檜葉(ヒバ)
耐久性と抗菌性に優れた別名「アスナロ」
|日本文化をつくってきた木材を知る
古来、日本人は樹種によって建材に利用したり、工芸品に用いたりと、木を適材適所に使い分けてきた。今回は特に日本人が重用してきた8種の木の中の「檜葉(ヒバ)」を紹介。
耐久性と抗菌性に優れた
別名「アスナロ」

青森県の津軽・下北地方と石川県の能登地方が産地として有名な日本固有種「アスナロ」とその変種「ヒノキアスナロ」を指す(能登での呼称は「アテ」)。ヒノキアスナロの大部分が青森県産で、太宰治『津軽』にも「古い伝統を誇つてよい津軽の産物は、扁柏(ヒバ)である」と記されている。耐久性・抗菌性に優れ、害虫の忌避効果もあるため、建築の土台や土木用材などに使われる。

青森ヒバをふんだんに使用!「鶴の舞橋」
青森県産ヒバを使った日本一長い木造三連太鼓橋として1994年に完成。橋と岩木山が津軽富士見湖の湖面に映る風景は鶴田町のシンボルに。
〈科名〉
ヒノキ科(アスナロ属)常緑針葉樹
〈産地〉
北海道南部~九州
〈主な用途〉
土台、柱、屋根、電柱、風呂桶、細工物、彫刻など
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梁に用いられる重く丈夫な樹種
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text: Miyo Yoshinaga photo: Mariko Taya 撮影協力=竹中大工道具館 参考文献=『カラー版 日本有用樹木誌第2版』伊東隆夫・佐野雄三・安部 久・内海泰弘・山口和穂著(海青社)、「森林総合研究所 木材の紹介」(https://db.ffpri.go.jp/WoodDB/Winfo/index.html)
2025年9月号「木と生きる2025」



































