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俳優・竹下景子が《関ケ原》で歴史探訪
アートで岐阜の魅力を発見する旅へ

2024.10.25 PR
俳優・竹下景子が《関ケ原》で歴史探訪<br>アートで岐阜の魅力を発見する旅へ

日本人なら誰もが知る、徳川家康と石田三成が覇権を争った「関ケ原の戦い」の地は、かつて東西の文化が交わる分岐点だった。俳優の竹下景子さんとともに、この地の“アート”をめぐり岐阜の新たな魅力を発見する旅に出る。

竹下景子(たけした けいこ)
愛知県名古屋市出身。映画『学校』で第17回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞するなどテレビ、映画、舞台で活躍。「岐阜関ケ原古戦場記念館」アンバサダーや「清流の国ぎふ」文化祭2024応援大使などを務める。

天下分け目の合戦の地は
知る人ぞ知るアートの聖地!

「岐阜関ケ原古戦場記念館」のシアターは最新技術を駆使し、椅子が揺れ、風が吹くといった臨場感あふれる演出で、関ケ原の戦いに参戦しているかのような疑似体験ができる

岐阜県の西端に位置し、北は伊吹山地、南は鈴鹿山脈に囲まれ、豊かな大自然が広がる関ケ原。この地は、徳川家康と石田三成が覇権を争った「天下分け目」の合戦、関ケ原の戦いで知られている。

「岐阜を訪れるたび、自然と人が近いことを実感します」と話すのは、俳優・竹下景子さん。岐阜の木育の拠点「ぎふ木遊館」名誉館長や「岐阜関ケ原古戦場記念館」アンバサダーを務め、夜の関ケ原古戦場を舞台に戦国武将の人間ドラマを描く「関ケ原ナイト」野外朗読音楽絵巻に5回連続で出演するなど岐阜との縁が深く、独自の活動でその魅力を発信している。

「せきがはら人間村生活美術館」を象徴する作品『関ケ原』は、世界的彫刻家ピエール・セーカリー氏が関ケ原の戦い以降の泰平の世に感銘を受け、世界平和を祈ってつくられた

「都市部の岐阜市を中心に、金華山やふもとに流れる清流・長良川、北には飛騨高山など暮らしに自然が寄り添い、多様な表情が楽しめます。そういった風土を大切にしながら伝統工芸や文化が紡がれているのが素晴らしいですね」

その中でも関ケ原は戦国観光の聖地として名高いが、たとえばフランスの彫刻家ピエール・セーカリー氏が、関ケ原の戦いの後に400年続く泰平の世に感銘を受けて建てたモニュメント『関ケ原』など、世界的なアートも多数点在している。今回、新たな魅力を発見するべく、竹下さんとともにアートの視点で関ケ原を探訪した。

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アートを通して関ケ原の歴史を歩く

関根伸夫氏、古郡弘氏、若林奮氏らの作品が鑑賞できる「蔵ミュージアム」

まず訪れたのは古戦場の中心地に位置する「せきがはら人間村生活美術館」だ。産業機器メーカー「関ケ原製作所」が手掛ける広大なアート空間は、約15万㎡の敷地の中に世界的な現代美術家の作品や私設美術館、食堂、カフェなどが配されている。その入り口である『関係項―アーチ・関ケ原』をくぐると〝新しい世界〟との出合いがはじまる。

生活美術館本館では随時企画展が開催

インド、ネパール、日本の彫刻家が共創した雄大な『アジアの苑』、創造と思索の心を喚起する「蔵ミュージアム」など、地域住民の家や畑と境のないユートピア空間をめぐり、展示作品を鑑賞した竹下さんが話す。

「感性を育みながら働くことができる美しいアート空間をつくり、それを社会に開かれている取り組みに感銘を受けました。ここに身を置くと感性が刺激され、私たちも自然という宇宙とつながっているという感覚が呼び起こされますね」

岐阜関ケ原古戦場記念館の展示室で貴重な資料を鑑賞する竹下さん。「当時の美意識が感じられて興味深いです」

続いて足を運んだのは、「岐阜関ケ原古戦場記念館」。巨大スクリーンで関ケ原の戦いを俯瞰するグラウンド・ビジョンや、風や振動、光や音の演出で合戦に没入できる大迫力のシアター、貴重な武具や古文書を公開する展示室など、関ケ原の戦いを楽しく学べる体験型施設で、竹下さんの心をとらえてやまないのが最上階の展望室だ。パノラマで広がる古戦場の佳景を眺めながら思いを馳せる。
「ここに立つと、15万人の兵がぶつかり合った合戦がそのままのスケール感で思い起こされ、いまの泰平の世につながっていることが実感できる。素晴らしい施設です」

