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広島県・黒瀬町《金光酒造》
フレッシュな酒質にこだわり、
長い歴史と革新的な挑戦を続ける酒蔵。

2021.12.28
広島県・黒瀬町《金光酒造》<br><small>フレッシュな酒質にこだわり、<br>長い歴史と革新的な挑戦を続ける酒蔵。</small>

広島県といえば日本の三代銘醸地であり、吟醸酒発祥の地。そのなかで自ら杜氏として吟醸酒造りに取り組むのが、広島県東広島市黒瀬町で明治13年(1880年)創業の「金光酒造」だ。代表銘柄の『桜吹雪」をはじめ、数々の賞を受賞した『賀茂金秀』など、地元素材にこだわりながら、まだまだ進化し続ける「金光酒造」の魅力とは・・・・・・・。

酒造りに適した気候をもつ「東広島市」

広島県中央南部に位置する東広島市は、低い山々に囲まれ、瀬戸内海沿岸から中山間部にかけて標高差が大きく、県で最も広い盆地である西条盆地を中心に、点在する小盆地で構成されている。

瀬戸内海式気候であるが内陸部に位置する盆地であるため、夜と昼、冬と夏で寒暖の差が大きい。北部と南部では標高差があることから、冬季の気温・積雪量に差はありながら、全体的には比較的温和な気候で、瀬戸内海に面する地域は四季を通じて寒暖差が少ない。

また穀倉地帯で、古くから豊かな水と肥沃な土壌に恵まれ、酒造りが行われてきた。

金光酒造は、広島県東広島市を代表する酒蔵のひとつ。県内でも酒造りが盛んなまちとして知られ、兵庫県の灘、京都府の伏見と並んで“日本三大銘醸地”だ。

明治13年(1880年)創業。東広島市内でも西条地区から少し離れた農業が盛んな黒瀬町に蔵を構え、「桜吹雪」を代表銘柄とし、普通酒を中心とした酒造りを続けてきた。2003年には、5代目当主の金光秀起さんが手造りで個性ある酒に立ち戻すため、自動設備の使用をやめ、社員蔵人による製造を再び開始し、地元の「賀茂」地区と自らの名前の「金」と「秀」を取って名付けた、新銘柄「賀茂金秀」を立ち上げた。今ではその確かな品質が高く評価され、広島県を中心に色々な酒米が醸されている。

また、2020年には蔵の大部分が登録有形文化財として正式登録されるなど、東広島市を代表する歴史ある酒蔵なのだ。

五代目蔵元
金光秀起(かねみつ・ひでき)
杜氏歴17年。広島杜氏組合名誉賞受賞(3年連続上位10位以内)。東京農業大学卒業後、実家に戻り、普通酒主体だった蔵を品質重視の少量生産の蔵に変えるべく、独学で酒造りを勉強し、現在に至る。

広島県産米へのこだわり

洗米、浸漬、仕込み、割水には敷地内にある井戸水を使用。鉄分の少ない非常に澄んだ水のためミネラル感と余韻があり、造られたお酒にも水の特徴が残る。

雄町の稲穂

金光酒造は 100%国産米と、麹米にはすべて酒造好適米を使用している。お米は広島県産米が80%を占めている。なかでも味のバランスが良く、きれいな酒ができる広島県を代表する酒米「八反錦」を多くの商品に使用。

大吟醸や純米大吟醸には、山田錦と広島の中生新千本とをかけ合わせた広島県オリジナルの酒米「千本錦」を使用し、華やかで上品な甘みが印象的なお酒に仕上げている。

残りの20%は岡山県産米、兵庫県産米を使用。岡山県産米は、「雄町」のトップブランドである「赤磐雄町」(赤磐産)を麹米に使用することで、お酒に程よい味わいの広がりを持たせる。

兵庫県産米は、県内の産地の中でも東条(特A地区)の高品質な「山田錦」を使用したプレミアムな純米大吟醸、また希少な酒米である「愛山」を使用した純米吟醸など、酒米の特性を理解しその特徴を最大限活かしたお酒を醸している。

また金光酒造は、雄町で自家栽培も行っている。圃場が限られているなか、土の改良、無農薬、収穫量より品質を重視した苗の植え方等を工夫しながら、畑の規模を拡大していくそうだ。

「新鮮な果実様の香り、そして味わいのみずみずしさ」を味わいのコンセプトに掲げ、製造から貯蔵まで低温で管理する設備を完備し、搾りたての美味しさを届けている。

高品質の酒米を使用したバランスの良いプレミア酒
「賀茂金秀 純米大吟醸35」

搾ってから約半年間低温で熟成させ、香り豊かで程よく丸みを帯びた繊細な味わい。山田錦の特徴がよく表れた至極のお酒。冷やしてワイングラスなどで飲むのがおすすめ。

価格|720㎖ 6600円、1.8ℓ 1万1000円
原材料名|米(国産)、米こうじ(国産米)
使用米|兵庫県東条産山田錦
精米歩合|35%
アルコール分|16度

華やかな香りと上品な甘みが特徴の
「桜吹雪 大吟醸」

各品評会で金賞、優等賞を獲得。広島県産の千本錦を使用し、特徴あるかわいらしい甘みと膨らみは、ほかのお米と一線を画する。

価格|720㎖ 2915円、1.8ℓ 5500円
原材料名|米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造用アルコール
使用米|千本錦
精米歩合|40%
アルコール分|17度

蔵人である下川健二が、米の栽培から
お酒の仕込みまで責任を持って手掛けた渾身の一本
「SUITOH(すいとう)」

香りは穏やかにわずかに柑橘系を思わす爽やかな香りと雄町米によるふくらみと甘み苦み酸味がバランスよく古代米のお酒の特徴が表現されている。まずは冷やして、お燗にしてもよし。

価格|720㎖ 1760円、1.8ℓ 3300円
原材料名|米(国産)、米こうじ(国産米)
使用米|蔵人下川栽培 雄町
精米歩合|60%
アルコール分|16度

心に残るおいしいを求めて、有機的なラインで、長い歴史と革新的な挑戦を続ける金光酒造の日本酒を味わってみてはいかが。

金光酒造
住所|広島県東広島市黒瀬町乃美尾1364-2
Tel|0823-82-2006
https://www.kamokin.com/

 

モダンで洗練されたデザインに生まれ変わった
「金光酒造 蔵元直売所」

 

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