いま長野のワイナリーが熱い!
千曲川 ワインツーリズム【中編】
日本ワインはいま、猛烈な勢いで進化している。ワイン通が日本ワインは質的に取るに足らないとしたのは過去のこと。その進化の中心地のひとつが、長野県の小諸から東御、さらに長野市に至る千曲川流域の「千曲川ワインバレー」だ。ワインジャーナリストの石井もと子さんと、いま熱いこのエリアを訪ねます。
千曲川ワインバレーを巡る
1泊2日のおすすめルート例
<1日目>
10:00 「テールドシエル」
↓
12:30 「坂城葡萄酒醸造」でランチ
↓
16:00 「中棚荘」に宿泊
テールドシエル
手間暇を惜しまない身体に染み入る
自然な味わいのワイン
高い標高にあり、何千本ものブドウの幼木に藁を巻き冬の寒さから守り育てている。醸造はできるだけ自然にと、白品種はバスケットプレスで丸1日から2日かけて搾汁、野生酵母で発酵、熟成させ、亜硫酸は瓶詰め前に必要なければ添加しない。春先には圧倒的な香りを放つワインとなるが、やがて香りは落ち着き味わいが深まり、しっとりとした身体に染み渡るワインに変わる。これが醸造責任者の桒原一斗さんが造るテールドシエルのワインだ。
住所|長野県小諸市滋野甲4063-5
Tel|0267-41-6671
※見学は要予約
www.terredeciel.jp
坂城葡萄酒醸造
カリフォルニア仕込みの技で
女性醸造家が醸す
飲食店を経営し、ソムリエとして長野ワインにかかわってきた成澤篤人さんが故郷に起こした「坂城葡萄酒醸造」では、カリフォルニアで長らくワイン造りに携わっていたハワード 三竹 かおりさんが手腕を振るう。「規模はカリフォルニア当時からすると比較にならないほど小さく、それゆえに一つひとつに注意を向けられます。最上のブドウに加え、ここでは生食用ブドウも仕込みますが、それもどんなワインに仕上げようかと楽しみです」とハワードさん。子育てのように慈しんでいる坂城でのワイン造り。それがワインのいきいきとした味に表れている。
住所|長野県埴科郡坂城町坂城2586-47
Tel|0268-82-2208
営業時間(レストラン)|12:00〜15:00(L.O.14:00)、17:00〜21:00(L.O.20:00)
定休日|不定休
https://sakaki.wine/
「Vino Della Gatta SAKAKI」ではシニアソムリエの資格ももつシェフが県産食材を使い、マリアージュを考慮した本格派イタリアンを提供。ランチ(3300円〜・6600円)、ディナー(5800円・8800円・1万2000円)ともにコースで提供。グラスワインは440円から。
島崎藤村も愛した、心安らぐ温泉宿
島崎藤村も愛した美肌の湯を堪能できる宿。10〜5月に愉しめるリンゴを浮かべた風呂が名物。人気の客室「大正館」では大正ロマンの風情が愉しめる。
中棚荘
住所|長野県小諸市古城中棚乙1210
Tel|0267-22-1511
料金|1泊2食付1万4300円〜、
1泊朝食付8800円〜(サ・税込)
text: Motoko Ishii photo: Yoshihito Ozawa
Discover Japan 2022年1月号「酒旅と冬旅へ。」