桜（サクラ）
花だけではなく木材も人気
｜日本文化をつくってきた木材を知る

古来、日本人は樹種によって建材に利用したり、工芸品に用いたりと、木を適材適所に使い分けてきた。今回は特に日本人が重用してきた8種の木の中の「桜（サクラ）」を紹介。

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花だけではなく木材も人気

サクラの花は日本の春を象徴する存在だが、サクラ類の木材もその優れた特性から日本人に親しまれてきた。主に利用されるのはヤマザクラやオオヤマザクラの材。赤みを帯びた均質で緻密な材質で、寸法安定性が高く加工しやすい。工芸品や道具類、玩具、彫刻、家具など多彩な木製品に活用され、大相撲の呼出しの拍子木や、九州新幹線「つばめ」のロールブラインドにも使用されている。

加工しやすいヤマザクラは
工芸品にも重用
多彩な工芸品に用いられるヤマザクラ。樹皮も重用され、秋田・角館の伝統工芸「樺（桜皮）細工」はヤマザクラ樹皮を磨いてつくられる。

〈科名〉
バラ科（サクラ属）落葉広葉樹

〈産地〉
北海道～九州

〈主な用途〉
フローリング、楽器、寄木細工、拍子木、家具など

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text: Miyo Yoshinaga　photo: Mariko Taya　撮影協力＝竹中大工道具館　参考文献＝『カラー版 日本有用樹木誌第2版』伊東隆夫・佐野雄三・安部 久・内海泰弘・山口和穂著（海青社）、「森林総合研究所 木材の紹介」（https://db.ffpri.go.jp/WoodDB/Winfo/index.html）
2025年9月号「木と生きる2025」