FOOD

多彩な味わいを魅せる「ワイン」
自宅でも旅気分が味わえる!
いま飲むべき、風土を醸す酒

2022.2.3
多彩な味わいを魅せる「ワイン」<br><small>自宅でも旅気分が味わえる!<br>いま飲むべき、風土を醸す酒</small>

風土を生かした酒を味わうと、その土地の風景や造り手の顔が浮かんできます。今回は、全国各地の酒を知り尽くしたスペシャリスト、石井もと子さんに、いま飲むべき日本の酒を厳選してもらいました。本記事では、定番から旬のもの、また、これからの動向に注目が高まる期待のワインをご紹介します。

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石井 もと子(いしい・もとこ)
ワインジャーナリスト。輸入商社でワインのプロモーションに携わった後、米国でブドウ栽培・ワイン醸造を学ぶ。帰国後、「ベイシス」を設立。日本ワイナリー協会顧問も務める

品種も産地も造り手も!
日本ワインは多種多彩

日本ワインの歴史は1870(明治3)年、日本固有品種の甲州を使い、山梨県甲府の山田と詫間憲久(たくま・のりひさ)がワインを造ったことにはじまる。’77(明治10)年には、日本初の民間ワイン醸造所、大日本山梨葡萄酒会社(シャトー・メルシャンの前身)が誕生。以来、国内の醸造家は、日本の風土に適したワイン用品種の開発や栽培方法の研究を重ねながら、ワインを造ってきた。とはいえ、気候的にワイン用品種の栽培が難しく、当時の食生活とワインが馴染まなかったこともあり、かつての日本ワインの大半は、土産用の甘味果実酒の原料として造られていた。

「それが1980年代になって、造り手の意識が変わってきました。海外留学が容易になったこともあり、欧米のワイン先進国で学んだ人たちがワイン用品種の栽培と醸造に本格的に取り組みはじめたんです。さらに2000年代に入ると、自信をつけた醸造家たちが自分のワインをプロモーションするようなりました」とワインジャーナリストの石井もと子さんは話す。

その時代、ワインに親しむ人が増えていたことと相まって、日本ワインは愛好家に次第に受け入れられるようになり、専門家もその実力を認めるようになった。

「いまでは、3000円台のシャルドネやメルローには、海外の著名産地に引けを取らないものも多く、権威あるワインコンペで受賞するワインも増えています」

人気の高まりに呼応するように、国内のワイナリー数も年々増加。’20年1月1日時点で369のワイナリーがある(国税庁「酒類製造業及び酒類卸売業の概況」(令和2年度調査分)より)。

「後継者問題などで土地を手放す人が多くなり、畑を入手しやすくなったことが理由のひとつ。また、栽培農家やワイナリーへの補助金を用意するなど、日本ワインに力を入れる自治体も増えています」
 
栽培農家や醸造家の情熱と技術によって、多彩な品種が各地で栽培されるようになった上、畑が入手しやすくなったことで、若手醸造家が自身のワイナリーを立ち上げたり、ワイン好きが高じて、異業種から醸造家に転身したりと、造り手の個性もさまざま。

「その結果、日本ワインはいま、実に多様性に富んでいます。品種、産地、造り手はもちろん、飲み手もそう。そして造り手と飲み手とのつながりがさらなる多様性を生み出します。ワイン好きにとって、日本の醸造家は、アイドルなのに身近という夢のような存在。ワインツーリズムやワインフェスティバルで産地を訪れる人だけでなく、苗植えや収穫などに、ボランティアとしてワイナリーにかかわる人も増えています」
 
産地でワインを味わえる上、その造り手に会って語り合える。つまりワインが生まれた風土から造り手の想いまで、丸ごとを体感できる。これこそ日本ワインの醍醐味といえるだろう。

まず押さえたい定番ワイン

日本の各ワイン産地を代表する実力派ワイナリーのワインの中でも比較的手に入れやすく、各ワイナリーの特徴をよく表すワインからまずは飲んでおきたい。

チャーミングなアロマと豊かな果実味が秀逸
「北ワイン ピノ・ノワール2019」/千歳ワイナリー・北海道

1988(昭和63)年、北海道の特産果実・ハスカップのワイン造りを依頼された山梨県・勝沼の中央葡萄酒が千歳市に開業。現在もハスカップワインを造るが、メインは余市町の篤農家・木村農園と専属契約を結んだ区画から造るピノ・ノワールとケルナー。「まだ品種特徴を味わえる日本産のピノ・ノワールは少ないが千歳ワイナリーは例外。いいベリー類の風味を味わえます」

