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「SDGs未来都市」の最先端事例に学ぶ
街づくりのヒント【Part 2】

2021.9.28
「SDGs未来都市」の最先端事例に学ぶ<br>街づくりのヒント【Part 2】

地域資源をフル活用したSDGs未来都市の取り組みを知ることは、魅力的な街づくりへの近道です。SDGsの達成に向けてどう取り組むべきなのか、最先端事例からひも解きます。

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SDGs未来都市とは?
「SDGs達成に向けて積極的に取り組む都市」として、内閣府地方創生推進室によって選定された都市。2018年度より募集を開始し、現在、全国124都市が登録され、SDGs未来都市の中でも、特に先進的で自律的好循環が見込める事業においては、加えて「自治体SDGsモデル事業」として選出されている。

SDGs目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに

北海道・下川町
木質バイオマスボイラーで公共施設に熱を

北海道の北部に位置し、町面積の約9割が森林に覆われている下川町では、森林の恵みを余すことなく活用する「ゼロエミッション」に注力。その代表例が、「木質バイオマスエネルギー」だ。未利用の間伐材や製材工場の端材などを集めて、専用のボイラーで燃やし、生まれた熱エネルギーを学校や役場、公営温泉などの公共施設に供給。これにより、冬季の暖房料金の削減につながり、浮いた資金は子育て支援などに活用されている。

現在11基の木質バイオマスボイラーが稼働。導入前の化石燃料と比較して、年間約1600万円のコスト削減に成功した

北海道下川町
人口|3115人
面積|644.2㎢
主要産業|農業、林業
主な観光資源|五味温泉、万里長城、桜ヶ丘公園など
アクセス方法|旭川駅から名寄駅まで電車で約1時間など

滋賀県・湖南市
イモの発酵が電気を生み出す

湖南市は、福祉事業者が中心の市民団体「こなんイモ・夢づくり協議会」を立ち上げ、近畿大学生物理工学部の鈴木高広教授によるアドバイスの下、サツマイモを発酵させた際に出るバイオガスから発電するプロジェクトを実施。地域の子どもたちや高齢者、障がいをもつ方もサツマイモの収穫作業などに参加し、新たな雇用の創出や農業と福祉の連携にもひと役買っている。

イモ栽培には、棚の上に土と苗を入れて大量収穫を可能にした「空中栽培」を採用。葉やツルなど食用には適さない部分を集めて発酵させ、電力源のメタンガスを生み出している

こなんイモ・夢づくり協議会
Tel|0748-76-3792

滋賀県湖南市
人口|5万4753人
面積|70.40㎢
主要産業|製造業
主な観光資源|うつくし松、湖南三山、十二坊温泉ゆららなど
アクセス方法|京都駅から甲西駅まで電車で約30分など

奈良県・生駒市
自治体×市民の力で電力会社を設立

主体的に街づくりにかかわるパブリックマインドの高い人が多い生駒市。2017年には、エネルギー関連などの会社を定年退職したシニア層が中心となり立ち上げた一般社団法人「市民エネルギー生駒」などの出資で、自治体新電力会社「いこま市民パワー」が設立された。

市民エネルギー生駒は、未利用の公共施設の屋根や用地で現在4基の太陽光発電を稼働し、収益の一部は市に寄付されている。市民団体が自治体新電力に出資する事例は全国初だ

いこま市民パワー
Tel|0743-75-5020

奈良県生駒市
人口|11万8532人
面積|53.15㎢
主要産業|卸売業、小売業、製造業
主な観光資源|生駒山、宝山寺、高山竹林園など
アクセス方法|大阪駅から生駒駅まで電車で約40分など

鳥取県・鳥取市
微生物が発電の主役です

豊かな水田風景が広がる鳥取市鹿野町は、鳥取再資源化研究所と共同で、土壌に含まれる微生物が電気を生み出す「微生物発電」の実用化に向けた実験を今年3月より開始。水を張った田んぼに64基の微生物燃料電池が設置され、有機物の分解時に電気を発生させる微生物がガラス発泡材に密集することで発電する仕組みだ。天候に左右されにくいため、安定した発電が期待できる。

燃料電池の内部に使われているのは、家庭からごみとして出たガラス瓶や貝殻などが原料のガラス発泡材。微生物発電は、近年増加傾向の休耕田を活用できるメリットもある

鳥取県鳥取市
人口|18万5081人
面積|765.31㎢
主要産業|製造業
主な観光資源|鳥取砂丘、白兎海岸、仁風閣など
アクセス方法|羽田空港から鳥取空港まで飛行機で約1時間15分、
大阪駅から鳥取駅まで電車で約2時間30分など

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※各自治体の人口数は、2021年6〜7月に発表された値

text: Discover Japan
Discover Japan 2021年9月号「SDGsのヒント、実はニッポン再発見でした。」

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