《南魚沼 ryugon》
スローな時間が流れる雪国の暮らしを体験
![《南魚沼 ryugon》<br><small>スローな時間が流れる雪国の暮らしを体験</small>](https://discoverjapan-web.com/wp-content/uploads/2022/05/DNP-B_043.jpg)
日本有数の豪雪地帯・南魚沼には、雪国ならではの歴史や文化が息づいている。それらを暮らすように体験できる宿が「ryugon」だ。建築や温泉など、幅広い実体験を通して、その豊かさに触れられる。
老舗旅館の歴史を継ぎ
雪国文化を伝える宿
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見渡す限りの田んぼの向こうには、八海山や越後駒ヶ岳などの荘厳な山々。コシヒカリの発祥地らしい田園風景が広がる南魚沼で半世紀の歴史を誇る「温泉御宿 龍言」が、2019年に「ryugon」として生まれ変わった。リニューアルで重視したのは“日本一の豪雪地帯の歴史や風土”。直江兼続ゆかりの山城跡が残る坂戸山麓の1500坪の敷地に、約200年前の庄屋や豪農の館を移築した古民家が連なり、多くの著名人に愛された「龍言」。その歴史的価値を受け継ぎつつ、周囲の自然とのつながりを感じられる開放的な空間に改修された。
国の登録有形文化財でもある母屋には共用スペースが充実しているのもおもしろい。白い囲炉裏を囲んで、お菓子やドリンクが楽しめるスペースに加え、雪が積もったかまくらをイメージしてつくられた、オリジナルの大きなソファ、天気のよい日には坂戸山や庭園を眺めて寛げるガーデンラウンジ、地酒や自家製果実酒が味わえるバーなど、「雪国の暮らし」をさまざまな空間と過ごし方で感じられるようになっている。
知的好奇心をくすぐる暮らすような滞在
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「ryugon」の独自の魅力となっているのが、この宿を通して感じる土地の文化だ。共用スペースやVilla Suiteでは、国の史跡名勝天然記念物である坂戸山や庭園との一体感が心地よく、Classicの客室では雪の重さに耐えられる太い梁や手仕事の建具も趣深い。食事は、この地で食べ継がれてきた食材や郷土料理をベースにした「雪国ガストロノミー」。山菜やきのこなど山の恵みに、日本海の鮮魚、旅館時代からの名物料理「立て焼き(囲炉裏の炭焼き)」。何よりの自慢は、魚沼産コシヒカリで最も評価の高い塩沢地区の一等米だ。清らかな水を使ってかまど炊きしたツヤツヤの米は、噛むほどに甘みと旨みが広がる感動の味わいだ。
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そして特筆すべきは多彩な滞在プログラム。人気の「土間クッキング」は、料理名人の地元のお母さん・関アツ子さんが講師。土間のかまどでご飯を炊き、汁物をつくるという貴重な経験ができる上、関さんの話と手づくりの山菜料理に元気までもらえる。ほかにも、自転車で田園地帯を走る「田んぼポタリング」や、近隣の山へガイドと入る「山菜採り・きのこ狩り」、地元の六日町商店街を歩く「まちぶら散歩」など、約12種のプログラムを用意。「大地の芸術祭」期間中には、宿発着のプライベートツアーもあり、希望によってオフィシャルガイドを付けることも。「芸術祭の20年間で、アートを通じて集落が元気になる様子を実感し、地元民も心待ちにするイベントです」と支配人の小野塚敏之さん。アートはもちろん、この土地の魅力まで味わい尽くせる唯一無二の宿だ。
雪国の景色、暮らしがデザインに馴染む
ふたつの特別な客室
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庄屋建築をはじめ県内から移築した古民家の佇まいが感じられる。露天風呂付き、広縁付きなど、全21室にシモンズのマットレスを採用
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歴史、文化に触れられる、
ryugonならではの過ごし方に注目!
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プログラムのひとつ「土間クッキング」(1人3850円。2名以上で3日前までに要予約)では、地元の料理名人・関さんと一緒にかまどご飯、汁物を調理するところから、味わうところまで体験できる
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ラウンジのバーではぜひ自家製果実酒を。梅やユズなどの果物から、杉の新芽やマタタビ、ふきのとうなど山の恵みまで約15種が揃う
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雪国伝統の「中門造」の母屋は国の登録有形文化財。幅45㎝ものケヤキの梁が風格満点。地元の寺・雲洞庵の石龍禅師の書も趣深い
ryugon
住所|新潟県南魚沼市坂戸1-6
Tel|025-772-3470
客室数|Villa Suite8室、Classic(和室)21室
料金|1泊2食付2万9975円〜(Villa Suite)、
2万900円〜(Classic)(ともに税・サ込)
カード|AMEX、Master、VISAなど
IN|15:00
OUT|12:00
夕食|和食(ダイニング)
朝食|和食(ダイニング)
アクセス|電車/JR北越急行六日町駅から車で約4分(JR越後湯沢駅前「HATAGO井仙」より送迎あり)
車/関越自動車道塩沢石打ICから約12分、六日町ICから約8分
施設|ラウンジ、バー、ダイニング、ショップ、大浴場
Wi-Fi|あり
text: Miyo Yoshinaga photo: Yuko Chiba
Discover Japan 2022年6月号「アートでめぐる里山。/新潟・越後妻有”大地の芸術祭”をまるごと楽しむ!」