Data
価格|3960円(750mℓ)
原料ブドウ|ピノ・ノワール(北海道余市町登町産)
アルコール度数|12度
問い合わせ|千歳ワイナリー
電話番号|0123-27-2460
www.chitose-winery.jp

醤油やみりんを使った和食によく合う軽やかさ
「タケダワイナリー ルージュ 2020」/タケダワイナリー・山形県

1920(大正9)年開業。ほかのワイナリーに先駆けてワイン専用品種の垣根栽培に取り組み成功したパイオニア。県産ブドウ100%で造る「タケダワイナリー」シリーズのうち、ルージュはマスカット・ベーリーAで造る軽やかな赤ワイン。「しっかりとした酸、きれいなフルーツ香で、食事に合わせやすい。特にすきやきなど、醤油を使った肉料理とよく合います」

Data
価格|1760円(750mℓ)※ワイナリー直売価格
原料ブドウ|マスカット・ベーリーA(山形県産)
アルコール度数|10度
問い合わせ|タケダワイナリー
電話番号|023-672-0040
www.takeda-wine.co.jp

シャンパーニュ製法で造る気品あるスパークリング
「北ののぼ 2015」/ココ・ファーム・ワイナリー・栃木県

1958(昭和33)年、当時の特殊学級の子どもたちと担任の川田昇さんが開いたブドウ畑にはじまるワイナリー。現在も知的障がい者支援施設「こころみ学園」の園生が農作業、醸造作業を行う。ブルース・ガットラヴさん(10Rワイナリー)が北海道で醸造した原酒を40カ月以上熟成させ、ルミアージュ(動瓶)した「北ののぼ」は「細やかな泡立ちと上品なコクが魅力」

Data
価格|5800円(750mℓ)
原料ブドウ|ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエ(北海道余市町登町産)
アルコール度数|11.5度
問い合わせ|ココ・ファーム・ワイナリー
電話番号|0284-42-1194
https://cocowine.com

可憐な趣をまとったしなやかな赤ワイン
「深雪花」/岩の原葡萄園・新潟県

日本初の醸造用品種、マスカット・ベーリーAをはじめとする22品種を生み出し、“日本のワインぶどうの父”と呼ばれる川上善兵衛が1890(明治23)年に開いたブドウ園にはじまるワイナリー。酒質を可憐な雪椿にたとえた「深雪花」シリーズのうち、マスカット・ベーリーAで造る赤は、「食事にそっと寄り添うしなやかさが特徴。雪国の美女のイメージです」

Data
価格|2219円(720mℓ)
原料ブドウ|マスカット・ベーリーA
アルコール度数|12度
問い合わせ|岩の原葡萄園
電話番号|025-528-4002
www.iwanohara.sgn.ne.jp

果実味に香ばしさを秘めたみずみずしい味わい
「キザンワイン 白」/機山洋酒工業・山梨県

甲府盆地北東の甲州市塩山にあるワイナリー。自社畑のブドウを中心に、東山梨地区産のブドウのみを使う。甲州100%で造る「キザンワイン白」は、フレッシュな酸味と爽やかな果実味に加え、香ばしいフレーバーがあり、さまざまな料理に合わせやすい。「味わいがまとまっていて、後味はすっきり。価格が良心的でコストパフォーマンスが高いのもうれしいところ」

Data
価格|1362円(750mℓ)※ワイナリー直売価格
原料ブドウ|甲州
アルコール度数|11.5度
問い合わせ|機山洋酒工業
電話番号|0553-33-3024

甲州の紅紫色の果皮を映すグリ色と奥深い味わい
「シャトー・メルシャン 笛吹甲州グリ・ド・グリ 2020」シャトー・メルシャン/・山梨県

1877(明治10)年、日本初の民間ワイン会社として勝沼市に誕生した大日本山梨葡萄酒会社を源流とし、日本のワイン造りを牽引するワイナリー。「笛吹甲州グリ・ド・グリ」は、甲州を赤ワインと同じように果皮や種子ごと発酵させたもので、果皮由来のグリ色(淡い灰色)と、果皮や種子などから出るタンニンや複雑な味わいが特徴。「白としては重く、奥行きのある味わい」

