レストラン&オーベルジュ
《nôtori/ノウトリ》
富士北麓の魅力を伝え、
記憶を表現した季節のコースとは?

富士北麓の食材をふんだんに使いながら、土地の歴史や風土、堀内兄弟の記憶を表現している“富士北麓キュイジーヌ”。ワクワクに満ちた季節のコース全品をひも解いてご紹介。
〈アミューズ〉

食事のスタート前に、外のテラスでウェルカムドリンクと楽しむスナック。タケノコイモのチップスにピューレをのせて黒コショウでアクセント。食感の違いが楽しい。
〈鬼胡桃〉

パリッとした生地に自家製パンチェッタや刻んだくるみ、くるみの木に穴を開けて採取して煮詰めたシロップを。うつわもくるみの木で、土地を丸ごと食べるコンセプト。
〈馬刺し〉

堀内兄弟の父がつくったジャガイモをロール状にし、異なる調理法で仕上げた5つの部位の馬肉と。フィンガーライムを忍ばせつつ、炭化させたライムでも香りづけ。
〈蕪〉

あやめ雪カブやもものすけなど、カブを主役に。「笹一酒造」の酒粕を使ったクリームや甲州のブランデーの香りをつけたアマゴの塩イクラを合わせて旨みをプラス。
〈人参〉

ニンジン、枯露柿、ブラッドオレンジの塩漬け、生ハムを金子さんの牛乳でつくったチーズのミルキーな風味がまとめ上げる。味つけの塩やオリーブオイルも県内産。
〈鯉 豆腐〉

御師の家でおもてなし料理として出されていた鯉がテーマ。大根餅、豆腐、都留産ワサビ、無農薬アーモンド、味噌ペーストに、薪で焼いた鯉のアラの出汁を注ぎ、いちじくの葉のオイルで香りをまとわせた。和にも洋にも感じられる味わい。
〈ブリオッシュ〉

提供時間に合わせて焼き上げ、外はサクッと、中はホロッとした食感が絶妙。小麦粉はゆめかおりを使用し、ローズマリーやカキドオシなどのハーブをミックス。
〈根セロリ 手長海老〉

温泉水育ちの陸作信玄えびを使用。手打ちパスタとパスタ状の根セロリをレモンとサフランが香るソースにからめ、海老味噌やビスクソースを。海老の旨みを堪能できる。
〈ヒメマス 香茸〉

富士五湖のひとつ西湖のヒメマスを米粉でカリッと焼き、香茸のデュクセルをサンド。ヒメマスの出汁と香茸の重厚なソースに発酵させたヤーコンを添えてさっぱりと。
〈柿〉

店の敷地に自生している香木・アブラチャンの枝から香りを抽出したゼリーと、富有柿とライムのシャーベット。爽やかな風味で、肉を食べる前のお口直しに。
〈芽吹き〉

「RED U-35 2021」グランプリ受賞メニューをブラッシュアップしたスペシャリテ。竹炭を練り込んだ球体に、鹿肉やイノシシ肉を詰め、約10種類のハーブや野草をあしらった。力強いジビエに負けない野草の苦みがアクセントになっている。
〈牛〉

熟成させた甲州牛を薪と炭で焼き、地元で掘ったトリュフをたっぷり。ペリグーソースを甲州牛の出汁、トリュフ、グレイスワインの甘口ワインという山梨の食材で再現。
〈苺〉

飴、イチゴ、ローズゼラニウムのムース、ジンの香りのエスプーマ、ガマズミの実のゼリー、発酵ハチミツなどを合わせたデザート。練乳イチゴを思わせる愛らしい味。
〈洋梨〉

2種類の洋梨を使用。シルバーベルとブランデーが香るカスタードを巻いてバターで焼いたシュトゥルーデル生地の横に、ラ・フランスのコンポートと冷たいアイスを。
〈林檎 サフラン〉

カカオバターで覆った球体の中にはリンゴとユズのエキスがたっぷり。カリッとしたラスクは、山梨産サフランの豊かな香りとメープルシュガーの甘みが絶妙。
ワイン、日本酒…… 山梨の酒も充実

アルコールペアリングは8種類。ワインを中心に、日本酒、ブランデー、ジンを出すこともあり、5割が山梨産。海外や日本の他地域のワインもセレクトする。
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nôtori
住所|山梨県南都留郡忍野村忍草3192-8
Tel|なし
営業時間|月・木・金曜17:30〜、土・月曜以外の祝日11:30〜、17:30〜、日曜(ファミリーデイ)11:30〜、17:30〜、月曜が祝日の場合(オープンデイ)11:00〜、14:00〜、17:00〜
定休日|火・水・土曜
料理|季節のコース、ヴィーガンコース各3万円(ペアリングドリンク込み、税・サ込)、宿泊5万円〜(税・サ込)、キッズプレート 3000円(日曜のみ)
※予約はWebからのみ。
notori-fuji.com
text: Rie Ochi photo: Maiko Fukui
2025年3月号「ニッポンのまちづくり最前線」