「遠野醸造」
地域一丸で遠野をビールの里に。
クラフトビールの聖地、遠野へ旅をする
ビールの香りや苦みのもとになるホップ。そのホップの一大産地である遠野市では、遠野醸造をはじめ市やホップ農家などが一体となり、「ビールの里」を目指して動き出している。その取り組みを追う全4回の連載《クラフトビールの聖地、遠野へ旅をする》の初回。
岩手県遠野市でホップ栽培がはじまったのは1963年のこと。遠野市は寒暖差のある冷涼な気候で、台風も少ないということもあり、ホップ栽培には最適な土地だった。7.6haからはじまった遠野市のホップ栽培は、ピーク時の1983年頃にはなんと112haに。
現在でも作付面積では日本一を誇っているが、ピーク時に比べると作付面積、生産量ともに5分の1ほどにまで落ち込んでしまっている。その大きな理由はホップ農家の高齢化。遠野のホップ栽培が存続できるかどうかという危機が迫っているのが現状だ。
その危機を乗り越えるために動き出したのが、遠野市、ホップ農家、そして半世紀にわたりホップ農家と契約栽培を行っているキリンビール。2007年から「TK(遠野×キリン)プロジェクト」を立ち上げ、ホップを軸に地域住民とともに「ビールの里」を目指していくことに。
新規就農者を受け入れるだけでなく、ビアツーリズムを実施するなど、遠野ならではの新しいビアカルチャーをつくろうとしている。遠野醸造もその「ビールの里」へ進む過程で生まれたブルワリー。危機に瀕していた遠野が、ホップを軸に変わりはじめている。
文=富江弘幸 写真=鍵岡龍門
2019年7月号 特集「うまいビールはどこにある?」
遠野醸造TAPROOM
住所|岩手県遠野市中央通り10-15
Tel|0198-66-3990
営業時間|月・水・木・金曜17:00〜22:00、土曜12:00〜22:00、日曜12:00〜21:00
定休日|火曜
https://tonobrewing.com
《クラフトビールの聖地、遠野へ旅をする》
1|地域一丸で遠野を「ビールの里」に
2|ホップ農家と醸造家のおいしい関係
3|遠野醸造が目指すコミュティブルワリーとは?
4|今年の夏は「遠野ホップ収穫祭」で乾杯!