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日本各地のお雑煮まとめ
|松本栄文さんの地域文化を味わう
「お雑煮図鑑」

2025.12.3
日本各地のお雑煮まとめ<br>|松本栄文さんの地域文化を味わう<br>「お雑煮図鑑」

江戸時代の参勤交代を機に日本各地を人々が行き交う中で、雑煮はさまざまな要素が混ざり合い、多彩に進化。地域色豊かに発展してきた「日本各地のお雑煮」を地域ごとにご紹介。お雑煮を食べる意味やお餅の形の違いについても、全国お雑煮文化研究家の松本栄文さん監修のもと紐解いていく。

監修=松本栄文(まつもと・さかふみ)
「花冠陽明庵」主人、作家。全国お雑煮文化研究家。一般社団法人日本食文化会議会長として日本の食文化の普及に努める。著書『日本料理と天皇』(枻出版社)でグルマン世界料理本大賞2015の最高位「殿堂」に輝く。NHKの番組『あさイチ』でお馴染み。新著『雑煮365日』(NHK出版)で四季の雑煮レシピと雑煮あれこれを紹介。

なぜお正月に雑煮を食べるのか。

もとをたどると平安時代、お正月に宮中で行われていた「歯固めの儀」に由来する。写真は儀式の供物のひとつ。平丸餅に押鮎、大根など歯ごたえのあるものを噛むことで齢を固め、健康長寿を願いました。この歯固めの儀が形式化されていく過程で、固くなった平丸餅を煮戻して食べた「汁雑煮」が、現在の雑煮の起源。

 


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なぜ、雑煮にお餅を入れるのか。形が違うのか。

お餅を入れる理由は2つある。ひとつは、雑煮というものが平安時代より続く宮廷祭祀の「歯固めの儀」に由来するため。もうひとつは、お米は神々からの賜り物であり、お餅は神々の力を凝縮した霊力の塊のような存在だと考えられているから。

そして丸の形は、古来に太陽や宇宙を表すかたちであり、雑煮に入れるお餅も、神々の依代である鏡を模した丸餅が必然であった。江戸になると、江戸城下で人口が急増加により、一つひとつ手で丸める「丸餅」では生産が追いつかず、切り分ける「角餅」が考案された。

 


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上越・東北のお雑煮

01|大根雑煮/新潟・小国
02|上越雑煮/新潟・高田
03|米澤雑煮/山形・米沢及び東置賜
04|八幡雑煮/山形・酒田
05|なめこ雑煮/山形・小国
06|仙台雑煮/宮城・仙台
07|胡桃雑煮/岩手・宮古

 


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北陸のお雑煮

01|かぶら雑煮/福井
02|葱雑煮/石川・野々市
03|福来魚雑煮/富山・黒部
04|練物雑煮/富山・魚津

 


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関東・甲信のお雑煮

01|江戸方下町雑煮/東京・文京、台東、墨田、江戸川
02|鎌倉雑煮/神奈川・鎌倉
03|笹がき雑煮/神奈川・横浜
04|佐原雑煮/千葉・佐原
05|成田雑煮/千葉・成田
06|波場雑煮/千葉・九十九里
07|関東雑煮/埼玉・北足立〜茨城の一部、東京・多摩〜西東京
08|長野雑煮/長野・長野
09|高遠雑煮/長野・高遠

 


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近畿・東海のお雑煮

01|京町方雑煮/京都・洛中洛外
02|京丹後雑煮/京都・京丹後
03|近江雑煮/滋賀・近江八幡
04|黄粉雑煮/奈良・香芝
05|穴子雑煮/兵庫・姫路
06|尾張雑/愛知・名古屋

 


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四国・中国地方のお雑煮

01|小豆島雑煮/香川・小豆島
02|高松雑煮/香川・高松
03|うちちがえ雑煮/徳島・東祖谷山
04|鮎雑煮/愛媛・大洲
05|藻貝雑煮/岡山・備前〜備中
06|出雲雑煮/島根・出雲大曲
07|おっぷり雑煮/広島・高野
08|小豆雑煮/島根・松江
09|黒豆雑煮/島根・石見

 


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九州のお雑煮

01|鰤雑煮/福岡・宗像
02|熊本雑煮/熊本・熊本
03|高菜雑煮/熊本・阿蘇
04|津奈木雑煮/熊本・津奈木
05|薩摩雑煮/鹿児島(薩摩藩家臣)
06|塩豚雑煮/鹿児島・大隅半島

 


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supervision & cooking:Sakafumi Matsumoto cooperation:Foundation for Japanese Food Culture Forum text:Yukie Mashumoto photo:Kenji Itano
Discover Japan 2018年1月号「ニッポンの酒最前線」

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