得している。

*オーガニックコスメの品質を認証する国際的制度「COSMOS(コスモス)認証」のひとつ。

左から「神代椿 -雫-」(数量限定)、とろりとした質感の「神代椿 -金-」、無色透明の「神代椿 -銀-」は、「神代椿 -金-」をさらに精製してさらりとした質感に仕上げている。ちなみに神代椿とは、かつて島に存在し、島民からご神木のように大切にされていた特別な木。利島のヤブツバキの原木といわれる
「利島の明日葉椿油ソース」。島内に自生する明日葉は、椿林でもよく目にする野草。軟らかく食べやすい風味の明日葉と、オレイン酸豊富で風味にクセのない椿油を合わせ、味噌を隠し味に加えたソースは、さまざまな料理で活躍する
台風被害や病気などで伐採した利島の椿の木を使い、大阪の伝統工芸品「和泉櫛(いずみぐし)」の職人がつくった「椿櫛」。硬く緻密で、耐久性の高い椿の木は細工物や工芸品などの材として、昔から重宝されてきた。椿油で手入れしながら使うのが長く愛用するコツ
利島農業協同組合(JA利島)の加藤大樹さん(左)は埼玉県出身。2013年に家族3人で利島村に移住した

椿の木は、日本人にとってなじみ深い木である一方、農家にとっては生産管理が難しい木でもある。種をまいてから安定して収穫できるようになるまで30年ほどかかるうえ、油を十分に蓄える前に実を落とす台風に見舞われたり、収穫量が年によって大きく変動する隔年結果*の現象があったりと、天候と生態による豊凶が激しいのがその理由だ。さらに利島では、勾配のある地形や、種子をひとつずつ手で拾う収穫作業など、高齢化が進む農家の負担は大きい。

「それでも300年ものあいだ、椿とともに生きてきた島民にとって、椿は暮らしの一部。利島ならではの椿油を産業として、文化として継承していきたいと思っています。農家さんに楽をしてもらえるような仕組みをつくって、利島の椿油をもっと盛り立てていきたいですね」

そう語る加藤大樹さんが在籍する利島農業協同組合(JA利島)では、トレーサビリティ管理の徹底や植え替え用の新しい苗の育成をはじめ、種子だけでなく花や葉など椿の木すべてを活用するための研究など、持続可能な椿油の産地としての仕組みづくりに取り組んでいる。

利島の椿油は、“椿の島”の歴史と文化を物語り、椿とともに生きてきた島民の未来へとつながっている。

*果樹で、果実がたくさんなる年と、ほとんどならない年を交互に繰り返す現象。ミカン、リンゴ、カキなど永年性作物の果樹で広くみられる。

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利島の椿オイルを
渋谷パルコで手に入れよう!

記事で紹介した商品は、2月25日(土)~3月5日(日)まで、渋谷パルコのDiscover Japan Lab.にて、期間限定で販売されます。自分へはもちろん、ギフトとしても、ぜひ贈ってみてはいかがでしょうか。

Discovere Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00〜21:00
定休日|不定休
※新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

text: Miyu Narita

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