長野県松本市
開運堂の「これはうまい」
《福田里香の民芸お菓子巡礼》
民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は、約100年前の大正時代に創作され、「これは旨い!」と大評判からそのまま菓名になった、開運堂のくるみ饅頭「これはうまい」を紹介。昔も今もこれからも、“これは旨い!”と言われる逸品です。
福田里香(ふくだ・りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。12年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中
まず、今年100歳を迎えられた、柚木沙弥郎さんのご長寿を心よりお祝い申し上げます。画業74年、型染め染織家として、民藝運動に深くかかわりつつ、独自の世界観を模索し続けた創作活動は、若い世代の間でも絶大な人気を誇っています。
昨年、東京で開催された「柚木沙弥郎 life・LIFE」は、大好評につき巡回が決定しました。11月11日から、京都駅ビル内の美術館「えき」KYOTOで開催です。ぜひ今年の秋のスケジュールに入れてください。
開運堂の「これはうまい」は、約100年前の大正時代に創作されたくるみ饅頭です。北海道十勝産の特選小豆を、地下200mからくみ上げたアルプスの伏流水で炊き上げた粒あん。それを長野県産小麦の生地で包み、くるみをのせて、こんがり焼き上げています。召し上がったお客さまから「コレは旨い!」と評判を取り、それがそのまま菓名になったという伝説の名菓。当時の驚きをそのまま絵にしたパッケージは、もちろん柚木さんの作。「これはかわいい」と叫びたくなる愛らしさ。
開運堂
住所|長野県松本市中央 2-2-15
Tel|0263-32-0506
営業時間|9:00 〜 18:00
定休日|なし
www.kaiundo.co.jp
書籍「民芸お菓子」
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