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ゆとなみ社が手がける
京都のニューウェーブ銭湯3選
| 銭湯の聖地、京都へ!④

2023.12.31
ゆとなみ社が手がける<br>京都のニューウェーブ銭湯3選<br><small>| 銭湯の聖地、京都へ!④</small>

銭湯の聖地、京都を巡る旅。今回は、若者世代の利用が急増中の3つの銭湯、鴨川湯、サウナの梅湯、源湯を紹介。銭湯文化を守りながらそれぞれの個性を光らせる継業手腕に注目だ。

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京都のニューウェーブ銭湯を手がける
銭湯継業集団「ゆとなみ社」

施設の老朽化や経営者の高齢化、燃料の高騰などで減る一方の街の銭湯。その中に一石を投じているのが、京都を中心に活動する「ゆとなみ社」だ。廃業寸前の銭湯を借り受けて、銭湯未経験でも入りやすいように改装、オリジナルグッズの販売やSNSを駆使するなどの工夫で見事に若い世代を呼び込むことに成功し、人気銭湯によみがえらせている。それぞれに個性際立つ京都市内のゆとなみ社の銭湯3軒を紹介しよう。
 
ゆとなみ社
銭湯活動家・湊三次郎さんが代表を務める銭湯継業集団。2015年に当時24歳の湊さんが継いだサウナの梅湯を皮切りに、9軒の銭湯を継業。「銭湯を日本から消さない」がモットー

1|かわいいタイルはそのままに
店長二人が新しい一歩を刻む「鴨川湯」

将来銭湯を経営したい若い世代が、ゆとなみ社各店の店長を担う。スタッフも銭湯好きばかり。客層も若く、同世代で自然に会話が生まれる

今年7月にゆとなみ社が継業し復活。以前から鴨川湯ファンだった遠藤さんと丹羽さんが、湊さんに継業を直訴し実現させたとか。「地域に溶け込む存在でありたい」という願いがかたちになった、フロントから道行く人と話せるつくりがユニーク。オリジナル企画も順次計画中。

廃材で湯を沸かす釜。裏では力仕事も多くある
店長の遠藤さくらさんと丹羽悠貴さん。二人店長体制で運営している
浴室は最小限の補修で以前のまま。かわいいモザイクタイルが随所に使われている
継業にあたり新しくデザインされたロゴが入るフェイスタオル600円。隙間のない太文字には大入満員の願いが込められている

住所|京都市左京区下鴨上川原町56
電話番号|080-3916-6540
営業時間|14:00〜翌1:00
定休日|火曜
料金|大人(中学生以上)490円、中人(小学生)150円、小人(乳幼児)60円
浴槽種類|ジェット・薬湯(泡風呂)・電気風呂・水風呂
サウナ|電気式 男100℃、女92℃
販売|貸しタオル50円
備え付け|ボディソープ、シャンプー、化粧水、ドライヤー(無料)

2|全国から銭湯ファンが訪ねる
ゆとなみ社の総本山「サウナの梅湯」

高瀬川沿いに建つサウナの梅湯。京都駅からも徒歩圏内

ゆとなみ社の快進撃の原点であるサウナの梅湯は、いまや京都の観光名所的な存在に。外からロビーの見えるつくりや、浴室内の手書きの壁新聞などは、その後の継業店にも受け継がれている。多数揃うオリジナルグッズを入浴記念や銭湯継業活動の応援に購入するお客さんも多い。

女湯浴室には銭湯ペンキ絵師・田中みずきさん筆の松のペンキ絵も
地下水をかけ流す水風呂
建物の外壁にある「サウナの梅湯」のネオンサインをモチーフにしたフェイスタオル600円は、お土産として一番人気

住所|京都市下京区岩滝町175
電話番号|080-2523-0626
営業時間|14:00〜翌2:00(土・日曜6:00〜12:00、14:00〜翌2:00)
定休日|木曜
料金|大人(中学生以上)490円、中人(小学生)150円、小人(乳幼児)60円
浴槽種類|ジェット・泡風呂・薬湯・電気風呂・水風呂
サウナ|電気式 男100℃、女90℃
販売|貸しタオル50円
備え付け|ボディソープ、シャンプー、化粧水(女湯のみ)、ドライヤー(無料)

3|昭和風情をたっぷり満喫
湯上がりは和室でリラックス「源湯」

今年6月から店長を務める中村勇貴さん

2019年7月にゆとなみ社が継業。番台をフロント方式に改装したほか、前経営者の住まいだった和室を風呂上がりの「くつろぎスペース」として開放。田舎の古民家に来たような心地よさがある。2階には古書や雑貨を扱う店やギャラリーなどテナントが入る複合ショップの横顔も。

源湯の特徴である「くつろぎスペース」。冬にはこたつが登場。不定期で開催のイベント会場にもなる
鴨川湯や梅湯と同じく地下水を廃材で沸かした湯が気持ちいい
暖簾にも使われているロゴの入ったフェイスタオル600円。暖簾を模した手ぬぐい2000円なども販売している

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住所|京都市上京区北町580-6
電話番号|080-3832-4126
営業時間|14:00〜翌1:00
定休日|火曜
料金|大人(中学生以上)490円、中人(小学生)150円、小人(乳幼児)60円
浴槽種類|ジェット・薬湯・電気風呂・水風呂
サウナ|なし
販売|貸しタオル50円
備え付け|ボディソープ、シャンプー、化粧水、ドライヤー(無料)

 

   

 

text: Hiroki Hayashi photo: Takuya Oshima
Discover Japan 2023年11月号「京都 今年の秋は、ちょっと”奥”がおもしろい」

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