沖縄の〈空手道・古武道〉を知る!
|沖縄の伝統文化 入門
首里城を中心に、約450年続いた琉球王国。琉球王国、日本、アメリカ、再び日本と、世が変わる中で伝え継がれてきた、多種多様な文化に触れてみたい。今回は空手道・古武道について、沖縄伝統空手道振興会 事務局長 沖縄空手案内センター 所長 上原邦男さんにお話をうかがった。
沖縄伝統空手道振興会 事務局長
沖縄空手案内センター 所長
上原邦男(うえはら くにお)
米国留学から帰国後、米軍基地で働きながら道場を運営。2017年の沖縄空手会館開設に伴い、案内センター所長に就任。日本語、英語、うちなーぐちのトリリンガルで沖縄と世界をつなぐ。武歴55年。
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沖縄は空手の発祥の地

世界193カ国、愛好者は約1億3000万人ともいわれる空手。その根底には「空手に先手なし」という金言がある。これは、空手を修めているからといって他者に対して好戦的であってはならないという戒めであり、空手が力の誇示ではなく、心を律するための武であることを示す。まさに空手は“平和の武”なのだ。
その空手の発祥の地が沖縄である。沖縄伝統空手は「型にはじまり、型に終わる」を基本とし、勝敗や派手さよりも、日々の稽古を通じた地道な自己鍛錬を重んじる特徴がある。競技化・スポーツ化が進んだ現代空手とは一線を画し、自分自身と向き合う時間を大切にしてきた。

沖縄伝統空手の起源は、琉球王国時代に士族が嗜んだ護身術「手(てぃ)」とされている。しかし沖縄伝統空手道振興会事務局長の上原邦男さんは、若者が即興で歌や踊りを披露し合った「毛遊び(もーあしびー)」の場に、その萌芽があった可能性も指摘する。
1922年、空手家・船越義珍によって本土へ伝えられた空手は、大学を中心に発展した。その後、沖縄からの移民や沖縄駐留中に空手に触れた米兵らを通じて、世界各地へと広がっていった。
現在、沖縄県と同振興会は県内の保育園や小・中学校へ空手講師を派遣し、沖縄伝統空手の普及と継承に取り組んでいる。「幼い頃から空手に親しむ機会をつくることで、県民の大切な文化としてつないでいきたいです」と上原さんは語っている。
沖縄空手の三大流派

空手とともに誕生し、生活民具を武器化し独特の発展を遂げた。武具は写真の棒をはじめ、ヌンチャク、釵(サイ)、鎌など
〈剛柔流〉
深く息を吐き、深く吸う呼吸法を重視し、大柄な体型に向く。剛柔流の源流は、那覇士族を中心に発展した那覇手(ナーファディー)である
〈しょうりん流〉
構えや呼吸法が自然体であり、蹴りが多く、細身の体型に向く特徴がある。首里士族を中心に発展した首里手(シュイディー)から派生した流派
〈上地流〉
明治時代、中国で武術を修行した上地完文が創始した流派。短く呼吸し、指先、足先を多用する。肉体を頑強に鍛え上げることを重視する
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text: Ayako Arasaki photo: Yukiko Shiraki
2026年3月号「訪ねる建築 暮らす建築」





