Data
価格|2640円(750ml)
原料ブドウ|甲州(山梨県笛吹市笛吹地区産)
アルコール度数|11.5%
問い合わせ|シャトー・メルシャン
電話番号|0120-676-757
https://www.chateaumercian.com/

マスカット・ベーリーAの名手が生む
華やかな味わい
「シャンテY,A ロサード 2020」/ダイヤモンド酒造・山梨県

フランスでワイン醸造を学んだ雨宮吉男さんが手掛けるワイナリー。「主力品種にして、このワイナリーの名声を築いたのがマスカットー・ベーリーA。そのロゼは、発酵がはじまる前のつぶした赤ワイン用ブドウから果汁だけを取り出すセニエ法で醸したもの。キャンディのようなかわいらしさのあるフレッシュな辛口です」

Data
価格|1790円(750mℓ)
原料ブドウ|マスカット・ベーリーA
アルコール度数|12.5度
問い合わせ|ダイヤモンド酒造
電話番号|0553-44-0129

甲州の魅力を引き出した、ほのかな苦みと豊かな旨み
「アルガブランカ クラレーザ 2019」勝沼醸造/・山梨県

1937(昭和12)年創業、日本固有の品種である甲州伝来の地とされる甲州市勝沼地区で、甲州に特化してワインを造る。「甲州といえばココ。フラッグシップブランド『アルガブランカ』の中で最もスタンダードな『クラレーザ』は、甲州としては味が濃く、強いけれど、すっきり&しゃきっとしていて、メリハリのある味わいです」

Data
価格|2200円(750mmℓ)
原料ブドウ|甲州(山梨県産)
アルコール度数|10度
問い合わせ|勝沼醸造
電話番号|0553-44-0069
www.katsunuma-winery.com

樽のバニラ香が心地よい
ふくよかな味わい
「ルバイヤート マスカットベーリーA 樽貯蔵 バレルセレクト 2018」/丸藤葡萄酒工業・山梨県

1890(明治23)年創業。甲州のほかフランス・ボルドー地方原産のプティ・ヴェルドをいち早く栽培するなど、欧州系品種にも積極的に取り組む。韮崎市(にらさきし)穂坂地区のマスカット・ベーリーAを使う「ルバイヤートマスカットベーリーA樽貯蔵バレルセレクト」は、「樽の使い方が素晴らしく、樽由来の風味が秀逸です」

Data
価格|2970円(720mℓ)
原料ブドウ|マスカット・ベーリーA(山梨県産)
アルコール度数|12度
問い合わせ|丸藤葡萄酒工業
電話番号|0553-44-0043
www.rubaiyat.jp

樽熟せずに仕上げたフルーティな赤ワイン
「NACメルロー 2020」/井筒ワイン・長野県

塩尻市桔梗ヶ原(ききょうがはら)地区で1933(昭和8)年に創業。ワイン名にあるNAC(長野県原産地呼称管理制度認定品)は、厳しい審査を通過したワインだけに許される呼称。「井筒ワインは毎年認定を受けており、価格価値の高いワインとしても知られています。NACのうちメルローはフルーティで、食事に合わせやすい味わい」

Data
価格|1557円(720mℓ)
原料ブドウ|メルロー(長野県塩尻市産)
アルコール度数|12.5度
問い合わせ|井筒ワイン
電話番号|0263-52-0174
www.izutsuwine.co.jp

いま注目すべき最旬ワイン

開業以来、着実に評価を高めているワイナリーをはじめ、新しいことに取り組んでいる昔ながらのワイナリーなど、“変化”を感じさせるワイナリーが生み出す注目のワインはこちら。

冷涼な気候をほうふつさせる
エレガントなスパークリング
「LEGAMI Extra Dry 2019」/キャメルファームワイナリー・北海道

2014(平成26)年、三方を山に囲まれた余市町登地区に開業したワイナリー。イタリアのワイン醸造の歴史と最新技術を融合し、テロワールを最大限に生かすワイン造りに取り組んでいる。「LEGAMI Extra Dry」は、シャルマ製法で造るやや辛口のスパークリング。「酸とミネラル、余韻にほのかに感じる甘味のバランスが絶妙です」

