渋谷パルコ《阿部春弥・みか 個展》
暮らしに遊び心をプラスする、食卓を彩るうつわ

料理を引き立てる、シンプルで実用的な作品で有名な阿部夫妻。ここ最近、作風がやや変化してきたようで、遊び心のあるうつわも展開するようになってきた。東京・渋谷パルコのDiscover Japan Lab. では、2025年5月10日(土)~5月18日(日)にかけて《阿部春弥・みか 個展》を開催。いつもの食卓にプラスアルファの彩りを添えては?
Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を5月13日(火)20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)

阿部春弥(あべはるや)
愛知県立窯業高等技術専門校修了後、陶芸家・山本出さんに師事。2004年に独立。

阿部みか(あべみか)
愛知県立窯業高等技術専門校修了。2007年に春弥さんとともに築窯。
定番をアップデート。
日常をさりげなく彩る

陶芸家の父をもつ阿部春弥さんは、長年修業した後、長野県上田市に帰郷。緑豊かな地に、窯業学校の同級生で妻のみかさんとともに工房「三窯」を構えた。
2007年の築窯以来、二人が手掛けてきたのは普段使いできる等身大のうつわ。ほどほどの装飾と実用性を重視したうつわなら、気負わず食事が楽しめる。生活の土台である食卓が潤えば、おのずと暮らしも豊かになると考えているからだ。
「ベースとなる考え方はいまも変わっていません。ただ、ここ最近はもう少しいろんなことにチャレンジしたい気持ちが芽生えてきて、少しずつ作風に反映するようにしています」と、阿部さんは目を輝かせる。

確かに、前回のDiscover Japan Lab.での個展では、引き算の美学から生まれた白磁鉢をメインに展示した。一方、今回の個展に花を添えるのは一匹の猫。蓋物の蓋上に、凛とした表情で佇む猫が印象的だ。
「私もつくりながらニヤけちゃうんです。この猫はプリンシパルという設定で、ティアラやまつ毛までしっかり描き込んでいます。バレエシューズを履かせた脚も、蓋裏に付けているんですよ」と話すのは、造形担当のみかさん。

丁寧な暮らしを心掛ける二人がいま注目しているのは、こうした、ちょっとした遊び心。思わず笑みがこぼれるうつわがあれば、単調な毎日がカラフルに動き出すはず。そんな思いを込めて、猫の蓋物を考案した。
「コットンを入れたり、アクセサリーを保管したり、キャンディ入れにもぴったり。用途は使ってくださる方によって無限大です」

ほかにも、白磁釉の装飾が華やかなプレートや、大胆な牡丹が美しい豆皿、人気の動物箸置きのアレンジ版であるカトラリーレストまで、多彩な作品がラインアップする。どれも楽しげなデザインで、使い心地も申し分ない。食卓に馴染むフォルムや手に優しくフィットする質感は、夫妻二人三脚で丁寧につくっている証拠。シンプルで機能的な定番アイテムをつくる一方、こうした、ハレの日のうつわも積極的に発表していく予定だという。
「手間はかかりますが、やりたいことが渋滞しているんです(笑)。次は色の掛け合わせにも挑戦したいですね。ぜひ楽しみにしていてください」
使うたびに笑顔になる
阿部春弥・みかのうつわ
「つくっている私たちも幸せな気分に浸れるんです」と阿部夫妻。愛らしい作品は使い手の心も和ませてくれる。普段の食卓にハレのうつわを迎えよう。
蓋物 ねこ プリンシパル

「かわいい」をかたちにした作品。本体を阿部さんがつくり、猫をみかさんが担当。小物を保管したり綿棒を入れたり、使い方いろいろ!
淡ルリ掛分け レリーフオーバル

瑠璃色に白の装飾がよく映える。メイン料理を盛りつけても、ワンプレートで贅沢に使うもよし。一枚もっていると心強いプレート。
カトラリーレスト ねこ ハチワレ(左)、茶トラ(右)

定番でつくっている箸置きのアレンジ版。箸と一緒にスプーンやフォークを置くのに◎。猫の表情からシルエットまで、見どころ満載。
牡丹豆皿 レモン(上)、グレー(中央)、ブルー(下)

カラフルな3色展開。華麗な牡丹がインパクト大。漬物を盛りつけたり、クッキーを並べたり、さまざまなシーンで重宝する。
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個展商品がオンラインで買える!
公式オンラインショップ
阿部春弥・みか 個展
会期|5月10日(土)~18日(日)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
text: Misa Hasebe photo: Shiho Akiyama
2025年6月号「人生100年時代、食を考える。」