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茨城県大子町「シェアオフィス daigo front」
町を知り地域の人々とつながる場所

2022.3.16
<small>茨城県大子町「シェアオフィス daigo front」</small><br>町を知り地域の人々とつながる場所

近年企業向けだけでなく、個人でもゲストハウス感覚で利用できるシェアオフィスが急増している。茨城県大子町にある「シェアオフィス daigo front(ダイゴフロント)」は、新たな働き方を提案するべくまちづくりNPO法人「まちの研究室」により運営されている。アトリエのような出で立ちの個性的なシェアオフィスを紹介しよう。

豊かな森林資源を活かした
サステナブルなシェアオフィス

昭和レトロな雰囲気が残る茨城県大子町の常陸大子駅前商店街。その中にある元写真店の建物を、建築家の山﨑健太郎氏設計のもと、地元の木材端材を活かした空間にリノベーションして生まれたのが「シェアオフィス daigo front」だ。

茨城県北地域の6市町を拠点に新たな働き方に挑戦する「茨城県北クリエイティブ プロジェクト」の一環として、県と大子町が連携して整備した同施設。誕生の背景には、町にクリエイティブ企業を誘致し、地域を活性化させたいというねらいがあった。そこで、豊かな森林資源を活かして、商店街全体に賑わいをもたらそうとシェアオフィスの整備が決まり、選ばれたのは2階建ての元写真店。山﨑氏が提案した地元の木材資源を活かした空間にリノベーションする設計案が採用され、古い外観は敢えてそのままに、内部は温かみのある木材端材を使いながら、サステナブルかつモダンな空間が広がる洗練されたシェアオフィスが2017年に完成した。

2階のシェアオフィススペースでは、ワークスペースとして固定席でのテレワークはもちろん、ふらりと立ち寄るドロップインの利用も可能。また1階のオープンスペースは、町の観光地や特産品、豊かな自然を堪能しながらのワーケーションや企業研修、オフサイトミーティングなど、多様な活用が可能となっている。

1階中央に設置された木製の特徴的な本棚には、大子町が掲げる「読書のまち」にちなみ、訪れた人のクリエイティブな感性を刺激する本が並ぶ。選書はブックディレクター・幅允孝氏が担当している。

また施設内に事務所を置き管理運営をする、まちづくりNPO法人「まちの研究室」が、地域で活躍する人材との交流を通じた、新たな発想や手法による大子町発の起業を積極的に応援。

施設周辺には、昭和レトロな個人商店やカフェ・飲食店、雑貨店などが数多くあり、ちょっとそこまで事務用品を購入したり食事に出掛けるだけでも、タイムスリップしたかのような非日常が味わえる。ほど近い場所には、文化施設や近代の歴史的建造物が並び、久慈川沿いの自然遊歩道などの散策に出掛ければ気分転換にもなりそうだ。

写真店の面影を残すレトロな外観。周辺には商店や飲食店が多数
内装は大子町が有する県産材の端材を活用
移動式のベンチで仕事や交流ができる1階フリースペース
1階にはシェアキッチンも備える。イベント会場として使用するなど、さまざまな活用方法ができそうだ(3時間2000円~)
床・ベンチ・スツールは、町内県立高校の生徒や地域住民が協力して制作
1階中央には個性的なかたちの本棚が。並んでいる本の選書・配置は幅允孝氏が担当

地域と働く人々がつながる拠点である「daigo front」。この場所からどんなひらめきが生まれていくのか楽しみだ。

シェアオフィス daigo front
住所|茨城県久慈郡大子町大字大子988
Tel|0295-76-8025
時間|10:00~18:00
定休日|土・日曜、祝日(夏季休業あり、年末年始も休業)
料金|ドロップイン1日500円
利用可能人数|1~30人 ※コロナ期間中は人数制限あり
ワークスペースの座席数|固定席3席(会員専用)、フリーデスク20席
食事|持ち込み可
設備| Wi-Fi、プリンター、本棚ほか
https://www.facebook.com/daigofront/

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