Data
価格|3300円(750mℓ)
原料ブドウ|レジェントなど(北海道余市町産)
アルコール度数|11.5度
問い合わせ|キャメルファームワイナリー
電話番号|0120-934-210
https://camelfarm.co.jp

渋みは控えめ
いきいきとした酸が心地よい
「ツヴァイゲルトレーベ 2020」/高橋葡萄園・岩手県

オーストリアの国立学校でワイン醸造を学び、エーデルワインなどで醸造責任者を務めた高橋喜和さんが出身地の花巻市大迫町で開業。欧州系品種のリースリングと甲州三尺をかけ合わせたリースリング・リオン、東欧で主流のツヴァイゲルトレーベなどを栽培する。「『ツヴァイゲルトレーベ』はタンニンがやわらか。和食とも好相性」

Data
価格|2750円(750mℓ)
原料ブドウ|ツヴァイゲルトレーベ
アルコール度数|11度問:高橋葡萄園
電話番号|080-1662-6150
http://weinbautakahashi.com

絶妙なブレンドでボリューム感を実現
「植ノ山畑 シャルドネ 2019」/ウッディファーム・山形県

自社畑のブドウでワインを造るドメーヌスタイルのワイナリーと、果樹園というふたつの顔をもつ。有機減農薬で栽培するワイン用のブドウは欧州系品種が中心。「『植ノ山畑シャルドネ』の2019年はトロピカルな風味。同時にすっきりとしていて、蔵王の冷涼な気候が表れています」

Data
価格|3520円(750mℓ)
原料ブドウ|シャルドネ、プティ・マンサン
アルコール度数|12度
問い合わせ|ウッディファーム
電話番号|023-674-2343
www.woodyfarm.com

オレンジワインの日本での先駆け
「K20AK_DD」/共栄堂・山梨県

山梨県牧丘町の四恩醸造で醸造責任者を務めた小林剛士さんが独立。「当初は同町の三養醸造において委託醸造をしていましたが、この8月から自身のワイナリーで醸造を開始」。「K20AK_DD」は白ブドウを使って赤ワインのように造るオレンジワイン。薄濁りで和柑橘風味が特徴。

Data
価格|2090円(750mℓ)
原料ブドウ|甲州
アルコール度数|12.5度
問い合わせ|共栄堂
Eメール|info.corpo.wine@gmail.com
http://kyo-edo.main.jp

畑ごとの醸造でテロワールを引き出す
「B553 GI Yamanashi 2018」/MGVs(マグヴィス)ワイナリー・山梨県

半導体製造を行う塩山製作所の社長・松坂浩志さんが工場をワイナリーに生まれ変わらせ、本業で培った衛生管理や最新設備を生かしてワインを造る。「『B553』は山梨らしい華やかさをもったマスカット・ベーリーA。コットンキャンディやカラメルに近い風味」

Data
価格|3300円(750mℓ)
原料ブドウ|マスカット・ベーリーA(山梨県産)
アルコール度数|12.5度
問い合わせ|MGVsワイナリー
電話番号|0553-44-6030
https://mgvs.jp

果実味と心地よい酸:味が美しく調和する
「シャルドネ 2019」/信州たかやまワイナリー・長野県

1996(平成8)年にシャルドネを初植栽した高山村は、高品質のシャルドネ生産地として知られる。そのブドウ農家を中心に13人が資金を出し合ってつくったワイナリーで、醸造責任者はメルシャン出身の鷹野永一さん。「品種ごとに造る「ヴァラエタル」シリーズのうち「シャルドネ」は、「輸入ワインと遜色ないくらいの美味しさ」

Data
価格|3025円(750mℓ)
原料ブドウ|シャルドネ(長野県高山村産)
アルコール度数|12.5度
問い合わせ|信州たかやまワイナリー
電話番号|026-214-8726
www.shinshu-takayama.wine

自然酵母発酵&無ろ過の“ナチュール系”赤ワイン
「タザワ メルロー 2017」/ヴィラデストワイナリー・長野県

ワイナリーがあるのは、千曲川流域に広がるワイン産地、千曲川ワインバレーの中心地である東御市(とうみし)。「白ワインが有名ですが、実は赤ワインもおすすめ。田沢地区の自社畑で有機的に栽培したメルローで造る『タザワメルロー』は、ピノ・ノワールのような華やかさをもち、なめらかな厚みがあり、エレガントなスタイル」

