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「SDGs未来都市」の最先端事例に学ぶ
街づくりのヒント【Part 3】

2021.9.28
「SDGs未来都市」の最先端事例に学ぶ<br>街づくりのヒント【Part 3】

地域資源をフル活用したSDGs未来都市の取り組みを知ることは、魅力的な街づくりへの近道です。SDGsの達成に向けてどう取り組むべきなのか、最先端事例からひも解きます。

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SDGs未来都市とは?
「SDGs達成に向けて積極的に取り組む都市」として、内閣府地方創生推進室によって選定された都市。2018年度より募集を開始し、現在、全国124都市が登録され、SDGs未来都市の中でも、特に先進的で自律的好循環が見込める事業においては、加えて「自治体SDGsモデル事業」として選出されている。

SDGs目標11 住み続けられるまちづくりを

三重県・いなべ市
森とともに生きていく

市内の6割近くを占める林野面積の多くが未活用となっているいなべ市は、森林や自然の機能を利用した商業施設「にぎわいの森」を2019年にオープン。カフェやベーカリー、食料品店などの施設が集まることで、市内の人の回遊を促進している。また、農業や観光の振興、市民協働の促進といった街づくりの拠点としての役割も担い、市民向けのワークショップなども実施。地域資源である森に付加価値をつけることで、街の魅力を向上させ、自律的な好循環を生み出している。

市の特産品を扱うセレクトショップやワイン醸造に向けてブドウを育てる試験農場も併設し、毎月3〜5万人が訪問している

にぎわいの森
住所|三重県いなべ市北勢町阿下喜31
※営業時間・定休日は施設によって異なる
https://www.inabe-nigiwai.jp/

三重県いなべ市
人口|4万5199人
面積|219.83㎢
主要産業|製造業
主な観光資源|藤原岳、竜ヶ岳、青川峡キャンピングパークなど
アクセス方法|名古屋駅から阿下喜駅まで電車で約1時間30分

愛知県・豊田市
街にも市民にもポイント還元

車の街で知られる豊田市では、「とよたSDGsポイント」の会員になると、「飲食店で残さず食べる」、「環境に優しい商品を買う」などSDGsにつながる行動をするたび、1ポイント=1円として地元加盟店で使えるポイントを付与。市民の意識向上と街の経済活性化に貢献している。

会員証はカード版とアプリ版があり、加盟店は約50店。貯めたポイントは、店舗だけでなく、生活用品などと交換することもできる

とよたSDGsポイントナビ
https://toyota-efami.com

愛知県豊田市
人口|42万1307人
面積|918.3㎢
主要産業|製造業
主な観光資源|香嵐渓、松平郷、小原四季桜など
アクセス方法|名古屋駅から豊田市駅まで約1時間など

京都府・京丹後市
どうなる⁉︎高齢化社会の交通手段

自家用車の保有率が高い京丹後市では、高齢化の進展により運転免許自主返納者の増加が想定される。そこで、免許返納後も高齢者の自由な外出を可能にするため、バス事業者のWILLERと連携して定額乗り放題サービス「mobi」の実証運行を開始。買い物や病院への送迎などに便利で、暮らしやすい街づくりにつながりそうだ。

専用アプリや電話で予約すると、5〜9人乗りのワンボックスカーが、指定の場所まで約10分で迎車し、目的地まで送迎してくれる

mobi
Tel|050-2018-0107
https://travel.willer.co.jp/maas/mobi

京都府京丹後市
人口|5万3090人
面積|501.44㎢
主要産業|製造業、農業、漁業、観光業
主な観光資源|琴引浜掛津海水浴場、宇川温泉、丹後ちりめんなど
アクセス方法|京都駅から峰山駅まで電車で約2時間30分など

福岡県・宗像市
生まれ変わった団地の姿

住民の高齢化や空き家の増加が問題視されている宗像市。九州最大級の集団住宅地・日の里地区には、最盛期には約1.6万人が暮らしていたが、老朽化などの理由から集合住宅の一部の棟は民間事業者へと売却された。そこで2020年より、次の世代に向けて持続可能な街づくりを目指す団地再生プロジェクトが始動。日の里団地48号棟は、生活利便施設「ひのさと48」として今年5月にリニューアルオープンした。団地の内外から人々が集まり、新たなプロジェクトやアイデアが生まれていくコミュニティ拠点として目が離せない。

木工加工機を備えたDIY工房や地産地消のメニューが楽しめるカフェなど、さまざまな施設が並ぶ
1室にはクラフトビールを醸造する「Hinosato brewe ry」を構え、造りたてのビールが味わえる

ひのさと48
住所|福岡県宗像市日の里5-3-98
※営業時間・定休日は施設によって異なる
https://stzkr.com/hinosato48

福岡県宗像市
人口|9万7103人
面積|119.94㎢
主要産業|農業、漁業
主な観光資源|宗像大社、道の駅むなかた、うみんぐ大島など
アクセス方法|福岡空港から東郷駅まで電車で約50分

SDGs目標12 つくる責任つかう責任

京都府・亀岡市
このバッグ、空を飛んでいました

2018年に「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」を発表し、’30年までに使い捨てプラスチックごみゼロの街を目指している亀岡市では、若い女性を中心に人気のファッションブランド「THEATRE PRODUCTS」と協働でサステイナブルブランド「HOZUBAG」を開始。ブランド名は市内を流れる保津川から名づけられた。国内のパラグライダー教室と連携して飛ぶ役割を終えたパラグライダーを集め、解体、裁断の工程を経て、軽くて丈夫なエコバッグへと再生。回収・解体の拠点を市内に設けることで、新たな雇用も生み出している。

自宅などで保管するか、廃棄するしかないパラグライダーを生地にしてつくられるHOZUBAG。解体した布の裁断する場所により、1つひとつデザインが異なる

HOZUBAGトートバッグ
価格|Mサイズ3960円、Lサイズ4950円、XLサイズ5720円
販売場所|公式ウェブサイト
https://hozubag.com

京都府亀岡市
人口|8万7739人
面積|224.8㎢
主要産業|製造業、農業
主な観光資源|保津川下り、嵯峨野トロッコ列車、湯の花温泉など
アクセス方法|京都駅から亀岡駅まで電車で約20分など

長崎県・壱岐市
離島がスマート農業の最先端!?

美しい自然や歴史遺産に恵まれた島・壱岐市では、AIやIoTなどの先進技術を取り入れることで、就業者の高齢化や後継者不足といった農業の抱える問題の解決を目指している。植えてから収穫、出荷、販売までの一連の生産工程にテクノロジーを組み込むとともに、規格外の作物も加工して販売することで、フードロス削減にも役立てていく。

アスパラガス栽培においては、IoTセンサーを用いて最適なタイミングに自動灌水するAIシステムを開発。労働時間を短縮しながら、収穫量や稼げる農家の増加につなげていく

長崎県壱岐市
人口|2万5669人
面積|139.42㎢
主要産業|農業、漁業、観光業、製造業
主な観光資源|辰の島、小島神社、原の辻遺跡など
アクセス方法|長崎空港から壱岐空港まで飛行機で約30分、
博多港から芦辺港まで高速船で約1時間5分など

※各自治体の人口数は、2021年6〜7月に発表された値

text: Discover Japan
Discover Japan 2021年9月号「SDGsのヒント、実はニッポン再発見でした。」

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