岩手県盛岡市〈釜定〉
国も時代も超えて支持される一生ものの鉄鍋
岩手県盛岡市の「釜定」は明治時代から続く南部鉄器の老舗工房。時代に流されずに現代の生活に合ったデザインの鉄製品を生み出す。
東京・渋谷パルコのDiscover Japan Lab.で2024年7月8日(月)〜7月21日(日)にかけて開催される「食のための道具展」にも並ぶ食卓の名脇役を紹介しよう。
Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を7月11日(木)20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)
釜定(かまさだ)
1908年、初代宮定吉が「宮鉄瓶店」として岩手県盛岡市に創業。1931年、宮昌太郎さんが2代目となり事業を継承。1945年に屋号を「釜定」と改名。1977年、宮伸穂さんが3代目を継承、時代に流されない鉄器づくりに現在も励む。
シンプルで汎用性の高いデザイン
明治時代から続く南部鉄器の老舗工房。南部鉄器は400年もの歴史をもつ岩手の伝統工芸。「釜定」の3代目・宮伸穂さんは、先代の技と感性を継承しつつ、モダンで普遍的なデザインで、鉄器の世界を開拓し続けている。
工房の顔ともいえる洋鍋も、宮さんが手掛けた作品。40年ほど前のことだ。かつてフィンランド在住時に学んだ経験から、当時モノであふれ返っていた日本に「最小限の道具で豊かに暮らす提案ができないものか」と、考案した。
「鉄鍋ほどシンプルで丈夫な道具はありません。一生ものの道具があれば、日々はもっと楽しくなると思いますよ」(釜定・宮さん)
作品ラインアップ
ワンハンドパン(S)
1977年に宮伸穂さんがデザインし、日本クラフト展で受賞した作品。当時としては珍しいフォルムで、ほどよい焼き目がつくのが魅力。
サイズ|W150×D250×H40㎜(持ち手100㎜)
重量|900g 価格|5060円
シャロウパン
1975年に考案し、その後少しずつ修正が加えられいまに至った。細く長い持ち手は動かしやすく、本体一体型なので壊れる心配もない。
サイズ|W230×D385×H70㎜(持ち手170㎜)
重量|1320g 価格|9900円
洋鍋(中)
蓋もなく、取っ手は木の棒だけ。焼く、煮る、揚げる、オーブン対応と、ひとつで何役もこなす。調理後、そのまま食卓に出しても◎
サイズ|W205×D190×H110㎜(取っ手240㎜)
重量|1870g 価格|1万3200円
読了ライン
食のための道具展
会期|2024年7月8日(月)〜7月21日(日)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel |03-6455-2380
営業時間|11:00〜21:00
定休日|不定休
※最新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
※掲載商品は一部であり、店頭にはさまざまなうつわが並びます。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
text: Misa Hasebe photo: Kazuya Hayashi
2024年8月号「知的冒険のススメ」