Data
価格|5280円(750mℓ)
原料ブドウ|メルロー(長野県東御市産)
アルコール度数|12度
問い合わせ|ヴィラデストワイナリー
電話番号|0268-63-7373
www.villadest.com

ソーヴィニヨン・ブランらしい爽やかさ
「安曇野 ソーヴィニョン・ブラン 2020」/安曇野ワイナリー・長野県

2008(平成20)年、スキー関連機器・真空機器メーカーの樫山工業が安曇野ワインから引き継ぐかたちで始動。醸造責任者は、自衛隊出身という異色の経歴をもつ加藤彰さん。「『安曇野ソーヴィニヨン・ブラン』は黄色い果実の香りに厚みのある味。品種の特徴がきれいに出ています」

Data
価格|2750円(750mℓ)
原料ブドウ|ソーヴィニョン・ブラン(長野県安曇野市産)
アルコール度数|12.5度
問い合わせ|安曇野ワイナリー
電話番号|0263-77-7700
www.ch-azumino.com

シャンパーニュ製法で造る辛口のロゼ泡
「ATSU 巨峰」/熊本ワイン・熊本県

「熊本県は、気候的にワイン用品種栽培が難しい土地ですが、県内産シャルドネでつくる『菊鹿』はとても美味。ただ九州以外ではなかなかお目にかかれません。代わりにおすすめするのは巨峰で造るロゼのスパークリング。飲めば、ブドウのフレッシュさが“ポンッ”と浮かび上がります」

Data
価格|2343円(720mℓ)
原料ブドウ|巨峰
アルコール度数|12度
問い合わせ|熊本ワイン
電話番号|096-275-2277
www.kumamotowine.co.jp

柑橘や花を思わせる華やかな味わい
「安心院(あじむ)ワイン アルバリーニョ 2020」/安心院葡萄酒工房・大分県

「安心院は霧の町。寒暖差のおかげで、しっかり熟したブドウには酸も残ります」。欧州系品種を多く栽培しており、アルバリーニョなど近年、国内で栽培量が増えつつある品種にも取り組んでいる。「『安心院ワインアルバリーニョ』は爽やかで、フレッシュな酸が魅力です」

Data
価格|3209円(720mℓ)
原料ブドウ|アルバリーニョ(大分県安心院町産)
アルコール度数|12度
問い合わせ|安心院葡萄酒工房
電話番号|0978-34-2210
www.ajimu-winery.co.jp

これから期待の新進気鋭ワイン

開業から10年前後の新しいワイナリーの中から、特に期待を寄せる7つをピックアップ。いずれも個性的な造り手が醸すワインには、それぞれの造り手の想いが詰まっている。

古代製法で造る繊細で可憐なスパークリング
「T2+4+5 Petillant Rosé Méthode Ancestrale 2021」/domaineyui・北海道

「ワイン好きの杉山哲哉さん、彩さん夫妻が東京から3人の子どもと余市町へ移住して立ち上げたワイナリー。いまは生食用品種を中心にワインを造っていますが、ワイン用品種への植え替えも順調に進めています」。「T2+4+5 Petillant Rosé Méthode Ancestrale」は、生食用ブドウで造ったロゼのスパークリング。「辛口で、色合いの美しさも魅力です」

Data
価格|2420円(750mℓ)
原料ブドウ|ポートランド、キャンベル・アーリー(北海道余市町産)
アルコール度数|10.5度
問い合わせ|domaineyui
Eメール|info@domaineyui.jp
http://domaineyui.jp

すっきりとした飲み口に花を添えるトロピカルな香り
「NEIRO 2020」/NIKI Hills Winery・北海道

2015(平成27)年より醸造を開始し、’19年にグランドオープンした、仁木町で2番目に開業したワイナリー。「醸造責任者の麿直之さんは製薬会社の元医薬情報担当者。毎年、海外研修に出掛け、米国の大学の通信講座も修了して、めきめき腕を上げています」。バッカスはドイツ原産種。「トロピカルな果実香、ほんのりとした甘さとフレッシュな酸のバランスがよく心地よい」

