栂（ツガ）
強度に優れた檜に並ぶ高級建材
｜日本文化をつくってきた木材を知る

古来、日本人は樹種によって建材に利用したり、工芸品に用いたりと、木を適材適所に使い分けてきた。今回は特に日本人が重用してきた8種の木の中の「栂（ツガ）」を紹介。

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強度に優れた檜に並ぶ高級建材

マツ科ツガ属の常緑針葉樹。針葉樹としてはやや重硬で強度があり、建築用材として柱や土台などに利用され、昭和の大修理までは姫路城の天守の心柱の一部にも使われていた。色が淡く、木目が鮮やかに出る特徴があり、床柱や長押、天井板などにも重宝された。しかし現代では全国的に天然林の伐採が減少し、人工植栽もほぼ行われないため建築用材としての流通は非常に少ない。

総ツガ普請の居住空間「高橋是清邸」
第20代内閣総理大臣・高橋是清の住まい。柱や鴨居、長押などにツガを使用。現在は東京・小金井市にある「江戸東京たてもの園」で見学可能。

〈科名〉
マツ科（ツガ属）常緑針葉樹

〈産地〉
本州（福島県以南）～九州

〈主な用途〉
土台、柱、天井板、長押など

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欅（ケヤキ）
日本の伝統を支えてきた広葉樹の代表格
 
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text: Miyo Yoshinaga　photo: Mariko Taya　撮影協力＝竹中大工道具館　参考文献＝『カラー版 日本有用樹木誌第2版』伊東隆夫・佐野雄三・安部 久・内海泰弘・山口和穂著（海青社）、「森林総合研究所 木材の紹介」（https://db.ffpri.go.jp/WoodDB/Winfo/index.html）
2025年9月号「木と生きる2025」