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遠野醸造が目指すコミュティブルワリーとは?
クラフトビールの聖地、遠野へ旅をする

2019.8.5
<b>遠野醸造が目指すコミュティブルワリーとは?</b><br>クラフトビールの聖地、遠野へ旅をする
ここで造られているビールはもちろん、遠野ならではの料理を楽しめるのも魅力のひとつ。地域の農業とビールがつながる場所

ホップを軸に、市やホップ農家が一体となって、「ビールの里」を目指す遠野市。全4回の《クラフトビールの聖地、遠野へ旅をする》連載3回目は、「ビールの里」プロジェクトの過程で移住者3人が立ち上げた「遠野醸造」に迫る。彼らが目指す遠野の未来とは。

遠野醸造
遠野市のホップだけでなく、地域資源や市民をつなげて醸成できる場所を目指して創業したブルワリー。遠野のホップの魅力を生かしたベーシックで美味しいビールを醸造している。2019年5月で創業1周年

「ホップなどの地域資源をつなげて、醸成できるような場所にしたい。ここでただビールを造るだけでなく、コミュニティの中心となるような場所にできれば」。袴田大輔さん、太田睦さん、田村淳一さんの3人はこんな思いから遠野醸造を立ち上げた。

実はいままた、地方がビールに目を向けつつある。1990年代後半の地ビールブームでは、クオリティが伴わず、値段も高いといった理由で、すぐに沈静化。地域おこしの意味合いもあったが、長期的視点に立って醸造していたブルワリーは少なかった。

そして、2010年前後からクラフトビールが人気に。IPAのようなアメリカのビールに影響を受けており、醸造家たちの「自分たちの造りたいビールを」という思いを込めたビールも多い。それが、ここ最近また「地」に回帰する傾向が見られる。

遠野駅から徒歩3分のところにある遠野醸造TAPROOM。店には醸造所が併設され、造りたてのビールを飲むことができる。ビールはほかのブルワリーの銘柄も含め6種類ほど

以前の地ビールブームと異なるのは、ただのお土産ビールではなく、地域を巻き込んでともに成長していくという視点。その先頭を走っているブルワリーのひとつが遠野醸造だ。

その遠野醸造の3人が「地域の人に飲んでもらうにはどうしたらいいか」を考えた結果が、ビールをただ造って飲んでもらうという「点」ではなく、遠野のコミュニティとして「面」での役割を果たすことでもあった。その具体的事例がビアツーリズムであり、ハスカップヴァイツェンのような地元とのコラボにも現れている。

醸造の様子も見られます
遠野醸造TAPROOMでは、醸造設備を見ながらビールを飲むことができる。ビールの仕込みは月4回。決して大きい設備ではないが、小ロットだからこそいろいろな味わいのビールを造ることができる

現在、遠野醸造のビールは、イベントを除いて遠野醸造タップルームでしか飲むことができない。地域の人が飲むだけでなく、市外・県外から遠野醸造を目的に訪れる人も。「遠方から泊まりに来る人が増えて、民宿の人からも感謝されたんですよ」と田村淳一さん。遠野醸造はコミュニティブルワリーとして、2年目の夏を迎える。

文=富江弘幸 写真=鍵岡龍門
2019年7月号 特集「うまいビールはどこにある?」

遠野醸造TAPROOM 
住所:岩手県遠野市中央通り10-15
Tel:0198-66-3990
営業時間:月・水・木・金曜17:00〜22:00、土曜12:00〜22:00、日曜12:00〜21:00
定休日:火曜

https://tonobrewing.com
《クラフトビールの聖地、遠野へ旅をする》
1|地域一丸で遠野を「ビールの里」に
2|ホップ農家と醸造家のおいしい関係
3|遠野醸造が目指すコミュティブルワリーとは?
4|今年の夏は「遠野ホップ収穫祭」で乾杯!

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