クリエイティブディレクター・アーティスト
《戸村亜紀》
香りの力で心身と生活を整える
|香りのある暮らしのすすめ
お香や精油など、取り入れ方は無限大の“香り”。そんな香りをうまく暮らしに取り入れている5人に、香りとの上手なつき合い方を教えていただいた。今回は、クリエイティブディレクター・アーティストの戸村亜紀さんの暮らしへの取り入れ方をご紹介!
クリエイティブディレクター・アーティスト
戸村亜紀(とむら あき)
墨絵作家として国内外で活動した後、アートからデザインに転向。2004年に環境とデザインを結び付ける会社を設立し、プロジェクト全体の企画と統括を担当。以降は、循環型事業開発を専門にしている。2025年から作家活動を再開。
「香りの力で心身と生活を整えています」

クリエイティブディレクター、そしてアーティストとして、環境問題にも従事する戸村亜紀さん。香りを楽しむときは、ノンケミカルなものを選んでいるという。
「化学系の香りだと、体調が悪くなってしまうこともあって。レモングラスやローズマリーなどは、自分の畑で育てています。レモングラスはしめ縄のように縛り、車のシートの下に入れておくと、車の中に少しいい香りが漂うんです。数日すると乾燥するので、それは着火剤として再利用しています」

価格|1万1000円 内容量|10g
天然の素材を利用した香りのアイテムは、仕事を通して出合ったものも。「FOLKHOOD NIPPON サフラン」は日本では珍しい国産の「サフラン」を香水瓶にパッケージしている。九州のサフラン農家が有機栽培しているサフランが、カットされず一本そのまま入っていることが特徴。
「ぬるま湯に入れて色を出してサフランライスにしたり、紅茶に一本入れたりするのがおすすめです。女性ホルモンへの作用も期待できます。生産量が限られていて、手に入りづらい商品ですが、『香りが全然違う!』と知り合いのスペイン人のシェフも愛用しています」

価格|1600円 内容量|約40本
石川県で開催された自然栽培のイベントで出合った「植物△線香 LO-1 CLEAR」も愛用中。農業と福祉の連携で社会課題を解決するハーブ農園「ペザン(PAYSAN)」の自然栽培ハーブと、石川県の「月月」がプロデュースする「植物△線香」がコラボレーションしたアイテム。
「お香は、台所で食事をつくった後の匂いを抑えたり、トイレに置いたりしています。演出的な要素で取り入れるというよりは、殺菌やリラックスなど、作用で選ぶことが多いです」

価格|2万1780円
戸村さんは、香りだけでなく、香りを楽しむための道具にもこだわりが。「アロマディフューザー、あんどん、ティーウォーマーにもなる『入相灯』は、コンサルティングをしている宿『汀渚 ばさら邸』の周年記念でつくったアイテム。周年のテーマが“光”だったこと、能登の震災などもあり、防災にも活用できるものにしたかったんです」
「置く、壁に掛ける、持つ」と3wayで使用できるこのアイテムは、家の中でも外でも、場所を問わない代物。インテリアとしてディスプレイしたくなるデザインも、魅力のひとつだ。

Special Black Box Relax 6枚入
価格|3300円 内容量|6枚入り
ギフトにおすすめと教えていただいたのは、「HA KO Special Black Box Relax」。お香の発祥の地として知られる兵庫県淡路市で製造されている、葉っぱのかたちをした紙のお香だ。
「白色もありますが、性別関係なく渡しやすい黒色を選んでいます。焚くだけでなく、プレートの上に置いて香りを楽しむこともできますよね」
国内外への移動も多く、環境によって多種多様な香りのアイテムを使う戸村さんにとって、香りは状況に合わせて使い分け、生活を整える存在。
「帰宅したときは抗菌作用のあるユーカリの精油を、寝る前はその日の気分に合った香りのやピロースプレーを使ってリラックス……。作用を意識して選ぶことで、心身を整えています」
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text: Discover Japan
2025年5月号「世界を魅了するニッポンの香り」



































