TRADITION

杉(スギ)
日本で最も植林された馴染み深い木
|日本文化をつくってきた木材を知る

2025.12.4
杉(スギ)<br>日本で最も植林された馴染み深い木<br><small>|日本文化をつくってきた木材を知る</small>

古来、日本人は樹種によって建材に利用したり、工芸品に用いたりと、木を適材適所に使い分けてきた。今回は特に日本人が重用してきた8種の木の中の「杉(スギ)」を紹介。

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日本で最も植林された馴染み深い木

成長が早いことから日本で最も多く植林されてきた杉。日本の造林面積の約40%を占め、現在切り出される丸太の多くが杉材とされる。建築用材として柱や梁、床板などに利用され、特に秋田杉や吉野杉などの銘木は床の間を飾る床柱や天井板として珍重されてきた。また独特の香気があり、清酒に風味と色調を与え、熟成を促すとされ、清酒の酒樽材としても用いられる。

写真提供=旧料亭金勇

秋田杉を用いた有形文化財「旧料亭金勇」
1937年建築の元料亭で国登録の有形文化財。大広間の巨大な床柱や格天井などが、当時の天然秋田杉とその加工技術の見事さを伝えている。

〈科名〉
ヒノキ科(スギ属)常緑針葉樹

〈産地〉
本州~九州(屋久島まで)

〈主な用途〉
柱、桁、床板、縁側、樽桶、梱包材、箸など

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檜葉(ヒバ)
耐久性と抗菌性に優れた別名「アスナロ」

 
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日本文化をつくってきた木材
01|檜(ヒノキ)
02|杉(スギ)
03|檜葉(ヒバ)
04|赤松(アカマツ)
05|栂(ツガ)
06|欅(ケヤキ)
07|栗(クリ)
08|桜(サクラ)

text: Miyo Yoshinaga photo: Mariko Taya 撮影協力=竹中大工道具館 参考文献=『カラー版 日本有用樹木誌第2版』伊東隆夫・佐野雄三・安部 久・内海泰弘・山口和穂著(海青社)、「森林総合研究所 木材の紹介」(https://db.ffpri.go.jp/WoodDB/Winfo/index.html
2025年9月号「木と生きる2025」

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