いま長野のワイナリーが熱い!
千曲川 ワインツーリズム【後編】
日本ワインはいま、猛烈な勢いで進化している。ワイン通が日本ワインは質的に取るに足らないとしたのは過去のこと。その進化の中心地のひとつが、長野県の小諸から東御、さらに長野市に至る千曲川流域の「千曲川ワインバレー」だ。ワインジャーナリストの石井もと子さんと、いま熱いこのエリアを訪ねます。
千曲川ワインバレーを巡る
1泊2日のおすすめルート例
<2日目>
10:00 「ジオヒルズワイナリー」
↓
12:30 「リュードヴァン」でランチ
↓
15:30 「カーヴハタノ」
ジオヒルズワイナリー
日本とベトナムをつなぐ
丘の上の絶景ワイナリー
小諸で温泉旅館「中棚荘」を営む富岡家が2018年に創業したワイナリー。醸造責任者はベトナムでボランティアとして日本語教師をしていた三男の隼人さん。「ジオ」はベトナム語で風の意味。御牧ヶ原で育まれたワインが台地を吹く風に乗り、多くの人に届くようにとの願いが込められている。故郷の小諸でこの地の個性をもつワインを造れたら、いつかもうひとつの故郷ベトナムでもワインを造りたいと夢を語る隼人さんは、千曲川ワインアカデミーで学び、いまも猛勉強中。ワイナリーにはカフェも併設され、ベトナム料理とワインが楽しめる。
住所|長野県小諸市山浦富士見平5656
Tel|0267-48-6422
営業時間|10:00〜16:00
(ランチは土・日曜、祝日の11:30〜14:00のみ)
定休日|不定休
リュードヴァン
ワインのある豊かさを提案、進化を続ける
新緑の香り豊かなソーヴィニヨン・ブランをつくり、醸造家として頭角を現した小山英明さん。リュードヴァンで小山さんが造るワインはどれも香りが艶やかでふくよかな味わい。昨年、ワインと食のマリアージュをゆっくり楽しんでほしいと2部屋だけの宿泊施設をオープン、これで小山ワールドは完成かと思いきや、「次のステップのはじまり」と小山さん、谷を隔てた祢津御堂の5.2haの畑に昨年から苗を植えはじめ、この畑からはよりリーズナブルな価格で、リュードヴァン品質のワインを消費者に届けたいそう。数年先の楽しみが増えた。
住所|長野県東御市祢津405
Tel|0268-71-5973
営業時間|軽食10:00〜11:00、14:00〜16:30、
ランチ11:00〜14:00、ディナー18:00〜(要予約)、
ショップ・テイスティング10:00〜17:00
定休日|レストランは不定休、
ショップは年末年始以外営業
https://ruedevin.jp
オーナーの自宅に
招かれたかのような滞在ができる
宿泊は1日2組限定。夕食はワイナリーのレストランでワインとともに堪能。宿に帰れば、小山さんが食後酒をサービスしてくれることも。
シャンブルドット
宿泊については、メールで問い合わせを(hotel@ruedevin.jp)
カーヴハタノ
長野のブドウに魅せられた
栽培醸造家のワイナリー
波田野信孝さんの造るシャルドネは、冷涼な鞍掛のテロワールを反映した伸びやかな酸をもちながら背骨がすーっと通ったエレガントなワイン。最初は「ヴィラデストワイナリー」に料理人として就職を希望していたという波田野さんだが、ワイナリー部門に配属され、畑とワイナリーの双方で働くうちに、栽培醸造家の道を歩むことに。やがて東御市鞍掛の契約栽培畑を引退する農家から引き継ぎ、2017年にカーヴハタノを創業した。
住所|長野県東御市新張525-4
Tel|080-6936-9646
営業時間|5〜9月12:00〜17:00
(Facebookまたは電話で確認)
定休日|月〜金曜
text: Motoko Ishii photo: Yoshihito Ozawa
Discover Japan 2022年1月号「酒旅と冬旅へ。」