Data
価格|3300円(750mℓ)
原料ブドウ|バッカス、ケルナー(北海道余市町産)
アルコール度数|12.5度
問い合わせ|NIKIHillsWinery
電話番号|0135-32-3801
www.nikihills.co.jp

果実味、酸味、渋みがバランスよくまとまった辛口
「コレクション クラシック マスカット・ベーリーA ルージュ 2020」/ベルウッドヴィンヤード・山形県

山形県の朝日町ワインで醸造責任者を務めた鈴木智晃さんが2017(平成29)年に独立。欧州系品種を中心に植樹を進め、当初は委託醸造でワインを造っていたが、2020年春にワイナリーが完成した。「上山市細谷地区のマスカット・ベーリーAを使った赤は、厚みがあってコクのある“ゆったり”タイプ。しなやかで渋みが少なく、親しみやすい味わいです」

Data
価格|2200円(750mℓ)
原料ブドウ|マスカット・ベーリーA(山形県上山市産)
アルコール度数|11度
問い合わせ|ベルウッドヴィンヤード
電話番号|023-674-6020
https://bellwoodvineyard.com

身体に染み入るやわらかな凝縮感
「芒(NOGI)白 甲州 2020」/98WINEs・山梨県

長年、メルシャンで醸造責任者を務めた平山繁之さんが2017(平成29)年に設立。「30年以上、ワインを造って、やっと自分が造りたいワインにたどりついたと言います。それが自然に寄り添うワイン。ブドウのために手を尽くし、自然に溶け込むように造っています。『芒』は、柔らかな美味しさ。身体にしみじみと染み渡ります」

Data
価格|3630円(750mℓ)
原料ブドウ|甲州(山梨県産)
アルコール度数|11度
問い合わせ|98WINEs
電話番号|0553-32-8098
https://98wines.jp

リンゴやハチミツを思わせる華やかで上品な香りが魅力
「ポラリス リースリング 2020」/ル・ミリュウ・長野県

醸造家の塩瀬豪さんとソムリエの斎藤翔さんが意気投合し、2018(平成30)年に安曇野市明科地区で立ち上げたワイナリー。「ドイツ原産種のリースリングは栽培が難しいため日本での生産量は少なく、薦められるワインもなかなかないのですが、こちらのリースリングは特徴的な香りがきれいに出て、実に爽やかな味わいです」

Data
価格|3000円(750mℓ)
原料ブドウ|リースリング(長野県安曇野市産)
アルコール度数|11.5度
問い合わせ|ル・ミリュウ
電話番号|0263-62-5507
https://le-milieu.co.jp

食事とともに時間をかけて楽しみたい一本
「503 SHIOJIRI MERLOT(メルロー) 2020」/ドメーヌ・コーセイ ・長野県

シャトー・メルシャン勝沼ワイナリーで醸造責任者を務め、仏ボルドー大学でも学んだ味村興成さんが2019年に開業。「メルローに特化して醸造。『503SHIOJIRIMERLOT』は、塩尻市産の契約栽培のメルローを主体に使い、アメリカンオークとフレンチオークそれぞれで樽育成したワインをブレンドしたもの。強さはあるけれどエレガント」

Data
価格|3300円(750mℓ)
原料ブドウ|メルロー(長野県塩尻市産)
アルコール度数|12度
問い合わせ|ドメーヌ・コーセイ
電話番号|0263-50-7922
https://domaine-kosei.com

酸味と甘みのバランスが絶妙な軽やかな味わい
「Niagara ほのか 2021」/いにしぇの里葡萄酒・長野県

「地元塩尻市産や長野県産のワインと地元の食材を使った料理を提供するレストランを営んでいた稲垣雅洋さんが、実家のある北小野地区ではじめたワイナリー。料理人として舌がしっかりしているので、どのワインも美味しい」。生食用品種のナイアガラで造る白は3タイプ。「中でも『ほのか』は、甘い香りがチャーミング」

Data
価格|1650円(750mℓ)
原料ブドウ|ナイアガラ(長野県塩尻市産)
アルコール度数|10度
問い合わせ|いにしぇの里葡萄酒
電話番号|0266-78-7204
https://inishe-no-sato.com

text:MiyoYoshinaga,MiyuNarita,NatsuArai photo:NorihitoSuzuki,KazuyaHayashi,YoshihitoOzawa
Discover Japan 2022年1月号「酒旅と冬旅へ。」

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