陶芸作家《増渕篤宥》
ほのかな香りで心と空気感を落ち着かせる
|香りのある暮らしのすすめ
お香や精油など、取り入れ方は無限大の“香り”。そんな香りをうまく暮らしに取り入れている5人に、香りとの上手なつき合い方を教えていただいた。今回は、陶芸作家の増渕篤宥さんの暮らしへの取り入れ方をご紹介!
増渕篤宥(ますぶち とくひろ)
1970年、茨城県笠間市生まれ。愛知県立瀬戸窯業高等技術専門校卒業後、愛知県、茨城県、宮崎県の窯元で陶磁器を製造。2005年に独立し、’10年から宮崎県小林市にて作陶。
「ほのかな香りで心と空気感を落ち着かせています」

手彫りによる繊細な模様が美しいうつわをつくる増渕篤宥さん。増渕さんの香りとの出合いは、20年ほど前、独立して間もない頃だった。
「東京の青山でグループ展を開催したのですが、お客さまが全然来なくて。暇で仕方がなかったとき、ギャラリーの2軒先にオープンしたお香店に足を運びました。何度か顔を出し、そのときにお香や香道について教えてもらいました」

白檀や沈香、伽羅まで、さまざまな香りを試していくうちに、香りに対する意識に変化が生まれたという。
「頭がスッと、軽くもち上げられるような感じがして、お香の香りでこんな感覚になるんだと、衝撃的な体験でした。いままではお香や香道はハードルの高いものだと感じていましたが、もっとカジュアルに愉しめるものなのだと実感しました。この経験がきっかけで、『香炉』もつくるようになりました」

印香 姫の香
価格|3080円 内容量|4種×5g
いまでは、自宅でもお香を楽しんでいるという増渕さん。少し焚くのに手間がかかる「印香※」を愛用する。
「準備に時間はかかりますが、気持ちも落ち着きます。創作時のアイデアの取捨選択の手助けにもなっています」
※粉末状にした香料を練り固めたお香

芳輪 京五彩
価格|1650円 内容量|5種×4本、簡易香立付
普段は「印香 姫の香」を愛用中。急な来客時には気軽に焚ける線香タイプの「芳輪 京五彩」を使用。自然の香りを消してしまわない、ほのかな香りが楽しめる点もお香の魅力のひとつ。
「忙しない日々を過ごす方にこそ、気分を落ち着けるひとつの方法として取り入れてみてほしいですね」
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text: Discover Japan
2025年5月号「世界を魅了するニッポンの香り」



