最上階の展望室は目の前に関ケ原古戦場の史跡の絶景が広がる

最後に養老町まで足を延ばし、世界的アーティスト・荒川修作氏とパートナーのマドリン・ギンズ氏が手掛けた体験型のアートテーマパーク「養老天命反転地」の不思議な空間に身を包まれながら、竹下さんが今回の旅を振り返る。

「自然や生活の中に息づくアートの稀有な魅力を感じました。歴史だけでなく芸術における知的好奇心も満たしてくれる岐阜は、何度訪れても新しい発見があります」

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「固定観念を覆す身体感覚を体験しながら感受性が開いていく異世界がおもしろい」と養老天命反転地を訪れた竹下さん

竹下景子さんが応援大使を務める
国内最大の文化の祭典!

この秋、岐阜県内全42市町村で330を超える文化イベントが体験できる国内最大の文化の祭典「清流の国ぎふ」文化祭2024が開催。竹下さん「見どころが多く、知らなかった岐阜の新しい魅力が発見できるので、ぜひ足を運んでみてください」


≫公式サイトはこちら

「清流の国ぎふ」文化祭2024
会期 |2024年 10月14日(月・祝日)~11月24日(日)
Tel | 058-272-8127

今回めぐったスポット

入り口に設置された李禹煥氏の作品『関係項―アーチ・関ケ原』。竹下「くぐると空気が変わり自分の感性が開かれていくのがわかります」

新しいものの見方が育まれるユートピア
「せきがはら人間村」

関ケ原製作所2代目社長・矢橋昭三郎氏が追い求めてきた「働くこと、美しいものが一致するユートピア空間」である「人間ひろば」を原点にしたアート空間。広大な緑地や美術館には100点以上にも及ぶ世界的な現代美術家の作品を展示し、地域に開放している。

住所 | 岐阜県不破郡関ケ原町2067 関ケ原製作所内
Tel | 0584-43-1878(関ケ原ゼネラル・サービス)
案内時間 | 木・金・土曜/13:00~(要事前予約)
料金 | 大人1500円、大高生1000円、中小生500円 
※敷地内の屋外アートは鑑賞自由
www.sekigahara.co.jp/ningenmura

エントランスには左官職人・挾土秀平氏が家康、三成の陣地の土で制作したアート作品を展示

史跡めぐりの前に訪れたい体験型施設
「岐阜関ケ原古戦場記念館」

「関ケ原の戦い」を楽しく学べる体験型施設。最新の映像技術で、合戦が起こるまでの物語やリアルな合戦に没入できるだけでなく、武具をまとっての写真撮影や関ケ原の戦いにちなんだオリジナルフードも楽しめる。

住所 | 岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原894-55
Tel | 0584-47-6070 
開館時間 | 9:30~17:00(最終入館16:30) 
入館料 | 一般500円、大高生300円 ※企画展開催時は特別料金の場合あり。
休館日 | 月曜(祝日の場合は翌日休)、12月29日〜1月3日
https://sekigahara.pref.gifu.lg.jp

24色で彩られた双子構造

予想もつかない“不思議”と出合える
「養老天命反転地」
国際的美術家・荒川修作氏とマドリン・ギンズ氏の30年以上の構想を実現した体験型アート作品。約1万8000㎡の敷地内に人間の平衡感覚や遠近感を混乱させる仕掛けが施され、身体の新しい可能性を発見できる。

住所 | 岐阜県養老郡養老町高林1298-2
Tel | 0584-32-0501(養老公園事務所) 
開園時間 | 9:00~17:00(最終入場 16:30) 
料金 | 大人770円、高校生510円、中小生310円 
休園日 | 火曜(祝日の場合は翌日休) 
www.yoro-park.com
©1997 Reversible Destiny Foundation. Reproduced with permission of the Reversible Destiny Foundation

text: Ryosuke Fujitani photo: Norihito Suzuki stylist: Mai Tanaka hair & make-up: Eiko Oikawa
ニットカーディガン3万1900円、スカート9万7900円(SCAPA) イヤリング 4320円(ABISTE) ブーツ5万9400円(銀座ヨシノヤ

2024年11月号「京都」

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