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いまさら聞けない手紙のマナー
|書き方のルール

2020.12.28
いまさら聞けない手紙のマナー<br>|書き方のルール

帰省が叶わない人も多い今年の年末年始。こんなときだからこそ「手紙」で一年分の感謝を伝えてみませんか? 贈り物に手書きのメッセージを添えるのもいいかもしれません。メールが一般的な現代ですが、ここぞというときに手紙を添えるのが大人のたしなみ。手紙の書き方、ルールをあらためて学びましょう。

手紙の基本スタイル
~便箋~

最も基本的な手紙の形式が「便箋」。宛名は最後に書くなど、書き方のルールさえ覚えてしまえば、それほど難しいものではない。まずはその決まり事からマスターしていこう。

頭語
「拝啓」など、手紙の最初に書く言葉。「こんにちは」、「ごめんください」の挨拶にあたる。一字下げにせず、書きはじめる
前文
季節を感じさせる時候の挨拶、相手を気遣う挨拶文。主文に入る前に、ひと呼吸。スムースに本題を切り出すことができる
主文
前文から話題が変わるので、「過日は」、「さて」、「このたびは」などの起こしの言葉からはじめる。用件を簡潔にまとめる
末文
相手の健康、繁栄、活躍を祈念し、今後につなげるための一文。今後どのような関係を求めるかによって書き分ける
結語
「さようなら」にあたり、頭語とセットになって使える言葉が決まっている。行末に揃えて書き、後付けとの間は1行空ける
後付け
日付、署名、宛名を最後に書く。日付は一字下げで、署名は行末より一字上で終わるように、宛名は一字下げにせず、大きめに

〈question〉
追伸はどう書けばよい?

主文に書きもらしたことを2〜3行、宛名のあとに一行空け、やや小さな文字で書く。弔事や結婚祝い、ビジネスでは避ける。

覚えておきたい書き方のルール

理解しているつもりでも、使う際にすんなり思い出せない言葉のルール。時候の挨拶をパソコンで調べながら書く……なんてしていませんか?

①頭語と結語

シチュエーションに応じて使えるセットが決まっている。略式の場合には時候の挨拶は省くもの。女性だけの結語「かしこ」はどんなときにも使えるがビジネスには不向きとされる。

【一般的】
頭語|拝啓/啓上/一筆申し上げます
結語|敬具/敬白/拝具
【あらたまった場合】
頭語|謹啓/謹呈/謹んで申し上げます
結語|謹言/謹白/粛言/敬白
【緊急の場合】
頭語|急啓/急呈
結語|草々/早々/不一
【はじめての場合】
頭語|拝啓/はじめてお手紙を差し上げます
結語|敬具/敬白/謹言
【返信】
頭語|拝復/復啓/謹復
結語|敬具/敬白/拝具
【重ねて出す場合】
頭語|再啓/追啓/重ねて申し上げます
結語|敬具/敬白/拝具
【略式の場合】
頭語|前略/冠省/前文お許しください
結語|草々/早々/不一

②時候の挨拶

月に応じて使える言葉は決まっているが、本来は身近な季節を報告するもの。その年の気候に合わせて使い分けたい。「陽春」、「春暖」などは「〜の折」、「〜のみぎり」などと使う。

4月
「陽春/春暖/桜花/花冷え」
春もたけなわの季節となり
花の盛りもいつしか過ぎ
うららかな春の訪れとなりました
5月
「新緑/若葉/薫風/立夏」
緑が目に染みる季節
初夏の風も爽やかに
青田をわたる風が心地よく
6月
「初夏/深緑/長雨/入梅」
雨に映える紫陽花の花も美しく
吹く風も次第に夏めき
 時候が不順の近頃ですが
7月
梅雨も明け、いよいよ夏本番です
8月
 蝉しぐれが聞こえております
9月
日増しに秋の深まりを感じます
10月
さわやかな秋晴れの快い季節です
11月
紅葉が鮮やかになってまいりました
12月
木枯らしの吹きすさぶ年の瀬です
1月
健やかな新年をお迎えのことと存じます
2月
暦の上では春でも、余寒厳しい折
3月
春めいて桜の楽しみなこの頃です

③挨拶の一文

まず相手を気遣い、それに続けて、手紙を書いた理由・状況を述べたり、近況を伝えたりするもの。紹介されて手紙を書く場合は、誰の紹介であるかもここで最初に伝えておきたい。

④末文

挨拶の一文は現在までの状況だが、末文は今後のこと。相手の活躍を祈念するだけでなく、返事を求めたり、伝言を依頼したりもできる。乱筆を詫び、謙虚な姿勢を伝えることも。

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